■“それってスポーツカーじゃ……”、5速MTの初代エスティマに大反響
「トヨタの天才タマゴ」といえば、ミニバンである初代「エスティマ」のテレビCMで流れていたキャッチフレーズ。
短い台詞ながらインパクトが大きく、記憶に残っている人も多いでしょう。
ミニバンの先駆けとなった初代エスティマ。その中でも珍しい個体が中古車サイトに掲載され注目を浴びています。
【画像】「えっ…!」これが「次期エスティマか!?」 トヨタの「次世代ミニバン」を画像で見る(67枚)
エスティマは1990年に発売されました。近未来を彷彿とさせる丸みを帯びたボディが印象的です。
室内空間は従来にはないほどの広さを持ち、居住性と快適性を両立させたことで、大ヒットモデルとなりました。
ちなみに初代の後は2000年に2代目、2006年に3代目にモデルチェンジされ、2019年に生産終了。2代目にはトヨタのミニバン初のハイブリッドも採用されました。
初代エスティマのボディサイズは、全長4800mm×全幅1800mmの3ナンバーサイズが基本。
しかし、それでは取り回しに課題があるということで、全長4690m×全幅1690mm×全高1780mmにリサイズした5ナンバー版のエスティマ「ルシーダ/エミーナ」が登場しました。
そして、今回中古車市場で発見されたのはそのルシーダです。
注目されている理由はトランスミッションにあります。
現在の国産ミニバンは、商用車を除けばATモデルしかありません。しかし今回のルシーダは5速MTが搭載されています。
レバーが配置されている場所も運転席左横のフロアに配置された珍しいものです。
一般的なミニバンは、エンジンとトランスミッションが最前方かつ横並びに配置され前輪を駆動しています。
そのため、シフトレバーはハンドル左横のダッシュボードに備え付けられるのがセオリーです。
しかし今回のルシーダはフロアから“杖”が生えています。その理由はエンジンレイアウトにあります。
初代エスティマは、エンジンを75度横に傾けたうえフロア下のミッドシップに配置するという独自のシャー設計。鉄道のディーゼル気動車のようなレイアウトを採用しています。
エンジンにはトランスミッションもドッキングされているので、フロアからシフトレバーを出すレイアウトが効率的。扱いやすさも両立しています。
ちなみに初代エスティマは室内の広さもヒットの理由。このエンジンレイアウトによる功績です。
今回の個体は1996年型。基本的にはノーマル状態が維持されていますが、ルーフキャリアと、そこにアクセスするために後部にラダーが備え付けられています。
内装は、ハンドルをMOMOのスポーツタイプに換装。オーディオはADDZEST(クラリオン)で、CDに加えて、今はなき規格「MD」に対応しています。
座席は3列シートで8人乗り。2列目シートは180度回転して後ろ向きにすることが可能。特急列車のようなボックス席にできます。
現在では非常に珍しいパッケージのこの個体ですが、販売している「爆安オート」の担当者はエスティマの反響について、「問い合わせ自体はそんなに多くはありませんが、純正の5速MTのルシーダは非常に珍しいため、“ご指名”で購入検討する人はいらっしゃいます」と話します。
さらにネット上でも反響があります。
「昔はミニバンにもMTが普通に設定されていた」「かつて乗っていたが、ミニバンスポーツとして太鼓判を与えたい」「アルテッツァ用のLSDを移植した。かなり面白い車だった」「ボディ剛性が高くてびっくしりた記憶がある」
実は初代エスティマは、3ナンバーモデルも5ナンバーモデルも後輪駆動(あるいは後輪駆動を主とした四輪駆動)なのです。
つまり高性能スポーツ車が用いる「MR方式」が採用されているということ。何から何まで他に類を見ないパッケージで、「ミニバンスポーツ」というコメントにも頷けます。
※ ※ ※
トヨタの天才タマゴといわれた「エスティマ」ですが、サイズダウンしたルシーダのMT仕様が中古車市場で発見され話題を集めました。
ネット上でもネガティブなコメントはほとんど見られず、当時を懐かしむ雰囲気が伝わってきます。
ちなみにこの個体の出品価格は、税込総額98万円となっています。
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みんなのコメント
サイドブレーキが運転席とドアの間にある事を書かないと。
それもジョイフルキャノピーの5MT