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スーパーGT:2台の2020年モデルGT500車両がシェイクダウンも難しい新ECUへの適応。初日の印象を関係者に聞く

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スーパーGT:2台の2020年モデルGT500車両がシェイクダウンも難しい新ECUへの適応。初日の印象を関係者に聞く

 9月12日、2020年からスーパーGT GT500クラスに導入されるニッサンGT-RニスモGT500、そしてトヨタGRスープラの2台が鈴鹿サーキットでシェイクダウンを行ったが、ドライバーのフィーリングや初日に両車に共通して見られた苦労など、関係者のコメントを集めた。20年モデルについては、ECUの合わせ込みがまずは課題になってきそうだ。

■初日はシステムチェックがメイン。ニッサンGT-RニスモGT500
 この日、11時30分からのコースオープンに合わせ、まずコースインしたのはニッサンGT-RニスモGT500だ。まずはメインストレートを一度通過したあと、ショートカットを通りピットイン。その後、午前は一度アウト~インを行い終了。午後は一度計測ラップをこなすも、トラブルが起き走行を終えてしまった。

スーパーGT:GT500の2020年モデル2台のシェイクダウンテストは初日を終える

 GT-Rの初日について、ニスモの松村基宏COOに話を聞くと「システムチェックが主なものでした。最も苦労している部分は、このクルマになってシステムがボッシュに変わっていることです。制御の論理自体が全然違います。トルクディマンド式という制御なのですが、今までのものとは大きく違うものです」と語った。

 2019年までGT500車両のエンジンコントロール・ユニットはコスワース製のものが使われていたが、DTMドイツ・ツーリングカー選手権との共通技術規則であるクラス1からは、ドイツでも使われているボッシュ製のものに変更されるが、考え方からして大きく違うという。

「今まで走っていたクルマがなぜ走れなくなってしまうのかと不思議に思われるでしょうが、それがいちばん難しい部分ですね。ベンチテストではうまく回せていますが、ドライバーの操作の方がコースに合わせて走っていく部分で、複雑なんです」

 そのため少ない周回にはなったが、ドライブしたロニー・クインタレッリは「午後はこれからスピードを上げられるかと思っていたところで別のトラブルになってしまいましたが、S字などは午後は普通に走ることはできました」という。

「まだ70%くらいの段階での印象ですが、ダウンフォースが減らされたなかでも印象は良かったです。もちろんフルプッシュしたらまた違うかもしれませんが、フィーリングとしては悪くないですね」と20年モデルのGT-Rには好印象を抱いたようだ。

「3年前にいまのクルマをシェイクダウンしたときは、大きくダウンフォースが減らされて、2014年モデルに比べてすごく大変だったけど、今のところはそういう悪い印象はないですね」

「鈴鹿という(マシンのキャラクターが)いちばん分かりやすいサーキットなので、明日はしっかり走りたい」とクインタレッリはテスト2日目に向けて意気込みを語った。

■「コンセプトが今までと全然違う」というGRスープラ
 一方、トヨタGRスープラは午前中にまずは立川祐路が乗り込みアウト~インを行いチェックすると、セッションの終わり間際に連続周回をこなした。午後は開始1時間ほどはピットにステイしていたものの、終盤は石浦宏明と平川亮が連続周回。最終的にシケインでストップしてしまったが、GT-Rに比べると多くの周回をこなしている。

「今日は本当に動作確認ですね。今と同じものを使っている部分もありますが、いちばんの問題はECUがボッシュに変わったこと。今までとまったく違うようで、それの合わせ込みがいちばん苦労したかもしれません」というのは立川だ。

 そして立川は、今季まで使用しているレクサスLC500と、トヨタGRスープラはフィーリングについては、「コンセプトが今までと全然違う」ものだという。

「どう言ったらいいんでしょうね(笑)」と言葉を選びながらも、立川はこう語る。

「まだそこまで目一杯走っていないので分かりませんが、スープラになって、空力などの開発については、コンセプトが今までと全然違うんです。良いか悪いかはまだ分からないとして、乗り味も全然違います。それをどう活かしていくかですね。乗った感じは、ぜんぜん違いますよ」

 また午後にステアリングを握った平川は「今日走ったばかりですが、レギュレーション上は遅くなるとのことながら、伸びしろはかなりあると思っています。まだ攻めていないので乗り味はなんとも言えませんが、燃料を積んでタイムは1分50秒台も出ているので、シェイクダウンとしては良いタイムではないでしょうか」と語った。

 乗り味の違いについても、「規定が変わっているところもあるとは思いますが、LC500とはかなり違いを感じますね」と立川と同様の意見が平川からも聞こえている。これは2020年に向けて、大いに楽しみな部分と言えるだろう。

 GT-RもGRスープラも、ボッシュのECUに変わったことで、エンジンだけでなく駆動系全般において開発が必要なことは関係者の証言から伝わってきた。もちろん、ライバルをリードするための空力も、開発が制限されているDTM以上にGT500では重要になってくる。

 クラス1規定の本格的な初年度となる2020年に向け、GT500に参戦する3メーカーは春までに多くの仕事が待ち受けていそうだ。

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