スバルの名門「レガシィ」の新型は、セダンの消滅が濃厚に!
1989年の登場以来、スバルを代表する基幹車種に成長したレガシィ。これまで通算6代にわたって生産・販売を続けており、北米では2019年に入って7代目の新型レガシィB4とアウトバックが発売されている。
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一方、日本国内向けに関しては、まだ正式なアナウンスがなく、2020年にも新型が発売されるとみられていた。
だが、ここにきて新しい情報が入ってきた。注目の国内向け新型レガシィはどうなるのか? どうやらセダンの「B4」は、現行型を最後に消滅する公算が高くなってきたようだ。
文:遠藤徹
写真:SUBARU
【画像ギャラリー】日本では幻の新型に!? 新型レガシィB4&アウトバックはどう変わった?
新型レガシィ 日本仕様は来年出ない?
現行型レガシィ B4の日本仕様。2014年の発売から改良を重ね、2020年で7年目に突入する
新型レガシイは2019年2月開催のシカゴオートショー、新型アウトバックは4月のニューヨークショーでそれぞれ披露され、今夏から北米で発売されている。日本バージョンはどうなるか。
首都圏にあるスバル販売店によると「メーカー筋の情報では2020年は発売の予定はなく、2021年春になりそうだ」とコメントしている。
2020年は夏の発表、秋の発売で次期型レヴォーグの発売を予定している。
スバルの国内オリジナルのラインナップ(OEM供給車を除く)で、1年に2車種の新型車を投入すると、ゼロのオープンポイントの年が複数できてしまうので、この状態になるのを避けるため、次期型レガシイは1年先送りになったようだ。
セダンのB4は新型投入なく終売が濃厚
北米で発売されている新型レガシィB4。国内がアウトバックのみになった場合、新型のB4は「日本に導入されない幻の新型」となる
次期型レガシイのラインアップはどうなるか。
北米ではセダンの「新型レガシイB4」と「新型アウトバック」を同時に発売しており、まだ明確になっていないが、国内バージョンはアウトバックのみに絞られ、レガシイB4は廃止になることが濃厚になっている。
販売現場は、
「レガシイB4はセダン市場がますます小さくなり、売れ行き不振になっている。グレードもB-スポーツとリミテッドのふたつに絞られますます買い手が限られるようになっている。したがってモデル廃止もやむを得ないだろう。」(首都圏スバル店)
と嘆いている。
2019年1月以来10月までの登録推移を見ると、B4とアウトバック合わせて1月:352台、2月:342台、3月:846台、4月:269台、5月:253台、6月:412台、7月:443台、8月:353台、9月:298台、10月:317台となっている。
1~10月累計は3895台、月平均390台で前年同期比42.5%の半減状態にある。
大部分はアウトバックで占められているから、B4はすでにモデル廃止と同じような状況にあるといえる。
新型レガシィはエンジン一新!! 次期レヴォーグで初搭載の1.8Lターボを搭載
北米仕様の新型アウトバック。スリーサイズは全長4841×全幅1839×全高1501mmと、現行モデルとほぼ同じ車格をキープ
次期型は現行インプレッサ、XV、フォレスターのように「スバルグローバルプラットフォーム」を採用し、クオリティアップ。次期型レヴォーグ同様にインナーフレーム構造の採用による剛性向上させ、さらに大幅なポテンシャルアップを図っている。
アウトバックは、クロスオーバーSUVとステーションワゴンの中間に位置するスバルならではの仕立てだが、このコンセプトは基本的に引き継ぐが若干SUV寄りに振る可能性がある。
パワートレインは、2.5L・NA水平対向エンジンを廃止し、新開発の1.8L水平対向ターボを搭載する。北米仕様は2.4Lだが、国内バージョンはより走りのポテンシャルアップを図った同パワーユニットを搭載。これに改良型フルタイム4WD、CVTを組み合わせる。
同パワーユニットは、2020年夏に発表、秋に発売する次期型レヴォーグと基本的に同一だが、車重が嵩む次期型アウトバックでは足回りの強化、インチアップしたタイヤサイズなどで従来とは別次元の走りを実現させる。
安全対策のアイサイトツーリングもさらに進化させて標準装備車を設定する。自動運転支援デバイスはハンズフリーも盛り込み、標準装備車を設定するものと思われる。国内投入まであと約1年半もあるが、それまで現行モデルを細々と売り続けることになる。
誕生時からセダンをラインナップし、1998年登場の3代目から「B4」の名を育ててきたレガシィながら、日本においては伝統に終止符を打つ公算が高い
現行アウトバック、レガシイB4はまだ普通に生産を継続させている。
首都圏のスバル店で売れ筋のアウトバック リミテッド(366万3000円)に、ナビパックビルトインナビ、ETC2.0車載器セット、ドライブレコーダー、ガラスコーティング、メンテナンスキットなど約54万円の付属品を装着して(見積もりを)はじいて貰うと、法定・法定外諸費用込みで460万円と出た。
ここから約40万円の値引きが可能という。最終的には一押しで410万円くらいまでになりそうだ。納期は約1ヶ月で年内納車が可能な状況にある。
レガシィに対する現場の声「B4廃止でお客さんが少なくなる可能性も」
“ワゴン”のイメージが強く、有名でもあるレガシィだが、誕生時から設定されているセダンも名車揃いだった(写真は初代レガシィセダン RS-RA)
【証言:首都圏スバル店営業マン】
レガシイは、以前だとスバル登録車の主軸モデルだったが、最近はフォレスターをはじめインプレッサ、レヴォーグ、WRXに次いで5番目の販売実績に後退している。
メイン市場が北米であり、あちらのニーズに合わせてモデルチェンジするたびに、サイズアップ、クオリティアップを図って来たので、日本のニーズに合わなくなってきているのが売れ行き不振の要因となっている。
こうしたなかでステーションワゴンをレヴォーグとして分離したのもレガシイシリーズの衰退に拍車をかけた。
次期型ではセダンのB4が廃止になり、アウトバックだけになりそうなので、余計にお客さんが少なくなる可能性がある。
2.5L・NAが新開発の1.8Lターボに置き換わるのはアウトバックにとってはプラスだろうが、スバル車全体にとってはプラスになるとは限らないと思う。
メーカー筋の説明によると1.8Lターボは、1.6Lターボと2Lターボを統合したパワーユニットになるようなので、将来スバルのエンジンラインアップは縮小されることになってしまうのでユーザーにとっては選択の幅が小さくなるかも知れない。
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