■上海モーターショーで話題となったモデルを振り返る
中国における商業や工業の中心的な都市である上海市で、2021年4月19日に「2021年 上海モーターショー」が開幕しました。
近年、中国は世界中のメーカーにとってドル箱といえる市場で、中国で売れるクルマを販売することが急務といわれ、今回の上海モーターショーでも数多くの新型車が世界初公開されています。
なかでも目立つ存在なのがSUVで、その多くはEVもしくはプラグインハイブリッド車といった電動車です。
中国は2035年までに脱ガソリン車(純粋に内燃機関だけを動力とするクルマからの脱却)とすることを国策としており、中国メーカーだけでなく世界各国のメーカーも必然的にEVやハイブリッド車にシフトしようとしています。
そこで、日本のメーカーが上海モーターショーに出展したクルマのなかでも、話題のモデルを5車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「クラウンクルーガー」
トヨタは上海モーターショーで、新型ハイブリッドSUVの「クラウンクルーガー」を発表しました。
クラウンといえば日本を代表する高級車ですが、日本専売ではなく今では中国でも販売されているグローバルカーといえます。
このクラウンの優れたDNAを受け継ぎつつ、中国のニーズに合わせた新型SUVとしてクラウンクルーガーが登場。
今回発表された新型クラウンクルーガーはTNGAアーキテクチャーを採用し、パワーユニットは2.5リッター直列4気筒エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドを搭載。
駆動方式はモーターでリアタイヤを駆動するE-Fourシステムによる4WDとなっており、上質さと効率性を兼ね備えた走りと、広い室内空間を実現しているといいます。
クラウンクルーガーは2021年中頃の発売の予定です。2020年11月には日本においてクラウンがセダンからSUV化するのではという報道がありましたが、クラウンクルーガーはまさにこの報道を示唆しているのではないでしょうか。
●ホンダ「eプロトタイプ」
ホンダはEVのコンパクトSUV「eプロトタイプ」を発表しました。中国初となるホンダブランドの電気SUVで、2022年春の発売予定です。
詳細なスペックは明らかになっていませんが、外観は全体のフォルムや細部の造形などを見ると、発売が秒読み段階の新型「ヴェゼル」に酷似しており、おそらくベースはヴェゼルと思われます。
日本仕様のヴェゼルが「e:HEV」を採用したハイブリッド車なのに対し、eプロトタイプのパワーユニットはモーターのみのピュアEVという違いがあり、今後、グローバルで展開される可能性も高いでしょう。
ほかにも第3世代の「Honda CONNECT」を搭載しており、日常とのつながりやスマートフォン連携、OTAアップデートなどに対応。
実際にこのコネクトサービスは、2021年後半に中国で発表する新商品から適用開始とアナウンスされていますから、市販モデルのeプロトタイプ=新型電動SUVにも搭載させるはずです。
また、ホンダは「CR-V」をベースにしたSUVの「ブリーズ」シリーズに、あらたにプラグインハイブリッド車を加える発表しており、中国におけるホンダのSUVラインナップはさらなる多様性を実現しています。
●日産「エクストレイル」
日産は上海モーターショーにおいて、7年ぶりとなる新型「エクストレイル」を発表しました。
外観やサイズ感は現行モデルの3代目エクストレイルからキープコンセプトとなっていますが、より「Vモーショングリル」が強調されており、エッジを効かせたデザインを採用することでSUVらしい力強さがアップしています。
パワーユニットは2018年に発売された量産車世界初の可変圧縮比エンジンである「VCターボ」を搭載するのは明らかになっていますが、2021年2月に発表された欧州向けSUV「キャシュカイ」には1.5リッターのVCターボエンジンを使ったシリーズハイブリッド「e-POWER」が搭載されることから、新型エクストレイルも同様なパワーユニットの可能性が高いといえます。
エクストレイルはモノコックフレームのクロスオーバーSUVですが、オフロード性能も高く、アウトドアレジャーやマリンスポーツ、ウインタースポーツに最適なモデルとして人気があり、新型が日本で発売されればSUV市場の台風の目となるのではないでしょうか。
■「86」と同様にスバルと共同開発されたトヨタのSUVとは?
●トヨタ「bZ4X」
トヨタは上海モーターショーにおいて前述のクラウンクルーガーに加え、同車の兄弟車にあたる第4世代のSUV「ハイランダー」、そして完全に新型となる電動SUVの「bZ4X(トヨタ ビーズィーフォーエックス)」のコンセプトモデルを世界初公開しました。
bZ4Xはトヨタの「bZシリーズ」第一弾であり、パートナーの1社であるスバルと共同開発したSUVタイプのEVです。
外観は新型「ハリアー」をイメージさせるクーペスタイルで、EVならではのフロントグリルを最小限にしたシャープなフロントフェイスに、ルーフエンドのユニークな造形が特徴的です。
プラットフォームは、トヨタとスバルで共同開発したe-TNGA EV専用プラットフォームを採用。
電動化技術を得意とするトヨタと優れたAWD技術を持つスバル、両社の強みを投入して快適かつ楽しめる走りを実現するEVがコンセプトとなっています。
また、内装では操舵時に持ち変える必要がない異形ステアリングホイールを搭載し、同時にスムーズな運転感覚をもたらすステアバイワイヤも採用。
低いインストルメントパネルやステアリングホイール上方に配置したメーターが斬新で、開放感や視認性の向上にも寄与しています。
パワーユニットの詳細は未発表ですが、回生エネルギーの活用に加え、停車中でも充電が可能なソーラー充電システムを装備し、走行可能距離の向上を図っています。
bZ4Xをベースにした市販モデルは日本と中国での生産を予定しており、2022年中旬にはグローバルでの販売を開始する予定です。
●三菱「エアトレック」
三菱「エアトレック」といえば、2001年から2005年まで国内市場で販売されたクロスオーバーSUVで、セダンなどからの乗り換えでも違和感を覚えることのないドライブフィールと、日常での使い勝手の良さが特徴のモデルでした。
このエアトレックの16年ぶりとなる新型が、上海モーターショーで発表。ただし、実車の展示はなく、あくまでもデザインが発表されたのみです。
公開されたフロントフェイスは、三菱のデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」を採用。「アウトランダー」よりも「デリカD:5」を彷彿とさせる力強さがあります。
また、リアビューではワイド感を強調するようなバンパーとテールゲートのデザインに、「T字」のLEDテールランプが斬新です。
パワーユニットはピュアEVであることのみが発表されていますが、「アウトランダーPHEV」や「エクリプスPHEV」によるモーター駆動のノウハウが生かされていることでしょう。
EVである新型エアトレックは2021年内に、中国市場で発売予定です。
※ ※ ※
今回の上海モーターショーでは、各メーカーともSUVと電動車の出展がこれまで以上に増えました。
確かにSUVは世界的な流行であり、とくに中国では大型かつ高級なモデルが売れるとあって、各メーカーの力の入れ方は当然でしょう。
また、前述のとおり中国では脱内燃機関を進めているため、EVやPHEVが数多く登場するのも自然な流れです。
しかし、EVについては充電時間や航続可能距離、厳冬や酷暑での電費、充電インフラなどまだまだ改善するべき課題がたくさんあります。
メーカーとしてもつくらざるを得ないという事情は理解できますが、EVはまだ技術的に成熟していないことは知っておいたほうがいいかもしれません。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタ本気の「小さな高級車」に驚きの声! めちゃ豪華な「本革×本木目」内装を採用! 小型車に「クラウン品質」取り入れた“直列6気筒エンジン”搭載モデルに反響あり!
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
中古車バブル崩壊……その時あなたは何を買う!? 絶版国産[スポーツカー]ほしいランキング
トヨタ『ランドクルーザー』リコール…ドライブシャフト不良、走行不可能になる恐れ
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
後は各メーカーの「バッテリー調達能力」の差しかないから、市場でのシェアが大きいトヨタは有利になる。
各国のインフラが整い次第、一気に攻める気だな。