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ノーブルM12とM400 英国版中古車ガイド 信頼できる手頃なスーパーカー

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ノーブルM12とM400 英国版中古車ガイド 信頼できる手頃なスーパーカー

手頃な価格の本格スーパーカー

高額な車両価格や複雑なメカニズムは、スーパーカー・オーナーになれる人を狭めるものだ。それに疑問を感じたのか、英国のリー・ノーブル氏は、M12 GTOと呼ばれる少量生産のスーパーカーを独自に生み出した。

【画像】英国製スーパーカー ノーブルM12とM400 現行のM600と次期M500も 全56枚

その完成度は非常に高く、登場の2001年から5年ほどはフェラーリやポルシェと対等に渡り合えたほど。ライバルと比べて遥かに手頃な価格設定も、話題の1つになった。

M12 GTOの発売当初の英国価格は、4万4950ポンド。スチール製のスペースフレーム・シャシーに、ル・マン・プロトタイプのようなFRPボディを被せるという、シンプルながら効果的な設計が最大の特徴といえるだろう。

サスペンションは、前後ともにダブルウイッシュボーン式。エンジンは、オールアルミのフォード社製2.5L V型6気筒デュラテック・ユニットにツインターボをドッキング。最高出力314psを発揮した。

ノーブルの事業規模は小さく、シャシーの製造を請け負ったのは南アフリカのハイテク・オートモビル社。組み上がったものを英国へ運び、最終的な仕上げとともに、強力にチューニングされたエンジンが搭載された。

ギャレット社製ターボの特徴的な唸りを響かせつつ、0-160km/h加速は約10秒。トランスミッションは5速MTで、最高速度は265km/hを達成していた。

アグレッシブな見た目に鋭い身のこなし

1999年創業の英国新興メーカーによる初モデルとなったM12 GTOは、自動車メディアだけでなく、自動車ファンからも暖かい歓迎を受けた。鋭い身のこなしに強力なグリップ力、一体感のある操縦性が、当時高い評価を集めている。

レーシングカー的な、アグレッシブなスタイリングも注目に値する。また、人間工学に優れたドライビングポジションと適切な遮音性も備え、見た目からすれば乗り心地もマイルドと呼べるもの。長距離を快適に移動できることも強みだった。

M12 GTOには多くの可能性が残されており、翌2002年には同じデュラテック・ユニットながら、フォード・マーベリック用の3.0L V6エンジンへ置換。M12 GTO-3へとバージョンアップしている。

最高出力が357psへ引き上げられたほか、最大トルクは大幅に向上。ターボラグも短くなっているが、個性の1つだったターボノイズは小さくなっている。

さらに2003年には、進化版のM12 GTO-3Rが登場。そのまま、2008年まで生産が続けられている。このモデルの識別点は、新しいヘッドライト。よりスムーズな変速が可能な6速MTとクワイフ社製のLSDが搭載され、後輪を効果的に駆動させていた。

運転しやすく能力に長けたGTO-3R

ノーブルはM12の動力性能を突き詰め、2005年にM400を投入。このモデル名は1t当たりの馬力を示している。M12 GTO-3Rと同じV6エンジンから431psを引き出し、0-97km/h加速は3.5秒でこなした。

エンジンの変更点は、ハイリフトカムと大径ターボ、鍛造ピストンの採用。オイルクーラーも改良を受けている。シャシー面では、ダイナミクス社製のダンパーとフロント側にアンチロールバーが組まれている。タイヤはピレリPゼロ・コルサだ。

インテリアは、上質なアルカンターラで仕立てられている。ボディサイドの大きなエアインテークが、強い存在感を放っていた。

この世代のノーブルで、英国編集部のオススメといえるのはM12 GTO-3R。運転しやすく能力に長けたスーパーカーとして、楽しい週末を過ごさせてくれるだろう。

購入時に気をつけたいポイント

トランスミッション

M12 GTO-3Rより前に搭載されていた5速MTとオープンデフは、それ以降のものと比べて不調を招きやすい。耐久性が低く、サーキット走行を繰り返しているとリビルドが必要になる。

ジェットストリーム・モータースポーツ社の場合は、一部がプラスティック製のベアリングをスチール製に交換し、ギア表面の加工をし直すことで耐久性を上げるという。

エンジン

M12に搭載されているフォード製ユニットは、基本的に故障知らず。不具合としては、エグゾースト・マニフォールドの亀裂程度らしい。多くがステンレス製の強化品へ交換済みかもしれないが、事前に点検しておく方がベターだ。

初期のM12には、フォード社製の標準的なオイルサンプ・システムが使われている。横Gが強く掛かるような運転を楽しむ場合、オイルサージを避けるために、大容量サンプへ交換した方が良いだろう。

サスペンションとブレーキ

車重が1050kgと軽く、ブレーキとサスペンションは基本的に寿命が長い。だが、サーキットを攻め込むような場合は、高性能なコイルオーバー・キットに交換したいところ。ジェットストリーム・モータースポーツ社も提供している。

ちなみに2種類あり、1つはガズ社製の1200ポンド(約19万円)。一般道でのしなやかさを保ちつつ、高速域向けに調整も可能だ。もう1つは約4000ポンド(約62万円)。ビルシュタイン社製ダンパーとアイバッハ社製スプリングが組まれた、レース用のものだ。

ボディ

完成度が高く堅牢だが、クラムシェルの固定ネジ付近やリアウイングの周辺に、ヒビが入る場合がある。高温多湿の状態で長期間保管されると、ボディに細かな気泡ができる。FRPの専門ショップなら、補修を受けてくれるだろう。

電気系統

システムはシンプルで、ほぼトラブルフリー。エンジンの高温状態が続くと、ハーネスのビニールが溶ける場合があるが、耐熱スリーブで覆えば対策は可能。ヒューズとリレーまわりは量産車ほど密閉されておらず、湿気が入り腐食を招く場合がある。

オーナーの意見を聞いてみる

マット・ウォルトン氏:ジェットストリーム・モータースポーツ社代表

「ノーブルM12は、定期的な点検や整備を怠らなければ、信頼のおけるクルマです。毎日のように乗っているというオーナーもいますし、中には大きなトラブルなしに、サーキット走行も含めて20万km以上走ったという人もいるほど」

「中古車を購入するなら、走行距離には関係なく、毎年の定期点検をお勧めします。ホース類やブッシュ、ボールジョイント、サスペンションアームなど、見落としがちな部分も忘れないでおきたいですね」

「エンジンオイルとフィルター、スパークプラグ、燃料フィルターと補機ベルトの交換、ブレーキフルードの入れ替え、エアフィルターのクリーニングなどが当社の標準的なメニュー。費用は555ポンド(約8万6000円)です」

「フェラーリやポルシェのディーラーでの作業と比べれば、遥かに安いと思います」

知っておくべきこと

オーナーによるV6エンジンのパワーアップは、M12では珍しくない。より高いブースト圧を与え、大きなインタークーラーとパイピング・キットを組むという手法が一般的。

大径ターボと高効率なエグゾースト・システム、強化燃料ポンプを搭載すれば、500ps近いパワーも実現できるそうだ。お望みなら。

英国ではいくら払うべき?

3万ポンド(約465万円)~3万4999ポンド(約541万円)

初期型のM12 GTOが英国では見つかる価格帯。

3万5000ポンド(約542万円)~4万1999ポンド(約650万円)

M12 GTO-3が含まれてくる。状態も悪くはない物が多いようだ。

4万2000ポンド(約651万円)~5万3999ポンド(約836万円)

パワフルなM12 GTO-3Rを英国では探せる。

5万4000ポンド(約837万円)以上

ハードコアなM400も英国では購入できる価格帯。

英国で掘り出し物を発見

ノーブルM12 GTO-3R 登録:2004年 走行距離:4万9800km 価格:4万6250ポンド(約716万円)

かなり状態の良さそうな、整備記録がしっかり残っているGTO-3R。5オーナーだが、新しいタイヤがセットで付き、車検も1年残っている。

M400用のシフト・メカニズムを搭載し、エンジンはECUのリマッピングで357psから402psへパワーアップしてある。それ以外はノーマルだという。

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みんなのコメント

1件
  • 横浜ですが…
    ご近所さんに→M12が青空駐車されています
    *\(^o^)/*
    通勤用っぽいです

    はぁー☆
    イギリス車って☆面白いよねぇ〜
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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