IAAでの取材を終えた小川フミオ氏は、スイスで行われるID.シリーズのオーナーたちの集まりに向かった。そこではフォルクスワーゲンが開発したコンセプトモデルも公開されていた。
3回目のID. MEETING
[VW ID.4試乗記]ID.シリーズの世界戦略車「ID.4」:その 1
フォルクスワーゲンのBEV(バッテリー電気自動車)「ID.」シリーズのオーナーが、スイスのイタリア語圏ロカルノでミーティングを開いた。楽しそうな、その様子を見てきたリポートをお送りします。
同時にもうひとつ、このときの話題はID.シリーズのスペシャルモデルのお披露目。フォルクスワーゲン本社のエンジニア有志による「ID.X(アイディーエックス)パフォーマンス」モデルが公開された。
通常、ブランドがファンをつなぎとめるのに、もっともいい方法のひとつが、オーナーズミーティングともいわれる。
世界的に有名なものは、ゴルフGTIオーナーによるオーストリアのベルターゼー(Wolthersee)という湖の湖畔で行われてきた。1982年に始まり、メーカーまで巻き込んで毎年20万人を超えるひとが集まる大イベントに成長した。
ベルターゼーのイベントは、あいにく、あまりにひとが集まりすぎて、要するにオーバーツーリズム状態となり、現地から開催を見合わせてほしいという要望が出されるまでに。フォルクスワーゲンでは、24年から独ウォルフスブルクの本社での開催を発表している。
2023年9月に第3回めを迎える「ID.TREFFEN」(英語だとID. MEETING)。スイス・チューリッヒ出身のダニエル・オット氏(48歳)氏の呼びかけで、マジョーレ湖畔の街ロカルノで開催された。
オット氏は、ゴルフGTIやゴルフRなど歴代のスポーツゴルフに乗ってきて、いまは「ID.3」の車高を落としたモデルに乗る。妻は「ID.5」に乗っているそう。
「SNSで呼びかけて、100台の参加申込みがありました。じっさいは、120台ぐらいの参加になりそうです」
ウェブデザイナーを職業とするオット氏は、取材に対して、そう説明してくれた。
このミーティングに集まったのは、ID.ドライバーズクラブのメンバーが中心。スイスからのゲストが多いが、ドイツやオランダのナンバープレートもちらほら。
558psのID.Xパフォーマンスに観客の視線は釘付け
第1回めからフォルクスワーゲン本社が協力してくれていて、23年は会場に、ワンメイクのID.モデルを展示。
ID.4GTXをベースにクロスオーバー型に改造した「ID.XTREME(エクストリーム)」や、若いデザイナーたちがランボルギーニの塗装などを使って仕上げた「ID.5GTX XCITE(エキサイト)」、さらにスターウォーズをベースにしたTVシリーズの主人公をサブネームにした「ID.BUZZマンダロリアン」など、見ていて楽しい。
23年は「ID.Xperformance(エクスパフォーマンス)」がベールを脱いだ。発表されたばかりの「ID.7」の試作車をベースに、VW社内のエンジニアたちが仕上げたレーシーなモデルだ。
「改造しようと思うと、大きくいって2つの方向があります。ひとつはオフロードテイスト、もうひとつは今回のようにレーシー(レース的)なテイストです」
前後にモーターを搭載して、ビークルダイナミクスマネージャーで前後のトルクをコントロールして走るID.Xperformance。開発に携わった本社エンジニアのセバスチャン・ウンガーラント氏は、上記のように話してくれた。
「コンピュータープログラムを変更して、411kW(558ps)をしぼりだすとともに、デフロックに手を入れてドリフトモードを設けています。外観は、スワンネックのスポイラーも設けてレーシーに仕上げました」
話をミーティングに戻すと、参加者つまりID.のオーナーたちはほとんど全員が、以前はVW製ICE(内燃機関)に乗っていたそうだ。
「ゴルフRから乗り換えた理由は、やっぱりBEVはカーボンニュートラルと思ったからです。1年に5~6万キロ走る自分のようなドライバーはなおさら、ICEから乗り換えるべきだと考えました」
そう話すオット氏は、2019年にID.3が発売されるとすぐに購入。23年9月までに11万9000kmを走行していた。
「ソフトウェアのマイナートラブルはありますが、走行性能で問題を感じたことはありません」と話してくれた。会場に集まったオーナーたちも、ほぼ同意見だったようだ。
Vol.2へ続く
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みんなのコメント
って思って買う人いるのかな?