F1のCEOであるステファノ・ドメニカリは、上海からロンドンに戻る途中でバンコクに立ち寄り、8カ月前に就任したばかりのタイの新首相セター・タウィシンと会談した。
タイ政府はこの会談を“表敬訪問”としたが、首相府の報道官は、F1グランプリの開催に向けた協議が進行中であることを認め、ストリートレースが開催できる可能性のある場所として首都のどの地域が提案されたかも示したという。
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昨今のF1界には、ひそかにドメニカリが持つ年間スケジュールの計画についての噂が広がり始めた。それは年間30回のグランプリ開催を目標にしてリバティ・メディアの収益を最大限に増やし、リバティ・メディアは商業権の値札を400億ドル(約6兆2000億円)以上に釣り上げてからサウジアラビアの国営投資ファンドに売却するだろうというもので、パドックの多くの人々はそれを不可能な夢だと一蹴した。
しかし、仁川市長を日本GPに招待し、タイの首相と会談するといったドメニカリの最近の動きは、彼ができるだけ早くカレンダーを拡大し、すでに開催されている鈴鹿、上海、シンガポールのほかにもアジアでのレースをさらに追加しようと考えていることを示している。
タイ政府の報道官によると、ドメニカリ首相とタウィシン首相は今年初めにすでに電話会談を行っており、そこでは「将来の取引のための経済的基盤」について話し合いが行われたということだ。
タウィシン首相は3月初旬にフランスに滞在したが、その際にはF1のCEOと彼のチームとオンライン会議を行い、近い将来にバンコクでストリートレースを開催するための要件について議論したと言われている。
政府は、2014年から2023年後半までのほぼ10年間にわたり軍事政権が敷かれたために、観光客の訪問が以前ほどなくなってしまったために、観光産業に後押しが必要であることを強く認識している。
F1が他国のイメージに与えた影響を目の当たりにしたタイ政府は、このカレンダーに加わりたいと考えており、タイ政府の報道官は次のようにストリートレースの開催地について示唆した。
「もしタイでF1レースを開催することが可能になれば、ストリートで行うようにしたい。おそらくラタナコーシン島内のラチャダムノン通りとなるだろう」
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