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70年代のルノー「17」がフル電動レストモッドに! 気鋭デザイナー、オラ・イトが手がけた世界に1台の「R17 エレクトリック」とは

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70年代のルノー「17」がフル電動レストモッドに! 気鋭デザイナー、オラ・イトが手がけた世界に1台の「R17 エレクトリック」とは

気鋭のデザイナーが手がけたルノー「17」ベースのEVが登場

ルノーから発表された「R17 electric restomod×Ora Ïto(R17 エレクトリック レストモッド×オラ・イト)」は、車名が物語るようにレストモッドの世界観を体現した1台です。そして近年のルノーが提唱しているEVとクラシックモデル、そして自動車専門ではない著名デザイナーとのコラボで新風を吹き込もうとする、一連のコンセプトカーの最新モデルでもあります。

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現代デザイナーに「遊び場」を作り出してきた

2021年以降、ルノーはその長きにわたる伝統と、今や大衆文化の一部となった象徴的なモデルを改めて見直す、ユニークなプロジェクトを数多く発表してきた。これらのプロジェクトは、ルノーが伝統とデザイン、革新性を融合させる能力を有していることを示すと同時に、現代デザイナーにとって表現の幅が大きく広がる「遊び場」を作り出してきたかに見える。

まずはその第1弾として、「キャトル(R4)」の生誕60周年記念の一環として、デザイナーのマチュー・レアヌール氏に現代版キャトルのプロデュースを依頼。その結果、遊牧民風ホテルのスイートルームのような独創的なコンセプトを持つ「スイート N°4」が誕生した。

つづく2022年、ルノーは「サンク(R5)」の誕生50周年を記念して、デザイナーのピエール・ゴナロン氏と組み、「5 ディアマン」のプロトタイプとなるEVコンセプトを製作。また2023年末には、著名なオランダ人デザイナー兼アーティストのサビーヌ・マルセリス氏がプロデュースを手がけた「トゥインゴ」のEVを発表した。

ユニークなレストモッドショーカーを新たに製作

そして2024年9月、ルノーは自社所属のデザイナーと、オラ・イト氏によるコラボレーション・コンセプトを発表した。彼らの新作は、伝説的なルノー「ディセット(R17)」をベースとする、ユニークなレストモッドショーカーとなった。ルノーは今回、現代におけるもっともアヴァンギャルドなデザイナーのひとりであるオラ・イト氏のクリエイティブな才能とともに「17」の美学を再構築し、この往年のモデルを大胆かつ現代的に表現するようオファーした。

1971年に発表され、1979年のフェードアウトまでに9万2000台以上が生産されたという17は、同時代のルノーのミドル級セダン「ドゥーズ(12)」のクーペモデルとして、廉価版でもある姉妹車「カーンズ(15)」とともに、1970年代の理想主義的な展望を体現していた。

1970年代らしいスッキリとしたボディラインのスポーティなクーペにくわえて、開口部の広いキャンバストップを与えられたコンバーチブルの2タイプがあり、そのルックスとパフォーマンスの双方で、1970年代当時のスピリットを反映していた。

縦置きに配置され、前輪を駆動する水冷直列4気筒OHVエンジンには、のちにフューエルインジェクションも組み合わされたほか、この時代から必須条件となりつつあった安全対策に向け、さまざまなアクティブ/パッシブセーフティ機能を備えていた。いっぽうデザイン面についても、スクエアなラインと顧客のシビアなリクエストにも応えるようスタイリングされたインテリアで、ハイテクとエレガンス、そしてフランスらしいエスプリを両立させていた。

アヴァンギャルドなデザイナーとのコラボ作品

コンテンポラリーデザインの第1人者、フランスのオラ・イト氏は1970年代生まれ。アヴァンギャルドな作品と大胆なアプローチを得意とし、世界中の賞を受賞するポップカルチャー界を代表するような存在。デジタル製品で一流ブランドをハッキングしたことにより、その名を世界に知らしめたという。

シンプルさと複雑さを併せ持つ「シンプリシティ」を信条とする同氏にとって、「R17 エレクトリック レストモッド×オラ・イト」は、ルノーとの初の共同プロジェクトとなった。

ルノー17の歴史と完全性を反映しつつも、このショーカーは「レストモッド」。オリジナルのクラシカルな魅力と現代の技術や素材が組み合わされている。この画期的なアプローチは、過去と現在の相乗効果を引き出し、17の精神を見失うことなく現代的な体験を生み出す、と主張されている。

足まわりは華やかさとエレガントさを併せ持つ仕上がりに

テールゲートつきの2ドアハッチバッククーペだったオリジナルのルノー17は、4灯丸型のヘッドライト、フレームレス式のドア、センターピラーのないボディ、全開可能なリアサイドウインドウ、ルーバーつきのセカンドクオーターウインドウなど、スポーティかつ実用的、そして洒落たデザインを特徴としていた。

オリジナルのモノコック構造をベースにした「R17 エレクトリック レストモッド×オラ・イト」は、キャビン、ドア、ウインドウ、グレージング、シール、アンダーボディはオリジナルのものと同じスペックとするものの、ボディ幅は17cm拡大されている。

また、フェンダーとホイールのデザインは、華やかさとエレガントさを併せ持つルックスに仕上がっている。ヘッドライトは角を丸くした4灯の長方形モジュールで、LEDテールランプはオリジナル17の意匠を拡大解釈した、1本の帯状になっている。

デジタルとレトロを融合させたインテリア

「ギャラクティック・ブラウン」のボディカラーは、このショーカーのために開発されたオリジナルの色合いである。

オリジナルのR17は、往年のフランス車の身上である快適なシート、充実した装備、細部まで行き届いた仕上げなど、真のツアラーとしてのインテリアの特徴をすべて備えていた。いっぽうそのレストモッドは、オリジナルの快適性基準を維持しつつ、ダッシュボードとセンターコンソールに多くの変更を加えている。

シートはオリジナルの17で使用された「ペタル(Pétale=Petal:花びら)」構造を中心に再設計され、インテリアデザインの世界からインスピレーションを得たというブラウンの上質なメリノウールのヘザーサテン生地、およびベージュの部位には長さと厚みを兼ね備えた繊細な軽量ウール「Bouclé(ブークレ)」が採用されている。

さらに当代最新のコンセプトカーとして、ルノー最新のグラフィック環境が描かれた中央のスクリーンと、オリジナルR17の計器にインスパイアされたという、4角形スタイルのステアリングと、その向こうに見える4つの小さな幾何学的なスクリーンも特徴とする。

270馬力の電動モーターをリアに搭載

もっとも興味深いパワートレインについては、270psの電動モーターをリアに搭載するとのこと。つまりはルノーのEV「5 E-テック」やアルピーヌのBEV「A290」のメカニズムをもち、オリジナルのモノコック構造をベースにしつつも、EVながら1.4tという軽い車体を実現するためカーボンファイバー製シャシーを採用した、と説明されていることから、「レストモッド」を車名としていながらも、狭義の意味でのレストモッドではなく、クラシックモデルのスタイリングをモチーフとした「レストモッド風コンセプトカー」と考えられなくもない。

なお「R17 エレクトリック レストモッド×オラ・イト」はあくまでワンオフのコンセプトカーであり、将来の市販車を提示するものではないと説明されている。このワンオフモデルは、パリの「メゾン・サンク(Maison 5)」内で2024年9月11日まで展示された。そののち9月12日から15日まで開催されるコンクール・デレガンス「シャンティイ・アート&エレガンス・リシャール・ミル」のコンペティションにて正式発表。さらにその後は、10月14日から20日まで開催されるパリ・サロンのルノー社ブースでも、展示されるとのことである。

【動画】R17 electric restomod x Ora Ïto

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