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新型アルピーヌA110に試乗──“110GT”と“110S” その違いに迫る|Alpine

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マイナーチェンジを受けた新型アルピーヌ「A110」。ラインナップが整理され、新たに設定された3グレード「A110」「A110 GT」それに「A110 S」のうち、後の2台に試乗、そのキャラクターの違いを確かめた。

Alpine A110|アルピーヌ A110

アルピーヌがマイナーチェンジし、それぞれの個性が際立つ3グレード体系に|Alpine

新型アルピーヌA110に試乗

マイナーチェンジを受けた新型アルピーヌ「A110」。ラインナップが整理され、新たに設定された3グレード「A110」「A110 GT」それに「A110 S」のうち、後の2台に試乗、そのキャラクターの違いを確かめた。

Text by OGAWA Fumio|MOCHIZUKI Hirohiko

“正しい”欧州製スポーツカーの伝統をしっかり引き継いだ正統派

スポーツカーは、パワーがあればいいってもんじゃない。それを知っている人なら、アルピーヌA110の真価を堪能できるのでは。軽快で、加速性に優れ、スタイリッシュと、魅力の多いフランス生まれのスポーツカーは、大排気量化に一石を投じる貴重な存在だ。

アルピーヌジャポンが、2022年2月に受注を開始し、6月になってようやくデリバリーが始まるA110シリーズ。今回はマイナーチェンジを受けて、パワーが上がったエンジンとともに、ラインナップも整理された。

A110のよさは、スポーツカーとしての成り立ちにある。つまり、排気量や馬力よりも操縦性。大きさよりも軽さ。70年代までの“正しい”欧州製スポーツカーの伝統をしっかり引き継いだ数すくない正統派だ。

1,798cc 4気筒というコンパクトなエンジンを使いつつ、300psをしぼりだすとともに、ミドシップによる正確なステアリングと軽快な操縦性を実現。7段ツインクラッチ変速機搭載だ。

62年に登場し、70年代前半はラリー選手権を中心に暴れまくったオリジナルA110を彷彿させるスタイリングは、いかにも速く走るためにデザインされたという合目的性を意識させる。室内はシート背後に荷物も置けるし、適度な機能性もある。

それではなにより、このクルマの最良の部分は、優れた加速性とコーナリング能力にある。4.2メートルという比較的コンパクトな外寸と、いたるところにアルミニウムを使って1.1トン程度の軽量に抑えたボディも、A110の身上。

今回乗ったのは、3つ設定されたグレード「A110」「A110 GT」それに「A110 S」のうち、後の2台。221kW(300ps)の最高出力と340Nmの最大トルクは同じで、サスペンションシステムを含めたシャシーがことなる。


A110 GTは「アルピーヌシャシー」といって、ベースモデルのA110と共通。一方A110  Sはサーキットでのパフォーマンスを追求。シャシーは「シャシースポール(スポーツ)」。サスペンションのスプリングのレート、ダンパー、前後のアンチロールバーの剛性も高い。

まったくキャラクターが異なるA110 GTとA110 S

まったくキャラクターが異なるA110 GTとA110 S

2台は実際、まったくキャラクターが異なる。試乗した日の箱根は雨。絶対的な速度はともかく、加速性とかコーナリング特性とか、もっと味わってみたかった、と落胆はさせられた。まあ、でもしようがない。

ミシュランのパイロットスポーツ4はかなりスポーティなタイヤだけれど、バタバタと暴れることなく、切り始めからとにかくキモチがいい。上手に履きこなしているという感じで、これには感心。

もちろん絶対的な性能でないが、GTとSの違いは、雨天というよくない条件でも際立っていた。Sはとにかくシャープ。スムーズに高回転域まで吹け上がるこのエンジンの性能を、使いきってやろうとでもいうかのようだ。

エンジンが高回転で回っているのがよく分かる高音成分の多い音が車内にも聞こえてきて、それが私の感覚を刺激する。このままアクセルペダルを踏み続けたらどうなる?と、ふと我に還る瞬間が訪れて、すかさずブレーキング。足の感覚と直結したようなスムーズな制動力を発揮するのを体験すると、スポーツカーとはブレーキ(が一番大事)だという言説は本当だなと思う。

ステアリングホイールを9時15分の角度で握っている手首のわずかな動きに車体が即座に反応。かなりの反応速度で車体のノーズの向きを変える。ロールはほとんどしないので、まさにゴーカートのようだ。

Sに対して、GTはややマイルド。340Nmの大トルクをうまく使い、Sよりソフトな設定のサスペンションシステムとの組合せで、速いが快適。もちろんコーナリングスピードも速く、日常使いでなら、このクルマが向いていそう。

今回、マルチメディアシステムが新しくなった。AppleCarPlayとAndroidAutoに対応。フォーカルの4スピーカーシステムで音が聴ける(数でいうとやや控えめ)。A110GTにのみサブウーファーが加えられる。

対抗馬を探すと、競合は多い。ポルシェ718ケイマンT(220kWエンジンをミドシップして882 万円)、アウディTTS(245kWの2リッターエンジンにクワトロシステムの組合せで859万円)、トヨタGRスープラ(258kWのフロントエンジン+後輪駆動で731万3000円)、それに新型の日産Z(298kWの3リッターを使ってのフロントエンジンと後輪駆動で524万1500円)という具合。

「A110」が811万円、「A110 GT」が893万円、そして「A110  S」が897万円。GTとSとで価格的に大きなヒエラルキーを設けようとしていないところがエラいと思う。しかも先述の通り、キャラクターがけっこう異なるので、好みで選べる。

個人的には先述した通り、GTで充分だと思った。ただしSにそなわる軽量モノコックバケットシートは欲しい。座り心地がいいうえに、A110には、重厚さより軽快な雰囲気が似合うと思うので。

Alpine A110 GT|アルピーヌ A110 GT


ボディサイズ|全長4,205×全幅1,800×全高1,250mm
ホイールベース|2,420mm
車両重量|1,120kg
エンジン|1798cc直列4気筒ターボ
最高出力|221kW(300hp)/6,300rpm
最大トルク|340Nm(34.6kgm)/2,400rpm
トランスミッション|7段デュアルクラッチAT
駆動方式|後輪駆動
最高速度|250km/h
0-100kmh加速|4.2秒
サスペンション|前後ダブルウィッシュボーン
タイヤ|前205/40R18 後235/40R18
燃料消費率(WLTCモード)|14.1km/L
価格|893万円~



Alpine A110 S|アルピーヌ A110 S


ボディサイズ|全長4,205(エアロキット付は4,230)×全幅1,800×全高1,250mm
ホイールベース|2,420mm
車両重量|1,110kg
エンジン|1798cc直列4気筒ターボ
最高出力|221kW(300hp)/6,300rpm
最大トルク|340Nm(34.6kgm)/2,400rpm
トランスミッション|7段デュアルクラッチAT
駆動方式|後輪駆動
最高速度|260~275km/h
0-100kmh加速|4.2秒
サスペンション|前後ダブルウィッシュボーン
タイヤ|前215/40R18 後245/40R18
燃料消費率(WLTCモード)|14.1km/L
価格|897万円~



アルピーヌコール

Tel.0800-1238-110(9:00-18:00 年中無休)

https://www.alpinecars.com/ja/

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