元F1ドライバーで現在解説者を務めるデイビッド・クルサードは、先週のラスベガスGPを酷評したマックス・フェルスタッペンにF1上層部は腹を立てているものと考えている。
F1オーナーのリバティ・メディアが多額の投資をした土曜日のナイトレースでF1キャリア53勝目を挙げる前に、フェルスタッペンは新設されたストリートサーキットでの華やかなレースの祭典を容赦なく批判した。
F1ラスベガスGP初日の対応をめぐり、リバティ・メディアなどに対する集団訴訟に発展。補償の“商品券”も問題視
フェルスタッペンはまず、イベントの派手なオープニングセレモニーでは、自分がまるで“道化師”になったように感じたと述べて、ラスベガスでのレースは99パーセントがショーで1パーセントがスポーツだという自身の意見を強調した。
さらにフェルスタッペンは、舞台となるストリートサーキットのレイアウトは“退屈”であり、ラスベガスとモナコを比較することは、サッカーのナショナルリーグとチャンピオンズリーグを比較するようなものだと述べた。
木曜日のウォーターバルブカバーの騒動に対してラスベガスの主催者もしくはF1がファンに対して取った対応についても、フェルスタッペンは良しとしなかった。このインシデントにより、FP1は10分未満で終了し、FP2のスタートが大幅に遅れたうえに、最終的に約3万5000人のファンが安全上の理由でサーキットから退出させられた。
クルサードは、ラスベガスで『Channel 4』から、リバティ・メディアはフェルスタッペンの発言に腹を立てていると思うかと聞かれ、「もちろん彼らはよく思わないだろう」とクルサードは語った。
「彼らは現実の投資のことを考えるだろう。結局のところ、彼らは冷徹で厳しいビジネスマンだ」
レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーはフェルスタッペンにガイドラインを守るよう求めたのではないかと尋ねられたクルサードは、次のように答えた。
「彼はそういう話をしただろうと私は確信している。だが、マックスは言論の自由を信じている」
フェルスタッペンは、臆することなく自身の考えと意見を表明する人物だ。ラスベガスのレース後、ホーナーは、フェルスタッペンの正直さと率直さは「爽やかなほど誠実」だと評価した。
「私は素晴らしいグランプリだったと思った。マックスはあのレースを心から楽しんだと思う。それが彼の愛していることであり、そのために彼はここにいるのだ」とホーナーは語った。
「彼はエルヴィス・プレスリーにインスパイアされたレーシングスーツを着て、インラップで『ラスベガス万才』を歌った。F1を取り巻くいくつかの派手な演出は、彼に合わないことだということを尊重する必要がある。率直な意見を述べる用意があるというのは、非常に清々しいことだ」
「ただ彼は、F1にとってこれが重要なイベントであるということを示してもいる。今日のレースとその展開を彼が楽しんでいたことは、はっきり分かるはずだ」
「(プレスリーのレーシングスーツを)彼に見せたのは数週間前のことだった。だからこれを着ることを知っていたし、受け入れていた。我々のエルヴィスがふたりとも表彰台に上がったのは、素晴らしい結果だった」
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彼は、一通り私見を述べた後、
「F1はスポーツであり、ビジネスでもあるから彼ら(F1上層部)の事は理解できる。もし、自分が彼らの立場なら、迷わず同じことをするだろう!ドライバーたちが何と言おうとね!」
とも語っていた。