2024年6月28日(現地時間)、 F1第11戦オーストリアGPがシュピールベルクのレッドブルリンクで開幕する。前戦スペインGPから連戦でに迎えるオーストリアGPはスプリントフォーマットで開催され、28日金曜日にスプリント予選、29日土曜日にスプリントと予選、30日日曜日に決勝が行われる。
フェルスタッペンの牙城に迫るランド・ノリス
前戦スペインGPではマクラーレンのランド・ノリスが躍動し、予選でポールポジションを獲得。王者マックス・フェルスタッペン(レッドブル)を追いつめたが、最終的に勝ったのはまたしてもフェルスタペンだった。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
ノリスとフェルスタペンの一騎討ちとなった終盤。最後のタイヤへ交換でやや手間取ったノリスは同じソフトタイヤで1周につき0.5秒以上タイムを削り取ってフェルスタッペンを追ったが、タイヤがユーズドのソフトだったこともあり、最後は差がなかなか縮まらない状況になってしましった。
最後はフェルスタッペンの粘り勝ちという形となったが、その差はわずか2秒。全体的な速さではノリスのほうが上回っていたようにも見えた。
このところ、ノリスがフェルスタペンを上回る速さを見せるなど、F1の勢力図に変化が見られるだけに、今週末のオーストリアGPには注目が集まるところだ。
【参考】2024年F1第10戦スペインGP決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)66周
2位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+2.219s
3位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+17.790s
4位 63 G.ラッセル(メルセデス) +22.320s
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+22.709s
6位 55 C.サインツ(フェラーリ) +31.028s
7位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+33.760s
8位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+59.524s
9位 10 P.ガスリー (アルピーヌ・ルノー)+71.889s
10位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+79.215s
──────
15位 3 D.リカルド(RB・ホンダRBPT) +1周
19位 22 角田裕毅(RB・ホンダRBPT) +1周
ファステストラップ 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)1:17.115
【参考】2024年F1ドライバーズランキング(第10戦終了時)
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル) 219
2位 4 L.ノリス(マクラーレン)150
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ)148
4位 55 C.サインツ(フェラーリ)116
5位 11 S.ペレス(レッドブル)111
6位 81 O.ピアストリ(マクラーレン)87
7位 63 G.ラッセル(メルセデス)81
8位 44 L.ハミルトン(メルセデス)70
9位 14 F.アロンソ(アストンマーティン)41
10位 22 角田裕毅(RB)19
【参考】2024年F1コンストラクターズランキング(第10戦終了時)
1位 レッドブル 330
2位 フェラーリ 270
3位 マクラーレン 237
4位 メルセデス 151
5位 アストンマーティン 58
6位 RB 28
高低差の大きい起伏に富んだコースレイアウト
オーストラリアGPの舞台となるのは、オーストリアのシュタイアーマルク州の緑あふれるのどかな丘の中にあるレッドブルリンク。起伏に富んだ高低差の大きいコースで、かつてはエステルライヒリンク、A1リンクなどと呼ばれたが、コース改修に伴い、レッドブルリンクという名称となった。その名称からもわかるように、レッドブルのホームコースとなる。
このサーキットはシリーズの中でもユニークな特徴を持っている。まず全長は4318mと短く(モナコ、インテルラゴスに次いで3番目に短い)、コーナー数が10とシリーズの中で最も少なく、ラップタイムは1分ちょっとと最も速く、最高地点と最低地点の標高差は63.5mとスパ・フランコルシャンに次ぐシリーズ2番目の大きさとなっている。
コースは標高の高い場所にあるため酸素濃度が低い上に、F1マシンはターン2・5・8をエンジン全開で駆け抜けるため、エアロダイナミクス、冷却、過給効率が大きな課題となる。また、エンジンにとってはパワーが出しにくく全開率が高くなるためトラブルが多く、マシンにとって過酷なサーキットと言われる。
タイヤ戦略は摩耗や劣化が比較的低小さいため理論上は1ストップも可能なはずだが、気温が高くなるとタイヤの熱管理が難しくなる傾向があり、2ストップが勝利戦略となることが多い。
ピレリの分析「ミディアムとハード タイヤを走らせる2ストップが最速」
昨年2023年のオーストリアGPもスプリントフォーマットで開催されたが、レッドブルのマックス・フェルスタッペンは予選、スプリントを圧倒的なペース差で制覇すると、決勝ではピットインのタイミングで一時トップの座をカルロス・サインツ(フェラーリ)に奪われたものの、すぐさま首位を奪い返すと、あっという間に2位以下に20秒以上のリードを築き上げ、ファステストラップも獲得する完全勝利を飾った。
昨年のこの時期のフェルスタッペンは手が付けられないほどの速さを見せていた。
【参考】2023年F1第10戦オーストリアGPスプリント 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT) 24周[8]
2位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+21.048s[7]
3位 55 C.サインツ(フェラーリ) +23.088s[6]
4位18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス) +29.703s[5]
5位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+30.109s[4]
6位 27 N.ヒュルケンベルグ(ハース・フェラーリ)+31.297s[3]
7位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+36.602s[2]
8位 63 G.ラッセル(メルセデス)+36.611s[1]
9位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス) +38.608s
10位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+46.375
・・・・・・・・・・・・・
16位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)+64.822s
17位 21 N.デフリース(アルファタウリ・ホンダRBPT)+65.617s
※[ ]=獲得ポイント
【参考】2023年F1第10戦オーストリアGP決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT) 71周[25
]2位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+5.155s[18]
3位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+17.188s[15]
4位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+26.327s [12]
5位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+30.317s[10]
6位 55 C.サインツ(フェラーリ) +31.377s[8]
7位 63 G.ラッセル(メルセデス) +48.403s[6]
8位 44 L.ハミルトン(メルセデス) +49.196s[4]
9位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)+59.043s [2]
10位 10 P.ガスリー(アルピーヌ・ルノー)+67.667s[1]
・・・・・・・・・・・・・
17位 21 N.デフリース(アルファタウリ・ホンダRBPT)+1周
19位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)+1周
ファステストラップ 1 M.フェルスタッペン(レッドブル) [1]
※[ ]=獲得ポイント
タイヤを供給するピレリは「レッドブルリンクの路面はかなり古く、摩耗性も高いものの、タイヤにかかる横方向の力は大きくなく、全体的な摩耗は非常に限られています。そのため、オーストラリアGPには最も柔らかい3つのコンパウンドを選択しました。つまり、ハード=C3、ミディアム=C4、ソフト=C5です。低速コーナーからのトラクションとブレーキング時の安定性は、このトラックで競争力を発揮するための重要な要素となります。また、タイヤが過熱すると最初と最後のセクターで他の車からの攻撃をかわすのが難しくなるのでタイヤの温度を管理することも重要なります。このグランプリでは、ミディアムとハード タイヤを走らせる2ストップが最速の戦略となると予測されます」と分析している。
今年のオーストリアGPのもうひとつの注目点は、前戦スペインGPから連戦となること、暑さの厳しい時期にさしかかること、そしてグランプリがスプリントフォーマットで行われること。チームは多忙を極めるだけに、現場の総合力が問われることになる。
第11戦オーストリアGPは6月28日12時30分(日本時間19時30分)から始まるフリー走行で開幕、スプリントは6月29日12時(日本時間19時)、決勝は6月23日15時(日本時間22時)にスタートする。
2024年F1第11戦オーストリアGP タイムスケジュール
フリー走行1回目:6月28日12時30分~13時30分(日本時間19時30分~20時30分)
スプリント予選:6月28日16時30分~17時14分(日本時間23時30分~24時14分)
スプリント(24周):6月29日12時~13時(日本時間19時~20時)
予選:6月29日16時~17時(日本時間23時~24時)
決勝(71周):6月30日15時~(日本時間22時~)
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