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【主流になり得る実力者】BMW i4 M50 xドライブ プロトタイプへ初試乗 最大543ps 前編

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【主流になり得る実力者】BMW i4 M50 xドライブ プロトタイプへ初試乗 最大543ps 前編

初めてMパフォーマンスが付く純EV

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)

【画像】最新BMW i4とM3 欧州製純EV 4ドアサルーンと比較 全105枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


BMWは、2023年までに最大12種類の純EVをリリースする目標を掲げている。その1台として、オリバー・ツィプセBMW会長の熱いプレゼンテーションから量産版の正式発表を経て、ついに最新のi4への試乗が叶った。

2021年後半から生産が始まる予定の、2世代目4シリーズ・グランクーペをベースとするi4。ハッチバックのi3と、SUVのiX3、先日プロトタイプへの同乗が許されたiXに続く、iというサブブランドとして4番目のモデルになる。

今回初めて試乗したi4は、四輪駆動のM50 xドライブ。当初販売される2種類のi4の内の1つで、もう一方は後輪駆動のeドライブ 40を名乗る。

テスラ・モデル3やポルシェ・タイカンのほか、今後控えているアウディA6 eトロンやメルセデス・ベンツEQEといった純EVの4ドアサルーン・クラスで、優位な立場を築けるだろうか。挑戦は始まったばかりだ。

i4 M50 xドライブは、BMW初の電動4ドアサルーンというだけではない。トップグレードとして、Mパフォーマンスに仕立てられた初めての純EVでもある。本気のMではないから、M3に並ぶ存在ではなく、M 340iの電動版といったところ。

最新のi4がベースとするのは、BMWでは見慣れたCLARプラットフォーム。iXとは異なる。アルミニウムとスチールを組み合わせた構造で、純EVとするために大幅な変更を受けている。

大きなバッテリーはフロアパンに固定。駆動系を制御するシステムが、ボンネットの中を満たしている。

従来のBMWらしいプロポーション

i4の見た目で真っ先に気になる部分といえば、4シリーズと共通する大きなキドニーグリルだろう。純EVではエンジンの冷却機能が不要となるから、i4では塞がれ、空気を通す穴は空いていない。

ヘッドライトの内側には、明るいブルーのハイライトが入る。ボディサイドのブルーのトリムと一緒に、電気自動車だとアピールするように。

サイドビューを観察すると、ボンネットは長く、フロントガラスが強く寝かされていることがわかる。サイドウインドウはフレームレスで、ドアハンドルはボディ面と一体。リアエンドは高く、ノッチバック風だ。

M50のテール上部には、小さなスポイラーが載っている。これまでのMスポーツと一致するディティールといえる。

全体のプロポーションは従来的。古くからのBMWのファンには、魅力的に映るかもしれない。同時にiXなどとは異なり、純EVとしてのモダンさには欠けているようにも思う。読者はどうお感じだろう。

ボディサイズは全長4785mmで、全幅1852mm、全高1448mm。現行の3シリーズは全長が4709mm、全幅1827mm、全高1435mmだから、若干大きいものの似たサイズ感にある。ホイールベースはわずかに長く、2856mmが与えられた。

ドアを開くと、見慣れたデザインの中に新しい要素が散りばめられている。BMW 3シリーズや4シリーズで見られるダッシュボードの上に、メーター用モニターとインフォテインメント用モニターがカーブを描いて載っている。

M3コンペティションより33psもパワフル

プロトタイプということで車内の大部分はカバーで覆われていたが、運転姿勢や操作系の人間工学などは筆者にもしっくり来る印象。日常的な移動とスポーティな走りとを融合させたクルマとして、とても正しい車内だと感じた。

ただし、車内空間や荷室容量は3シリーズには及ばない。フロントシート側は広いものの、リアシートはカーブを描くルーフラインの影響で頭上空間に制限がある。荷室容量も、3シリーズより60L小さい420Lとなっている。

試乗したM50 xドライブの純EVパワートレインは、BMWの第5世代に当たり、基本的にはiXと共通。フロントに258psの電気モーターが載り、リアに312psの電気モーターが組み合わされる。

システム総合での最高出力は543psに達し、M3コンペティションが搭載する3.0L直6ツインターボより33psもハイパワーだ。最大トルクもたくましい。システム総合で80.8kg-mという数値は、M3コンペティションより14.7kg-mも上回る。

このフルパワーを引き出せるのは、スポーツブースト・モードを選んだ時の短時間のみ。ほかのモードでは、システム総合で475psと74.2kg-mへ制限される。

フロア下に敷かれるバッテリーは、実容量で80.7kWhのリチウムイオン。72個のセルで構成するモジュールが4つ組み合わされ、フロアパンにボルトで固定される。バッテリーのケースは、ボディ剛性の向上にも役立つという。

従来ドライブシャフトが走っていたセンタートンネル内にも、バッテリーが詰め込まれている。こちらは12のセルで構成されるモジュールが3つ。無駄にした空間はない。

航続距離はM50 xドライブで510km

i4の新しいバッテリーは、NMC811と呼ばれ箱型の形状をしており、7年前のi3比でエネルギー密度を40%も向上させたとしている。その結果、M50 xドライブの航続距離は510kmに達する。

後輪駆動のi4 eドライブ 40は、さらに85kmも長く走れる。動作電圧は400Vで、DC急速充電器は最大210kWの容量まで許容できるという。

予習はこのくらいにして、i4を運転してみよう。センターコンソールのボタンを押して、i4 M50を始動させる。電気的な唸り音も聞こえず、車内は沈黙が続く。アクセルペダルを踏むと、驚くほどスムーズに発進した。

前後2基のモーターは、極めてレスポンスが良い。アクセルペダルの操作に対する反応具合も見事で、必要なパワーを狙った通りに引き出せる。走りの質感は上質。余裕あるパワーを簡単に引き出せるから、毎日の運転を安楽にこなせるだろう。

郊外の開けた道へ足を伸ばせば、Mパフォーマンスを名乗るに相応しい活力を発揮させて、感嘆のドライビング体験を得られる。スポーツブースト・モードへ切り替えると、さらなる68psと6.6kg-mを召喚でき、アクセルレスポンスも高まる。

静止状態からの加速も鋭い。目をみはるほどリニアに速度を上昇させ、i4を力強く推し進めていく。豊かなトルクが軽くない車重を受け止め、中間加速も強烈。しかもスピードメーターの数字が160km/hに届くまで、加速度は衰えない。

この続きは後編にて。

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みんなのコメント

2件
  • トップグレードにしてはスペック低すぎ
    テスラの半分じゃん
    アウディとメルセデスにかなり置いてかれてるね

    デザインも先進性もスペックも、もはやアメ車以下
  • >スピードメーターの数字が160km/hに届くまで、加速度は衰えない。

    160まで加速Gが全く下がらない(≒モーター特有のロケットスタート加速が続く)というニュアンスを期待したが、そうではなさそう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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