現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > スカイライン クロスオーバーは「速くて快適」。想定外にラグジュアリーなSUVだった【10年ひと昔の新車】

ここから本文です

スカイライン クロスオーバーは「速くて快適」。想定外にラグジュアリーなSUVだった【10年ひと昔の新車】

掲載 2
スカイライン クロスオーバーは「速くて快適」。想定外にラグジュアリーなSUVだった【10年ひと昔の新車】

2009年、日産から新しいコンセプトのSUV「スカイライン クロスオーバー」が登場した。ワゴンなどをベースとしたそれまでのクロスオーバーSUVとは一線を画し、ラグジュアリーなFRクーぺをそのままSUVにしたような形は斬新だった。ここでは登場間もなく行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年10月号より)

「クーペとSUVの融合」と謳う
日産はSUVモデルを作るのが上手い。日本市場には、デュアリス、エクストレイル、ムラーノを投入しているが、それらは同じSUVというジャンルにありながら、それぞれ大きさが異なるだけではなく、違うジャンルに属すると言っていいほど性格が異なり、それによって幅広い層から大きな支持を集めている。

日産が新型「フェアレディZ」全グレードの車両価格を公開。発売は「2022年夏」に変更

加えて、北米と欧州市場には、インフィニティEX、FXもラインナップ。パスファインダーも相変わらずの人気を誇っている。大きなSUV市場を持つ北米市場で堅調な販売を見せる一方で、欧州市場ではニッサンはSUVメーカーというイメージもあるほどの人気ぶりだ。

そして、このスカイライン クロスオーバーはまた違った魅力を持つSUVモデルだ。「セダンとSUV」ではなく、「クーペとSUVの融合」と謳う。

このモデルはすでに北米市場と欧州市場でインフィニティEXの名前でデビューしているものの、当初から日本市場にはスカイライン クロスオーバーとして投入されることが決まっていたため、そのデザインはスカイライン クーペのイメージを反映させたものになっている。

このクルマの最大の特徴は、FRとそれをベースとした4WDとしていること。ロングノーズ、リアードキャビン、小さなガラスエリアといった基本デザインは、従来のSUVの常識とはまったく異なるものになっている。同じFRベースといっても、カイエンやX5などとも異なり、これはもはや新しい形の4ドアスポーツと言えるかもしれない。その姿はカイエンよりもむしろパナメーラに近いのでは、とも思う。

SUVらしからぬ洗練された「ハンドリング指向」
運転席に乗り込むと、まるでクーペのような贅沢な空間を感じる。アイポイントはやや高めながら、高めのコンソール、包み込むようなインテリアがほどよいタイト感とラグジャリー感を出している。派手さと渋さを感じさせる大人っぽい空間だ。

アイポイントの高さはヒップポイントをクーペよりも15mm高めたことによるもの。この610mmというヒップポイントは乗り降りしやすく、着座すると自然な見晴らしをもたらす。さらにややアップライトに座ることで、ホイールベースが2800mm(クーペは2850mm)に縮められているにもかかわらず、室内空間は十分に保たれている。

ちなみに、まずはこのヒップポイントを決めてから、全体のプロポーションを決定していったという。後席もパーソナルで優雅な雰囲気を持っていて、まるで応接間で寛ぐような快適さがある。

パワートレーンはVQ37VHR型3.7L V6と7速ATの組み合わせのみの設定となるが、駆動方式は電子制御トルクスプリット4WDとFRを選択可能、さらにそれぞれに標準仕様と豪華仕様となるタイプPを設定されているので計4グレードとなる。タイプPはアラウンドビューモニター、本革シート(ドライビングポジションメモリー付き)などが標準で装備される。

肝心の走り味だが、これはまるでSUVらしくないハンドリング指向。330ps/361NmのV6エンジンは、FRモデルでも1700kgを超えるこのボディに対しても余裕たっぷりで、7速ATが気持ちよくそのパワーを引き出してくれる。

また、このモデルのために開発し直された足まわり、ねじり剛性が高められたボディ、ステアリングのフリクション改善などにより、適度なロールを許しながら、しなやかな乗り心地とシャープな回頭性を見せる。走りの洗練度は高い。

SUVモデルとなれば4WDが販売の中心となるのだろうが、スカイライン クロスオーバーはFRも実に魅力的。限界性能はともかく、個人的にはFRのすっきりとしたハンドリングにも好感を持った。 

やはり、このクルマの狙いはスーパーSUVの顔をした4ドアスポーツなのだと思う。(文:Motor Magazine編集部 松本雅弘/写真:永元秀和)

日産スカイライン クロスオーバー 370GT FOUR タイプP 主要諸元
●全長×全幅×全高:4635×1800×1575mm
●ホイールベース:2800mm
●車両重量:1830kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:3696cc
●最高出力:243kW(330ps)/7000rpm 
●最大トルク:361Nm/5200rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:4WD
●車両価格:499万8000円(2009年)

[ アルバム : 日産スカイライン クロスオーバー はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

頑張れ日産! フェアレディZの2025年モデル発表、あわせて新規注文を再開!
頑張れ日産! フェアレディZの2025年モデル発表、あわせて新規注文を再開!
カー・アンド・ドライバー
もう待ちきれない! [新型GT-R]はなんと全個体電池+次世代モーターで1360馬力! 世界が驚く史上最強のBEVスポーツカーへ
もう待ちきれない! [新型GT-R]はなんと全個体電池+次世代モーターで1360馬力! 世界が驚く史上最強のBEVスポーツカーへ
ベストカーWeb
「ジャパンモビリティショー2024」に若者たちはどう感じたか? 対話と提案で「次世代モビリティ社会」を作る
「ジャパンモビリティショー2024」に若者たちはどう感じたか? 対話と提案で「次世代モビリティ社会」を作る
ベストカーWeb
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
Merkmal
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
ベストカーWeb
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
ベストカーWeb
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ベストカーWeb
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
ベストカーWeb
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ベストカーWeb
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
ベストカーWeb
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース

みんなのコメント

2件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

447.1546.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

33.5220.0万円

中古車を検索
スカイライン クロスオーバーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

447.1546.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

33.5220.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村