転倒骨折により欠場、次戦に臨む
2024年シーズンもMotoGPのMoto2クラスにフル参戦する小椋藍選手(MTヘルメット – MSI)ですが、8月16日から18日にかけて、オーストリアのレッドブル・リンクで行なわれた第11戦オーストリアGPの前に、来季、2025年シーズンについての発表に触れなければならないでしょう。オーストリアGPの木曜日、8月15日に、MotoGPクラスに参戦するトラックハウス・レーシングが、小椋藍選手と2025年、2026年シーズンの契約に合意したことを発表しました。
【画像】2024年シーズンのMoto2クラスに参戦する小椋藍選手を見る(2枚)
トラックハウス・レーシングは、アプリリアのサテライトチームです。つまり小椋選手は2025年、アプリリアのMotoGPマシン「RS-GP」でMotoGPクラスに参戦することになりました。過去、Moto3、Moto2クラスでタイトル争いを繰り広げ、今季もMoto2のチャンピオンシップでランキング2番手につけている小椋選手の最高峰クラスでの活躍は、大いに期待されています。
そんな小椋選手のオーストリアGPは、初日からトップにつける好スタートとなりました。週末のセッションを重ねながら日曜日の決勝レースに向けて、バイクも自分自身も改善していくのが小椋選手のスタイルですが、もちろん、初日からのトップには期待を抱かせるものがありました。
しかし、土曜日午前中のプラクティス2で激しい転倒を喫します。転倒を喫したのはシケインになっている2bコーナーの出口です。この転倒により、セッションは赤旗中断となりました。じつは、これが小椋選手にとって、2024年シーズンの初転倒でした。
その後、MotoGP公式のXによると、小椋選手はメディカルセンターで右手の骨折と診断され、オーストリアGPの予選以降を欠場することになった、ということでした。
MotoGP.comのインタビューのなかでは、小椋選手自身が怪我について、次のように説明しています。
「骨折自体はそんなに複雑ではなく、かなりシンプルです。ドクターたちと話をしたところ、(次戦の)アラゴンは“おそらく大丈夫だろう”ということでした。今週は残念ではありますけど、アラゴンに向けて準備していきたいと思います」
また、小椋選手をサポートするSDG(SDG Motor Sports Official)のXの投稿では、小椋選手が「土曜日の転倒で右手の甲を2カ所骨折しました。レースを走ることができず、申し訳ないという気持ちです。これからスペインに戻り、復帰に向けていまできることをやっていきたいです」とコメントしています。
加えて、土曜日の予選Q2中、国際中継の取材に応じた小椋選手のクルーチーフであるノーマン・ランクも「手術は必要ない」と説明していました。緻密なスロットルやブレーキ操作を行なう右手だけに状態が心配されますが、情報を総合すると、小椋選手は右手に骨折を負ったものの現状では手術を受ける予定はなく、アラゴンGPには出場予定である、ということになりそうです。
オーストリアGPのMoto2クラス決勝レースでは、チャンピオンシップのランキングトップであるセルジオ・ガルシア選手が14位でした。この結果、ガルシア選手と小椋選手のポイント差は2ポイント拡大し、20ポイントとなりました。欠場の痛手は小さく済んだ、と言って良いでしょう。
MotoGP第12戦アラゴンGPは、8月30日から9月1日にかけて、スペインのモーターランド・アラゴンで行なわれます。
■Moto2クラスとは……
Moto2クラスは、トライアンフ「ストリートトリプルRS」の排気量765ccの3気筒エンジンをベースに開発されたオフィシャルエンジンと、シャシーコンストラクターが製作したオリジナルシャシーを組み合わせたマシンによって争われる。タイヤは2024年よりピレリのワンメイクとなった。クラスとしてはMotoGPクラスとMoto3クラスの中間に位置する。
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