■新型フィットは、タイヤサイズによって乗り味が変わる?
新型フィットは、5つの異なるグレードを新たに設定しています。エントリーグレードとなる「ベーシック」、中間グレードの「ホーム」、アクティブさを演出する「ネス」、ほかのグレードより最低地上高を30mm高めたSUV風の「クロスター」、本革シートを備える上級の「リュクス」です。
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パワートレインは、1.3リッターのガソリン車と新開発の1.5リッターのハイブリッド車が設定されます。
走行安定性は、いまの車両開発の流れに沿って、後輪の接地性に重点を置いています。危険を避けるために急な車線変更を強いられたり、下り坂のカーブでブレーキを踏む操作をしても、後輪の接地性が削がれにくいです。高速道路の直進時を含めて、コンパクトカーのなかでは安心感が高いといえます。
この安定性を確保したうえで、カーブでは操舵角に応じて自然に曲がる性格に仕上げたのです。急カーブの続く峠道を走っても、旋回軌跡を拡大させにくく、運転の楽しさを味わえます。
乗り心地は40km/h以下では少し硬いですが、速度が高まると穏やかな印象に変わるのです。
現行型ではカーブを曲がっている最中に路上の段差などを乗り越えると、突き上げ感が生じて進路を瞬間的に乱され、ハンドルを内側へ切り込む操作も必要でしたが、新型ではこの不快感が払拭されています。
タイヤサイズとエンジンによっても、走行安定性と乗り心地に違いが表れます。15インチタイヤ(185/60R15)を装着する1.3リッターのガソリン車(ベーシック)グレードは、燃費を重視した印象を受けます。
低速域では乗り心地が少し粗く、その代わりボディが軽いので、走りにも軽快感があります。下りカーブなどにおける後輪の接地感も高く、挙動を乱しにくいです。
16インチタイヤ(185/55R16)を装着する1.5リッターのハイブリッド車(リュクス)は、少し引き締まった感じがあります。低速域では硬めですが、15インチタイヤのベーシックに比べて乗り心地が上質な印象といえます。
その代わりハイブリッドの場合、カーブを曲がるときにはボディの重さを少し意識させられ、後輪の接地性も若干下がりますが、挙動の変化が穏やかで不安はありません。
リュクス、クロスター、ネスは16インチタイヤを装着しており、クロスターは前述のように最低地上高も30mm高いです。エンジンの組み合わせを含めて、購入時には複数のグレードを試乗して判断すると良いでしょう。
■視界や使い勝手は、現行型と比べてどう?
取りまわしは、現行型に比べて斜め前方の視界が向上しました。前側のピラー(柱)を2本設けて、衝撃を吸収する太いピラーを手前に寄せています。これにより窓枠が細くなり、斜め前の三角窓を含めて視界が向上しました。車両の四隅も分かりやすいです。
ワイパーは低い位置で収納され、視界を遮らず、サイドウインドウの下端を水平基調にしたため、斜め後方も現行型に比べて見やすくなっています。
インパネは水平基調のデザインで、ハンドルは2本スポーク。スイッチ類は比較的高い位置に備わっています。質感やデザインの評価はユーザーによって異なりますが、視認性と操作性は良いです。
前席の座り心地は、コンパクトカーのなかでは快適な方といえ、サイズに余裕があり、背もたれの下側と座面の後方など、体重の加わる部分をしっかりと造り込んでいます。
後席は現行型と同様に足元が広く、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ半です。
ミドルサイズのセダンやSUVと同等の余裕があり、後席の背もたれを調節する機能は省かれ、現行型の寝かせた角度で固定しています。
一方で乗降性は、現行型に比べて少し悪化した印象を受けます。後席側のドアの開口部は現行型に比べると、上側を10mm下げたからです。
それでも全高を立体駐車場に入庫可能な高さに抑えたコンパクトカーでは、乗り降りは容易な部類には入ります。
燃料タンクは、現行型と同じく前席の下に搭載され、荷室は床が低めで積載容量は大きいです。
以上のように新型フィットの特徴は、基本的には現行型とほぼ同じといえます。
全長は4m以下のため、街中で運転しやすく、立体駐車場の利用性も優れています。その一方で前後席ともに居住性は快適で、荷物も積みやすいです。
これらのメリットを活かしながら、走行安定性、乗り心地、ハイブリッドの性能、安全装備と運転支援機能を兼ね備えるホンダセンシングの性能を向上させています。
販売が好調なコンパクトカーのなかでも、新型フィットはさまざまな機能が優れ、選ぶ価値の高いモデルになっているといえます。
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みんなのコメント
もうほんと勘弁してほしい。
こんなのが5台6台連なって街の中を走ってるところを想像してみ。
穏やかな「街」の雰囲気をぶち壊し。