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ジャガーF-PACE SVR 550ps マカン・ターボに対抗 ニューヨーク・モーターショー

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ジャガーF-PACE SVR 550ps マカン・ターボに対抗 ニューヨーク・モーターショー

もくじ

ー 「SVR」第2弾は、SUVモデルに
ー 直線以外も得意 足まわりは専用設計
ー さまざまなキャラクター 快適さも維持
ー SVR専用エクステリア/インテリア
ー 邦貨1100万円台 パフォーマンスモデルも登場か?

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SVR第2弾はSUV

ジャガー初のハイパフォーマンスSUVとなるF-PACE SVRが登場した。ジャガーは販売好調なF-PACEの勢いに乗り、高性能なSUVに対する需要を取り込もうとしている。

F-PACE SVRはジャガーにとってF-タイプにつづく第2のSVRモデル。ジャガー・ランドローバーのスペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)によって開発が行われた。

ジャガーの新型サルーン・モデルへのハイパフォーマンス・バージョン設定する前に、このクルマを発表した理由。それは、サルーンからSUVへのシフトを強調する動きなのだ。現時点では、ニュルブルクリンクでのラップレコード更新を狙って創り出された限定モデルのXE SV プロジェクト8を除けば、XE/XFにSVRバージョンが登場する計画はない。

マカン・ターボ 超えるか?

・スーパーチャージャー付5.0ℓV8ガソリンエンジン搭載
最高出力:550ps
最大トルク:69.4kg-m
0-100km/h加速タイム:4.3秒

F-PACE SVRの車重は2070kgに達する。それにもかかわらず、その0-100km/h加速タイムは、同じV8エンジンを積むF-タイプと同じく、4.3秒を記録。

最新モデルの開発ペースを示すかのように、この0-100km/h加速は2009年に発売された先代アウディR8 V10と同じタイムであり、F-PACE SVRの最高速度は283kmに達する。データ上ではあるが、434psの出力で0-100km/h加速タイム4.4秒、最高速度272km/hを誇るポルシェ・マカン・ターボのパフォーマンス・パッケージを上回るもの。

ジャガーでは、アウディ・スポーツとメルセデス-AMGのパフォーマンス・ワゴンとともに、マカン・ターボを目標にF-PACE SVRの開発を行ったのだ。

もちろん、ジャガーの0-100km/h加速タイムを凌ぐライバルも存在する。510psで0-100km/h加速3.8秒、最高速度249km/hのメルセデス-AMG GLC63 Sや、同じく510ps、0-100km/h加速3.8秒で、最高速度は283km/hのアルファ・ロメオのステルヴィオ・クアドリフォリオといったモデルたちだ。

直線以外も得意 足まわりは専用設計

同じV8エンジンの575ps仕様ユニットは、F-タイプ SVRとレンジローバー・スポーツSVRに搭載されてきた。さまざまな仕様でジャガー・ランドローバーのモデルにひろく使用されてきたが、今回SVOのエンジニアリングチームでは、SUVの動力性能にあわせた専用のキャラクター設定を行ったという。

ジャガーでビークル・インテグリティ担当のチーフ・エンジニアを務めるマイク・クロスは、F-PACE SVRが直線だけを得意とするモデルではないことを伝えるのに苦労しているようだ。彼は「エンジンのパフォーマンスに見合ったハンドリングと敏捷性も備えたモデルです。ステアリングから専用設計のサスペンション・セッティングまで、全てが特別な設定となっています」と語っている。


このクルマの動力性能のカギは、ジャガーがもつリアのElectronic Active Differential(EAD/エレクトリック・アクティブ・ディファレンシャル)だ。F-PACEでこのシステムを搭載するのはSVRが初めてとなる。もともとF-タイプ向けに開発され、SVRバージョンでも重要な役割を果たした。四輪駆動の各タイヤに最大トルクを供給する制御システムだと考えればいい。EADには、アダプティブ・サスペンション、電動パワーステアリングと、さまざまなドライビング・モードをもつF-PACE SVRにあわせた専用のチューニングが施されており、「ダイナミック」と呼ばれる最も過激なモードでは、ギアシフトが速くなるとともに、スロットルのレスポンスが向上し、ステアリングもよりクイックになる。

さらにジャガーでは、SVRにはスタンダードなF-PACEに対して、フロントで30%、リアで10%、レートを高めたスプリングを採用しており、新たなアンチロールバーとの組み合わせで、ボディロールを5%削減したという。

さまざまなキャラクター 快適さも維持

しかし、SVOのダイナミクス・マネージャーであるデイビッド・プークは、F-PACE SVRについて、不快な乗り心地をもつ極端に締め上げたようなモデルではなく、ドライビング・モードによってさまざまなキャラクターが楽しめるクルマだと話す。

「動力性能のためにクルマから快適さを奪う必要などないのです」と彼はいう。「ドライバーが望めば、クルマと一体化したような運転を楽しむこともできます。B級路を走ってみれば、このクルマの機敏さと反応の良さに驚かされることになるでしょう」

リアがフロントに比べて25mmワイドな幅をもつ、新たな軽量デザインの21インチか、22インチの鍛造ホイールが選択可能であり、このクルマのハンドリングを特徴づけるのに貢献している。ジャガーは、22インチのホイールは標準ホイールに対して、フロントで2.4kg、リアで1.7kg軽量だという。


フロント/リアの新たなホイール・デザインは、フロントで395mm、リアで396mmに達する大径ブレーキディスクに対して、より多くのエアフローを確保するために創り出されたものだ。さらに、このツーピース・ディスクは、軽量化によって、F-PACE SVRのハンドリングを向上させることを目的に新たにデザインされたというが、その重量削減幅は明らかにされていない。

軽量化に関しては、F-PACE SVRのエグゾーストシステムは標準モデルに比べ6.6kg軽く、背圧が減少することで、排気ガスの流れを向上させるとともに、このクルマのもつパフォーマンスをさらに引き出すことに成功している。このエグゾーストには、ジャガーがVariable Valve Active Exhaust(可変バルブ・アクティブ・エグゾースト)と呼ぶシステムが搭載されており、よりドライビングに集中したモードが選択され、音質もより力強さを増すという。

SVR専用エクステリア/インテリア

フロントバンパーの正面とサイドに設けられた大型エアインテークを含め、エアロダイナミクスも強化。ホイールアーチ内の空気抵抗を減少させることでリフトを削減し、高速域での安定性を向上させるとともに、さらなる冷却エアーを確保。さらにボンネット形状も再デザインされ、エンジンルームから熱気を放出させるためのベントが設けられている。

リアは、4本のテールパイプを収めた新デザインのバンパーが、リアボディからのエアフローをスムースに。これにエアロダイナミクスを向上させるサイドスカートと組み合わせた。


キャビンは、SVRのロゴをもつ、サイドサポートのしっかりとした軽量フロントシートが標準モデルとの大きな違い。SVRブランドのステアリングにはアルミニウム製パドルが設置される。なお、SVRは赤から薄灰色までの、4つのインテリアカラーを選択することができる。

一方、リアシートもパッセンジャーをタイトに包み込むものとなる。インテリアの収納スペースとトランクスペースは標準モデルから変更はない。

邦貨1100万円台 パフォーマンスモデルも登場か?

F-PACE SVRの価格は7万4835ポンド(1136万円)からとなり、最初のデリバリーは7月を予定している。

競合車の欧州価格を参考にすると、マカン・ターボ・パフォーマンス・パッケージは6万9505ポンド(1055万円)から、GLC63 Sは6万6905ポンド(1016万円)、さらにステルヴィオ・クアドリフォリオは6万7000ポンド(1017万円)からと予想されている。


F-PACE SVRはF-PACEのトップモデルとして登場。急成長するSUV市場にジャガーが進出したのは2016年にもかかわらず、いかに早く彼らがこのセグメントで重要なプレイヤーになったかを示す存在でもある。

昨年、ジャガーは全世界で7万6350台のF-PACEを販売。2011年のジャガー全体の販売数量を50%上回る記録だ。さらにF-PACEは2017年のジャガー全販売台数の42%を占めるとともに、ジャガー全モデルに決定的な影響を及ぼすと考えられている、ワールド・カー・オブ・ザーイヤーと、ワールド・カー・デザイン・オブ・ザーイヤーの2冠に輝いている。

興味深いことに、ジャガーはF-PACE SVRを「これまでで最も速く、パワフルなF-PACE」だとしており、おそらくはプロジェクト7 F-タイプとプロジェクト8 XEに続くモデルとして、さらに速いモデルの登場を示唆している。

プークは「常に一歩先を行くこと。常に学び、チャレンジすることで、より良くなるのです。それがわれわれにとっては自然なやり方ではないでしょうか」と話す。

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