現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 美しさと実用さを兼ね備えた1台──新型メルセデス・ベンツCLS220dスポーツ試乗記

ここから本文です

美しさと実用さを兼ね備えた1台──新型メルセデス・ベンツCLS220dスポーツ試乗記

掲載 更新 11
美しさと実用さを兼ね備えた1台──新型メルセデス・ベンツCLS220dスポーツ試乗記

マイナーチェンジしたメルセデス・ベンツの4ドア・クーペ「CLS220dスポーツ」に小川フミオが試乗した。ライバルが増えた今、カテゴリーの先駆者はどのような進化を遂げているのか?

CLS220dという選択は悪くない

都会の夜が似合うディフェンダー登場!

もっともぜいたくな4ドア……と、いったら、メルセデス・ベンツ「CLS」がすぐに思いつく。5mちかい全長のボディをもち、ドアは4枚あっても、基本的には2プラス2のパッケージ。軽快なキャビンをもった“ふたりのための4ドア・クーペ”なのだ。

その改良版が2021年9月に日本で発売されたものの、さまざまな事情で生産が遅れていたようで(その時点でもアナウンスされていた)、2022年3月になってようやく日本のナンバープレートがついたクルマに乗ることが出来た。

今回乗ったCLS220dスポーツは、CLSシリーズのなかではもっとも機能主義的な成り立ちだろう。パワフルな直列6気筒エンジンがならぶラインナップにあって、4気筒ディーゼルエンジン。しかもガソリン・モデルが4MATIC(全輪駆動)であるのに対して、後輪駆動だ。

とはいえ、これ、意外にウケそう。ひとことでいうと、パワフルで、ぜいたくで、かつ燃費もけっこう良好だった。

1949cc直列4気筒ディーゼルターボ・エンジンが生み出す400Nmの大トルクゆえ、1820kgとそれなりに重さがあるはずにもかかわらず、かったるさはいっさいなし。発進からぐんぐんと力強い加速を味わわせてくれる。

加速感は、速度が乗ってきても途切れない。低めにかまえたノーズと、吊り目の薄いLEDヘッドランプと、今回新採用になった「スターパターングリル」とが醸し出す、けっこうアグレッシブな雰囲気どおり、意外なほどの“駿足”ぶりを味わわせてくれるのだ。

“駿足”と書いたのは、ハンドリングのよさも影響している。太めのグリップのステアリング・ホイールの操作に対する車両の応答性は、メルセデス・ベンツおなじみのもの。鋭敏でないが繊細。クルマの挙動が手にとるようにわかる。スポーティでありつつ、運転もしやすい。余裕あるクーペボディにぴったりの感覚だ。

試乗車はオプションの「エクスクルーシブパッケージ」を搭載していた。かなめは「エアボディコントロール・サスペンション」。エアサスペンションと電子制御ダンパーを組み合わせていて、車体のロール制御、乗り心地、ドライブモードセレクターと連動しての足まわりの制御をおこなう。これがいい仕事をしている。

アクセルペダルを踏み込むと、すこし独特のディーゼル音が聞こえる。とはいえ、ひとによってはいっさい気にならない程度に抑えられている。室内は無音でないものの、うまく音が丸めてあって、耳ざわりなノイズは気がつかない。

艶やかなインテリア

インテリアも、CLSの魅力だ。乗員をしっかりサポートしてくれる形状のシート、見やすい計器盤とヘッドアップディスプレイ、それに扱いやすいインフォテインメント・システムと、機能主義的に考えられている。

今回、ステアリング・ホイールが最新世代へとアップデートされた。形状的に花弁を連想するような立体的なリムをそなえ、パッドには静電容量式センサーを装着。これにより、 ステアリング・ホイールにかかる力がなくとも、ドライバーがステアリング・ホイールを握っていることが認識されるそうだ。ディスタンスアシスト・ディストロニックの使い勝手が向上している、と、メルセデス・ベンツでは利点を謳う。

インテリアは、上記のように機能主義的なのだけれど、それでいて、試乗車のように(「エクスクルーシブパッケージ」に含まれる)オフホワイトのナッパレザーでシートばかりかステアリング・ホイール、それにツヤをなくしたドリフトウッド(流木)感覚のウッドパネル(グレーアッシュウッドがカタログ名)が組み合わされている。

CLSに乗るひとには、このぐらい艶やかなインテリアが向いているかもしれない。

私だったら、たとえば外装色はダイヤモンドホワイトを選び、内装をふくめて今回の試乗車のように「エクスクルーシブパッケージ」を組み込みたい。ドライバーの夢を載せるプラットフォームのようなクルマである。

CLS220dスポーツの燃費はリッターあたり16.5km(WLTCモード)、「エクスクルーシブパッケージ」装着車で16.4km(同)となる。5m近い全長を考えたら悪い数字ではない。

エレガントでありながら、街乗りも、遠出も、ワインディングロードも、ソツなくこなす出来である。

文・小川フミオ 写真・田村翔

こんな記事も読まれています

三菱の「4WD」何がスゴイ? “スーパーセレクト4WD”に「AYC」? 他メーカーとは違う「三菱の取り組み」とは
三菱の「4WD」何がスゴイ? “スーパーセレクト4WD”に「AYC」? 他メーカーとは違う「三菱の取り組み」とは
くるまのニュース
夜の東京・お台場にヤマハ車集結!オーナーに訊いた『MTシリーズ』の魅力はやっぱり…
夜の東京・お台場にヤマハ車集結!オーナーに訊いた『MTシリーズ』の魅力はやっぱり…
レスポンス
電動モデルの「MX-30 EV」と「CX-60 PHEV」を展示! 走りが進化したロードスターにも試乗可能! マツダ出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
電動モデルの「MX-30 EV」と「CX-60 PHEV」を展示! 走りが進化したロードスターにも試乗可能! マツダ出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
LE VOLANT CARSMEET WEB
JVCケンウッド、彩速ナビ「タイプS」シリーズから4機種の新モデル
JVCケンウッド、彩速ナビ「タイプS」シリーズから4機種の新モデル
日刊自動車新聞
教習所に駄菓子屋が開店? 阪神自動車学院が食堂環境を改善へ
教習所に駄菓子屋が開店? 阪神自動車学院が食堂環境を改善へ
レスポンス
レース中なのにドアが閉まらない! 好走したプロトン99号車のジャニ、WECスパで遭遇した問題を明かす
レース中なのにドアが閉まらない! 好走したプロトン99号車のジャニ、WECスパで遭遇した問題を明かす
motorsport.com 日本版
トヨタ新型「ヤリス」公開! めちゃ「スポーティ」で“ビッグ”な「Gリミテッド」! 精悍エアロの「コンパクトマシン」馬で登場
トヨタ新型「ヤリス」公開! めちゃ「スポーティ」で“ビッグ”な「Gリミテッド」! 精悍エアロの「コンパクトマシン」馬で登場
くるまのニュース
665馬力のアストンマーティン新型「ヴァンテージ」は何がスゴい?「真のドライバーのために」開発された“超高性能スポーツカー”の進化と真価
665馬力のアストンマーティン新型「ヴァンテージ」は何がスゴい?「真のドライバーのために」開発された“超高性能スポーツカー”の進化と真価
VAGUE
パラモトライダー体験走行会にホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの国産バイク4台が初導入!「サイドスタンドプロジェクト」の活動とは
パラモトライダー体験走行会にホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの国産バイク4台が初導入!「サイドスタンドプロジェクト」の活動とは
Auto Messe Web
DSオートモビル フランスに息づく美と信念を体現したクルマの、はじまりから現在まで
DSオートモビル フランスに息づく美と信念を体現したクルマの、はじまりから現在まで
グーネット
タナクが復調の2位表彰台「土曜のパンクがなければ勝利を掴めた」/WRCポルトガル後コメント
タナクが復調の2位表彰台「土曜のパンクがなければ勝利を掴めた」/WRCポルトガル後コメント
AUTOSPORT web
「MOTOR CAMP EXPO 2024」大阪で開催! キャンピングカーとアウトドアの祭典 6月15-16日
「MOTOR CAMP EXPO 2024」大阪で開催! キャンピングカーとアウトドアの祭典 6月15-16日
レスポンス
スズキ、2024年内「新型車」導入か!? 軽商用モデル計画も進行中!「過去最高」売上高と営業利益更新!
スズキ、2024年内「新型車」導入か!? 軽商用モデル計画も進行中!「過去最高」売上高と営業利益更新!
くるまのニュース
イロモノみたいだけど4000台近くも売ったガチの水陸両用車! 日本でも5台が販売された「アンフィカー770」は水陸両用車に人生を捧げた男の傑作だった
イロモノみたいだけど4000台近くも売ったガチの水陸両用車! 日本でも5台が販売された「アンフィカー770」は水陸両用車に人生を捧げた男の傑作だった
WEB CARTOP
SUV 3兄弟の「WR-V」「ヴェゼル」「Z-RV」がそろい踏み! 「アコード」にも試乗できます! ホンダ出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
SUV 3兄弟の「WR-V」「ヴェゼル」「Z-RV」がそろい踏み! 「アコード」にも試乗できます! ホンダ出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
LE VOLANT CARSMEET WEB
ラリーも公道だけど何が違う? 「フォーミュラE」が日本初の本格公道レースとして話題になったワケ
ラリーも公道だけど何が違う? 「フォーミュラE」が日本初の本格公道レースとして話題になったワケ
WEB CARTOP
ジープ、コマンダーの限定車「オーバーランド」発売 サンルーフを標準装備
ジープ、コマンダーの限定車「オーバーランド」発売 サンルーフを標準装備
日刊自動車新聞
レクサスが新型「豪華オフロードSUV」発売! どんな人が買う? ゴツデザイン採用「GX」の反響は?
レクサスが新型「豪華オフロードSUV」発売! どんな人が買う? ゴツデザイン採用「GX」の反響は?
くるまのニュース

みんなのコメント

11件
  • 最近のメルッェデスは
    1世代前のアウディより見分けがつかなくなった
  • 中国資本メルセデスベンツにこのスペックで900万は払いたくない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1017.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.02598.0万円

中古車を検索
CLSクラス (クーペ)の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1017.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.02598.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村