現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【ロードスター試乗記】ドライビングマニアを刺激する新たな武器「逆1.5Way LSD」を搭載

ここから本文です

【ロードスター試乗記】ドライビングマニアを刺激する新たな武器「逆1.5Way LSD」を搭載

掲載 更新
【ロードスター試乗記】ドライビングマニアを刺激する新たな武器「逆1.5Way LSD」を搭載

2024年1月にマツダ・ロードスターが大幅商品改良を行ない、新たな運転する楽しみを作り出していた。その改良モデルに試乗することができたので、お伝えしよう。

ロードスター S Special Package ソウルレッドクリスタルメタリック改良ポイントは電動パワーステアリング制御の手の内化やLSDカム左右非対称タイプを投入。そしてモータースポーツ用のDSC制御の追加がある。加えて、エンジンの出力向上、吸排気デバイスによるエンジンサウンドの作り込みといったことも同時に行なっている。

DS 自動車に「ChatGPT」を世界初搭載

またコンフォート系機能やOTAといった領域でもE/Eアーキテクチャーの全面刷新による、さまざまな変更が行なわれていた。

ロードスターRF(リトラクタブルハードトップモデル) RS エアログレーメタリック(新色)関連記事:マツダ ロードスターがマイナーチェンジ デフが変わって意のままに 
https://autoprove.net/japanese-car/mazda/roadstar/223963/

笑顔がこぼれるEPS制御

個人的には今回の大幅改良ポイントの中で、最も気持ちよかったのはEPSの改良だ。ハードとしてはデュアル・ピニオンタイプで変更はないが、ラックとの接点位置を変更するなどレイアウト変更を行ない、またピニオンの押し付け荷重の変更、モーター出力変更など細部に渡り変更している。

そして最もポイントになるのが、制御プログラムをマツダ内で行なったことが挙げられる。ハードは日立アステモ製(ショーワ)だが、制御を内製化して手の内化できたことで思い通りの仕上がりなったというわけだ。またロードスターの場合、ハイグリップタイヤを装着するケースもあるので、トルクセンサーの容量アップという変更も行なっている。

実際には、ステアリングの切り戻しの戻り方がSATのように自然と戻ってくる。特にセンター付近での戻り具合は、ステアリングが意志を持ったかのように、クルマが真っ直ぐ走りたいと主張するかのごとくなのだ。思わずニヤニヤしてしまった。

逆1.5Way LSDを新開発

もうひとつは「アシンメトリックLSD」の採用だ。左右非対称のLSDカム構造のLSDで、減速側と加速側の差動制限力に差異を持たせることで、旋回性や旋回の質の向上を狙っている。ロードスターはハードブレーキング時にリヤ荷重が薄くなり、グリップが抜けやすくなる傾向があるが、それをLSDで減速時の抵抗を大きくしてトルクを発生させ、グリップ力に繋げる狙いのものだ。

一般的に1.5Wayと言われるLSDは加速時にトルクが大きくなるように設定しているが、このアシンメトリックLSDは減速時にトルクが大きくなるので、「逆1.5Way」式LSDというわけ。

新型 アシンメトリックLSD旧型 スーパーLSD走行シーンではコーナー進入時の減速Gを高く、ハードブレーキングをしながらターンインしていくと、確かにリヤの接地感は増し、安定してコーナリングが始まる。これは旧型と比較試乗できたので、その違いが明確にわかり、安定方向に効果があることがわかった。

また同時にボディコントロール制御技術のKPCも従来通り制御されており、コーナリング時の姿勢は安定方向になる。つまり、シャシーはLSDで、ボディはKPCで制御することで高い次元での安定したコーナリングが実現できるわけだ。

しかしながら、クルマを振り回わしたり、暴れることを抑える醍醐味は薄れ、面白味は薄れるかもしれない。そういう人には、グレード「S」などオープンデフもラインアップしているので、そちらのモデルを選択すればいい。アシンメトリックLSDは装備されないので、従来の走りが楽しめるのだ。

ドライビングマニアはクルマが安定すると、より高い速度域、旋回速度を狙っていく欲求が顔を出すため、次第にエンジンパワーに物足りなさを感じるかもしれない。が、これは人によるか。

騒音規制対策兼心地よいエンジンサウンドを

モータースポーツ用DSC制御に関して、今回はサーキット走行ではなかったのでテストしていないが、DSCの介入タイミングを遅らせ、レースでも使えるDSCというのを狙い、今回追加装備している。

またスカイアクティブG1.5Lのエンジンも制御の見直しをし、ハイオクガソリン用のセッティングを追加している。その結果3kWの出力向上があった。制御のポイントではアクセルの戻し操作時の応答性の改善を図っているが、これはロードスターオーナーは、その違いを体感しやすいと思う。

もうひとつの改良では、上質という言葉がいいように思うが、インダクション・サウンド・エンハンサーを装備し、エンジン音の雑味を消し、いい音が聞こえるようにエアクリーナーボックスを変更している。

ダイナミック性能に関係する主な変更点は以上だが、他にもE/Eアーキテクチャーの全面刷新がある。これはまずADAS関連で、ロードスターに初めてACCが搭載された。マツダ・レーダークルーズ・コントロールとスマートブレーキ・サポート(後退時検知機能)を採用した。こちらは今回テストをしなかったが、常時スポーツ走行するわけでもなく、淡々と移動する状況などではありがたい機能と言えるだろう。

E/Eアーキテクチャーの全面刷新

そしてサイバーセキュリティ法への対応も行なっている。こちらは法規対応になるが、継続販売車両にも求められている法規で、ロードスターを今後も継続販売するためにも対応を行ったと言うわけだ。

そしてナビが変わった。これは8.8インチのセンターディスプレイになりスマホとの連携やコネクテッドサービスの利用も可能になった。

じつはメーター表示もデザイン変更され、下地は真っ黒になっている。ナビも横長タイプの最新にアップデートじつはここに裏話があり、E/EアーキテクチャーはCX-60で採用している世代のもと共通のものが今回ロードスターに搭載したそうで、その結果、従来のナビが使えなくなり、ヘッドライトなどはLEDしか使えなくなったという。そのため、ヘッドライトやテールランプも今回の大幅改良でLEDになっているのだ。またメーター系のデザインも一新され、液晶にアナログ表示を基本とし、またブラック基調で統一されており、視認性も高くロードスターによく似合うスパルタンな印象になった。

走る楽しさ、爽快感をもたらすロードスターが、今回も新たなこだわりの武器を手に入れ、ドライブマニアに響く商品に仕上げてきたと言える。

ロードスターRF(リトラクタブルハードトップモデル) RS価格

ロードスター関連記事
マツダ関連記事
マツダ公式サイト

The post 【ロードスター試乗記】ドライビングマニアを刺激する新たな武器「逆1.5Way LSD」を搭載 first appeared on オートプルーブ - Auto Prove.

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

スズキ、フラッグシップ『ハヤブサ』のカラーリングを変更した最新モデルを発表。11月22日より発売
スズキ、フラッグシップ『ハヤブサ』のカラーリングを変更した最新モデルを発表。11月22日より発売
AUTOSPORT web
まだまだ続きます 北近畿豊岡道の「有料トンネル」料金徴収期間を延長 背景に老朽化
まだまだ続きます 北近畿豊岡道の「有料トンネル」料金徴収期間を延長 背景に老朽化
乗りものニュース
700万円超え! スバル新型「SUV」発表! 2リッター「水平対向」×マイルドハイブリッド搭載! 全長4.7m級の「新フォレスター」欧州に登場へ
700万円超え! スバル新型「SUV」発表! 2リッター「水平対向」×マイルドハイブリッド搭載! 全長4.7m級の「新フォレスター」欧州に登場へ
くるまのニュース
F1ラスベガスFP2速報|FP1に続きメルセデスのハミルトンが最速。角田裕毅10番手
F1ラスベガスFP2速報|FP1に続きメルセデスのハミルトンが最速。角田裕毅10番手
motorsport.com 日本版
スズキ『V-STROM 250SX』がカラーリング変更、新価格は59万1800円
スズキ『V-STROM 250SX』がカラーリング変更、新価格は59万1800円
レスポンス
約3000万円で落札されたポルシェ「911 カレラRS アメリカ」は何か変! 実は新車の頃からシュトロゼックのボディキットが装着されていました
約3000万円で落札されたポルシェ「911 カレラRS アメリカ」は何か変! 実は新車の頃からシュトロゼックのボディキットが装着されていました
Auto Messe Web
フォード、伝統のバハ1000で『ブロンコDR』と『レンジャー・ラプター』が主要部門を制覇
フォード、伝統のバハ1000で『ブロンコDR』と『レンジャー・ラプター』が主要部門を制覇
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、出鼻を挫くパンクは「大きな衝撃がなかった」と驚き。DAY2は”抑えめ”の走りに|WRCラリージャパン
トヨタ勝田貴元、出鼻を挫くパンクは「大きな衝撃がなかった」と驚き。DAY2は”抑えめ”の走りに|WRCラリージャパン
motorsport.com 日本版
最強の4気筒「メルセデスAMG A 45 S 4MATIC+ Final Edition」は限定300台
最強の4気筒「メルセデスAMG A 45 S 4MATIC+ Final Edition」は限定300台
AutoBild Japan
アイオニック5からコナへ!【ヒョンデ・アイオニック5長期レポート5】
アイオニック5からコナへ!【ヒョンデ・アイオニック5長期レポート5】
AUTOCAR JAPAN
走行中、後ろから緊急自動車が! 譲らないと「違反」に!
走行中、後ろから緊急自動車が! 譲らないと「違反」に!
くるくら
トヨタの「“2階建て”ハイエース!?」登場! 豪華“ウッド”&茶内装が超カッコイイ! 充電システム×エアコンも完備のケイワークス「アーチザン Type I」お台場で実車公開
トヨタの「“2階建て”ハイエース!?」登場! 豪華“ウッド”&茶内装が超カッコイイ! 充電システム×エアコンも完備のケイワークス「アーチザン Type I」お台場で実車公開
くるまのニュース
【ヤマハ】Netflix の新作SFアニメ「Tokyo Override」にヤマハがデザインしたバイク「Y/AI(ワイエーアイ)」が登場!
【ヤマハ】Netflix の新作SFアニメ「Tokyo Override」にヤマハがデザインしたバイク「Y/AI(ワイエーアイ)」が登場!
バイクブロス
キャンプ・災害に備える手のひらサイズの携帯浄水器「Greeshow GS-288」のセール実施中!
キャンプ・災害に備える手のひらサイズの携帯浄水器「Greeshow GS-288」のセール実施中!
バイクブロス
クシタニが2024-25FWガーメントを発売! 暖かさと運動性の高さを両立した防寒パンツ・ブーツ・グローブをラインナップ
クシタニが2024-25FWガーメントを発売! 暖かさと運動性の高さを両立した防寒パンツ・ブーツ・グローブをラインナップ
バイクのニュース
ミツオカ新型「M55」世界初公開に反響多数! MTのみ設定&“旧車”デザインに「良すぎる」の声! 青内装の「ゼロエディション」が話題に
ミツオカ新型「M55」世界初公開に反響多数! MTのみ設定&“旧車”デザインに「良すぎる」の声! 青内装の「ゼロエディション」が話題に
くるまのニュース
ついに昔の[ダイハツ]が蘇る!? [不祥事]以来変わった[社内の雰囲気]とは
ついに昔の[ダイハツ]が蘇る!? [不祥事]以来変わった[社内の雰囲気]とは
ベストカーWeb
ニューズウィーク誌が選ぶ「2025年最も期待される新型車」にベントレー新型「コンチネンタルGTスピード」が選出されたもっともな理由…とは?
ニューズウィーク誌が選ぶ「2025年最も期待される新型車」にベントレー新型「コンチネンタルGTスピード」が選出されたもっともな理由…とは?
Auto Messe Web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村