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ホンダCBR1000RR-R SP試乗インプレッション【絶大な安心感が乗り手を刺激】

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ホンダCBR1000RR-R SP試乗インプレッション【絶大な安心感が乗り手を刺激】

サーキットでタイムアップを目指す人に

[◯] 誰もが体感できる圧倒的な安心感と速さ

世界から見た’20ホンダCBR1000RR-Rとは【カタール国際試乗会】

ツインリンクもてぎで開催されたCBR1000RR-Rの試乗会に参加した日の夜、筆者はなかなか眠れなかった。その理由は、ライディング中の興奮が頭と身体に残っていたからで、「5コーナーの立ち上がりは最高に気持ち良かった」「ヘアピンは途中から上手く回れるようになった」などとニヤつく一方で、「ダウンヒルストレートはもっと開けられた」「90度コーナーはビビッていた」という反省もあって、脳内はぐるんぐるん。

いずれにしても試乗会の後に、こんな気持ちになるのは初めてで、RR-Rは僕のような普通のライダーでも「スゴい!」「ありがたい!」と言いたくなる性能を備えていたのだ。なお今回の試乗会の前に、僕はこのバイクで公道を約1000km走り、あまりに市販レーサー然とした乗り味に、そこはかとない疑問を抱いていた(ライポジがツラすぎる)のだが、国際格式のサーキットを走ることですべてが腑に落ちた気がした。 

―― 【HONDA CBR1000RR-R FIREBRAID SP】■全長2100 全幅745 全高1140 軸距1455 シート高830(各mm) 車重201kg ■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 999cc 218ps[160kW]/14500rpm 11.5kg-m[113Nm]/12500rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量16L ■ブレーキF=Wディスク R=ディスク ■タイヤF=120/70ZR17 R=200/55ZR17 ●色:赤 ●価格:278万3000円

圧倒的なパワーやMotoGPレーサーを彷彿とさせるウイングレットなど、RR-Rはとにかく話題が多いモデルだが、実際にサーキットを走った僕が感動したのは、”超”が付くほど絶大な安心&安定感である。 

具体的には、ストレートでの全開加速中にフロントが何度も浮きそうになっても、コーナー手前でかなり強引なシフトダウンをして、ヤバイ!と感じる速度で旋回姿勢に入っても、フルバンクからどんなに豪快に誰もが体感できる圧倒的な安心感と速さアクセルを開けても、RR-Rは破綻の気配を見せないのだ。だから乗り手としては、どんどん新しいことにチャレンジしたくなる。意外なことに、旋回性には軽快とかシャープといった雰囲気はないのだけれど、この件に関しては「安定性は十分以上に確保してあるから、曲がるほうはライダーの技量で何とかしろよ」ということなのだと思う。 

ちなみに、RR-Rには3種のライディングモードが存在し、最もヤル気の”1″とやや穏やかな”2″は、公道では大差とは思えなかった。ところが、サーキットでは完全な別モノ。開発のメインとなったトラック用の”1″のほうが、圧倒的に走りやすかった。

―― 試乗車は上級仕様のSP。サーキットを走るにあたって、溝付きレーシングタイヤのピレリ・ディアブロスーパーコルサSC2を装着し、バックミラー+リヤフェンダーなどを撤去。なお、先代と比較するとRR-R は軸間距離が40mm長く、装備重量が6kg重くなっている。

―― MotoGPレーサーの技術を転用したエンジンは、200万円代のリッタースーパースポーツではダントツ1位となる218psを発揮。アクラポヴィッチと共同開発のマフラーは、純正とは思えない豪快な音を聞かせてくれる。

―― フロントカウル中央にはラムエアダクト(網の類は一切なく、手を入れるとフレームに触れる)、サイドカウル左右にはMotoGPレーサーの技術を転用したウイングレットを設置。

―― フロントキャリパーは現代のリッタースーパースポーツの定番・ブレンボのスタイルマ。セミアクティブ式のオーリンズ製の前後サスペンションは、基本的にはサーキット重視の特性だが、一般公道での乗り心地も良好だった。

―― プレス素材を用いたスイングアームは、RC213V-Sを思わせる構成。前後ホイールは先代の意匠を継承するが、軽量化を行った新作。リヤタイヤは先代から1サイズアップとなる200/55ZR17。

―― クイックシフターは当然、アップとダウンの両方に対応。オートブリッパーの設定は絶妙で、シフトダウンしながらのコーナー進入が、とてつもなくイージー&気持ちよく行えた。

―― 高級感が希薄という意見があるようだが、ヒカリモノや余計な色がなく、黒で統一されたコクピットは個人的には好感触。メーターには5種類のレイアウトが存在。

―― イグニッションはスマートキー式で、メインスイッチはメーターの奥。中央のプッシュボタンがオン用で、オフにするときは外周を縦方向に回す。

―― ガソリンタンクと内腿のフィット感は抜群で、減速時や旋回中に機能部品として使える。その一方でシートに関しては、サーキットでも一般公道でも感触がいまひとつ……。

[△] ブレーキの不満は乗り手によりけり?

周回を重ねるうちに、ブレーキタッチがやや曖昧になって来たことは、少々気にならないでもない。もっとも試乗会に参加していた他のエキスパートライダーからそういう意見は出ていなかったので、これは筆者の技量の問題なのだろう…。

[こんな人におすすめ] サーキットでタイムアップを目指す人に最適

ストリートがメインのライダーに推奨しないが、サーキットでタイムアップを目指すライダーにとって、RR-Rは現時点で最高のバイク。基礎体力が高いから、サーキット用として仕立てる費用も、ライバル勢より安く済むはずだ。

●まとめ:中村友彦 ●写真:真弓悟史 ※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

※本記事はニュースメディア配信用に一部抜粋・再編集されたものであり、全文詳細はオリジナルサイトに掲載されています。The post ホンダCBR1000RR-R SP試乗インプレッション【絶大な安心感が乗り手を刺激】 first appeared on WEBヤングマシン|最新バイク情報.

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