いろんな趣味もいいけれど、愛車探しは60からが楽しい! 一般的に言えば、60歳は「定年退職」を迎えて、退職金という一定額がフトコロに入る節目の年。息子さん娘さんがすでに巣立っている方も多いだろうから、ご夫婦だけで気兼ねなくクルマも選べるだろう。一方、すでに親元から離れた方々から見れば、親御さんのクルマ事情には心配になる部分もあるハズ。そこでここでは、シニア世代に推奨できるオススメ車種をご紹介。運転のしやすさ、価格を含めた経済性を考えてコンパクトな車種が多いが、カテゴリーはさまざまだ。実用性だけでなく、毎日の生活のなかで楽しく使えることを基準に選んでいる。
文:渡辺陽一郎、ベストカー編集部
写真:shutterstock.com、ベストカー編集部
初出:ベストカー2018年4月10日号
■日産ノートeパワー
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コンパクトカーのなかで、人気の高い車種がノートeパワーだ。直列3気筒1.2Lエンジンが発電を行い、駆動はモーターが受け持つ。そのために加速が力強く滑らかで、静粛性も優れる。S/エコモードでは、アクセルペダルを戻すと駆動用モーターが減速エネルギーを使って即座に強めの発電を行い、駆動用電池に充電する。減速力が強く働き、アクセル操作だけで速度を調節しやすい。走りが上質で運転を楽しめる。
しかもハイブリッド車だから、JC08モード燃費は売れ筋グレードが34.0km/Lと優秀だ。全高が立体駐車場に収まる高さだから買い物にも使いやすく、ホイールベースが長いから後席も広い。友人を乗せてドライブに出かける時も快適だ。
緊急自動ブレーキは歩行者を検知して、車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも新採用した。シニアに適した機能が多い。
推奨グレード:X(196万5600円)
全長:4100mm
全幅:1695mm
全高:1520mm
エンジン:直3、1.2Lハイブリッド
最高出力:109ps/25.9kgm(モーター)
駆動方式:FF
トランスミッション:無段変速
JC08モード燃費:34.0km/L
■マツダデミオ
運転のしやすいコンパクトカーだが、1.5Lのディーゼルターボは実用回転域の駆動力が高い。6速MTも選べるから、運転して楽しく身体の活性化にもつながる。操舵に対する反応が正確で車両の向きを変えやすく、峠道では往年の運転テクニックを生かした走りも楽しめる。内外装はスポーティで、乗り心地を含めて上質に造り込んだ。欧州車風の本物志向を感じる。
そのいっぽうでディーゼルは燃料消費量が抑えられ、軽油価格も安いから、燃料代はコンパクトなハイブリッド車並みに安い。緊急自動ブレーキを作動できる安全装備も充実させて、車間距離を自動制御できるレーダークルーズコントロールを用意した。価格は200万円弱だから、上質な運転感覚、安全装備の充実、ハイブリッド並みの燃料代などを考えると買い得だ。経験豊富なシニアも納得できる。
推奨グレード:XDツーリング(199万8000円)
全長:4060mm
全幅:1695mm
全高:1525mm
エンジン:直4、1.5Lディーゼルターボ
最高出力:105ps/27.5kgm
駆動方式:FF
トランスミッション:6AT
JC08モード燃費:26.4km/L
■スズキスイフトスポーツ
デミオのクリーンディーゼルターボは実用回転域の駆動力が高く、車両重量は1100kg前後に達する。底力のある重厚感を伴った運転感覚が特徴だ。
このデミオの対極に位置するコンパクトカーがスイフトスポーツだろう。スイフトのスポーティグレードで、1.4Lのガソリンターボを搭載する。動力性能は自然吸気エンジンの2.3L並みだが、車両重量は軽く1トンを下まわる。
従って運転感覚が軽快で、シニア世代は若い頃に運転した日産サニークーペやトヨタカローラレビンを思い出すかもしれない。ボディが軽いために運転テクニックを生かしやすく、万一挙動が乱れても比較的早く収まる。
安全面では緊急自動ブレーキが充実しており、車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも採用した。しかも価格は安全装備を含めて200万円以下だから経済性も優れる。
推奨グレード:セーフティパッケージ装着車(192万2400円)
全長:3890mm
全幅:1735mm
全高:1500mm
エンジン:直4、1.4Lターボ
最高出力:140ps/23.4kgm
駆動方式:FF
トランスミッション:6MT
JC08モード燃費:16.4km/L
■スバルインプレッサ
インプレッサは5ドアハッチバックのスポーツと、4ドアセダンのG4を用意する。現行型はプラットフォームを刷新して、走行安定性と乗り心地をバランスよく向上させた。ハンドルやペダル操作に対する反応の仕方も正確で、運転感覚はLサイズセダン並みに上質だ。ベテランのシニアも充分満足できるだろう。
そのいっぽうでボディは3ナンバーサイズながらも視界が優れ、コンパクトカーのように運転できる。安全装備はアイサイトバージョン3、歩行者保護エアバッグなど高水準だ。走りから取りまわし性、安全装備まで、さまざまな機能が上質でシニアに適する。
推奨グレード:スポーツ2.0i-LアイサイトAWD(239万7600円)
全長:4460mm
全幅:1775mm
全高:1480mm
エンジン:水平4、2L
最高出力:154ps/20.0kgm
駆動方式:4WD
トランスミッション:CVT
JC08モード燃費:15.8km/L
■スズキクロスビー
コンパクトカーと並んで、シニアと相性のいいカテゴリーがコンパクトSUVだ。運転のしやすいサイズでも、大径サイズのタイヤなどを装着した外観はカッコイイ。最低地上高に余裕があるから、着座位置が適度に高まって乗り降りがしやすく、腰の負担も軽い。ボディ形状はワゴンや5ドアハッチバックに準じるから、車内には適度な開放感があって友人を後席に乗せやすい。
このようなコンパクトSUVのなかでも、特に注目されるのがクロスビーだ。全長は3760mmに収まってボンネットも見えるから、混雑した街中でも運転しやすい。その割に前後席ともに広くて快適だ。着座位置が適度でドアの開口部も広いから、乗り降りがしやすい。
後席を畳むと大容量の荷室になり、趣味のアイテムも積みやすい。緊急自動ブレーキを作動できる安全装備も充実させた。
エンジンは直列3気筒1Lターボだから、1.5L並みの性能があり、切れのよい操舵感で運転を楽しめる。毎日を積極的に過ごすシニアにピッタリだ。
推奨グレード:ハイブリッドMZ 4WD(214万5960円)
全長:3760mm
全幅:1670mm
全高:1705mm
エンジン:直3、1Lターボハイブリッド
最高出力:99ps/15.3kgm+モーター
駆動方式:4WD
トランスミッション:6AT
JC08モード燃費:20.6km/L
■スズキハスラー
クロスビーとデザイン面で共通性のあるハスラーは、軽自動車サイズのSUV。車内の広さやシートアレンジは先代ワゴンRに準じるから、4名乗車が快適で荷物も積みやすい。しかも2個のカメラをセンサーに使う緊急自動ブレーキも装着されて安心感が高い。クルマで長距離を移動する機会が限られ、市街地を中心に使うユーザーには、軽自動車のサイズでSUV感覚を味わえるハスラーが合理的だ。
推奨グレード:X 4WD(158万7600円)
全長:3395mm
全幅:1475mm
全高:1665mm
エンジン:直3、0.66L
最高出力:52ps/6.4kgm
駆動方式:4WD
トランスミッション:CVT
JC08モード燃費:30.4km/L
■ホンダヴェゼル
コンパクトSUVの人気車で、外観をスポーティに仕上げてカッコよく、後席を含めて居住空間も広い。燃料タンクを前席の下に搭載したから、荷室容量が大きくシニアが大切にする趣味性と実用性を両立させた。
しかもエンジンはノーマルタイプ、ハイブリッドともに直噴式とあって動力性能が高く、運転の好きなシニアも満足できる。ホンダセンシングによる優れた安全性と運転支援の機能も魅力だ。
推奨グレード:X 4WDホンダセンシング(238万1000万円)
全長:4330mm
全幅:1770mm
全高:1605mm
エンジン:直4、1.5L
最高出力:131ps/15.8kgm
駆動方式:4WD
トランスミッション:CVT
JC08モード燃費:19.6km/L
■マツダロードスター
シニアにはクルマ好きが多いから、スポーツカーも取り上げたい。ただし今は車種数が激減して、コンパクトで割安なスポーツカーを購入しにくい。
そこで注目されるのがロードスターだ。ソフトトップは1.5Lエンジンを搭載して、手軽にオープン走行を楽しめる。従って買い物に出かける時もスポーツカーを満喫できる。6速MTも用意され、毎日を活発に過ごせるだろう。若い頃と同じように、奥様と爽快なドライブを楽しんでください。
推奨グレード:RS(320万7600円)
全長:3915mm
全幅:1735mm
全高:1235mm
エンジン:直4、1.5L
最高出力:131ps/15.3kgm
駆動方式:FR
トランスミッション:6MT
JC08モード燃費:18.8km/L(i-ELOOP + i-stop装着車)
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