使い勝手や取り回しの良さ、そして購入しやすい価格で人気の高いのがコンパクトSUVだ。現在トヨタ店ではほぼ同クラスのSUVとしてヤリスクロスとライズ(ダイハツロッキー)を販売している。
この2車を比べると、これまではハイブリッド(HV)が欲しければヤリスクロス、手ごろな価格で選べばロッキー/ライズというすみわけだった。しかし、ライズ/ロッキーにハイブリッドが設定されたことで、また評価が変わってきている。
ハイブリッド追加でさらに魅力が増したロッキー/ライズ!! 今こそ同条件でヤリスクロスとガチバトル!!
そこで改めてこの2車を渡辺陽一郎氏にガチンコで比べてもらった!
文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部
■人気のコンパクトSUV ヤリスクロスとロッキー/ライズを比較
2020年登場のトヨタ ヤリスクロス。販売も好調だ
最近はコンパクトSUVの人気が高い。特に注目されるのが、トヨタヤリスクロスと、ダイハツ ロッキー&トヨタ ライズだ。
ヤリスクロスは2020年に発売され、販売は好調に推移している。2022年1~3月の1か月平均登録台数は、約8700台(コンパクトカーのヤリスとGRヤリスを除く)であった。
ロッキーの1か月平均登録台数は約2100台だが、トヨタに供給されるOEM車のライズは、約1万台に達した。新型コロナウイルスの影響を受けながら販売は好調で、ヤリスクロスを上まわり、SUVの最多販売車種になっている。
ライズが好調な背景には、2021年11月に追加されたハイブリッドの影響もある。今ではライズの販売総数の内、約55%をハイブリッドが占める。
一般的にハイブリッドの価格は、ノーマルエンジンに比べて35~60万円高いが、ライズで売れ筋のZは28万9000円の上乗せに抑えた。ハイブリッドを割安に追加したことも、ライズが好調に売られている理由だ。
そこでヤリスクロスハイブリッドZ(258万4000円)と、ライズハイブリッドZ(232万8000円/駆動方式はいずれも2WD)を比べてみたい。同じトヨタ車でありながら、真っ向から勝負するライバル同士でもある。
■ボディサイズ/視界/取りまわし性比較
2021年11月にハイブリッドが追加されたトヨタ ライズ。ダイハツ ロッキーのOEM車で、トヨタSUVの最多販売車種となっている
ヤリスクロスのボディサイズは、全長が4180mm、全幅は1765mmで3ナンバーサイズになる。ライズは3995mm・1695mmだから、SUVでは珍しい5ナンバー車だ。
最小回転半径はヤリスクロスZが5.3m、ライズZは5.0mで、後者は小回りの利きも良い。ライズはヤリスクロスに比べるとサイドウインドーの下端が低めで視界も優れ、狭い裏道や駐車場でも運転しやすい。
●勝敗:ライズの勝ち
■内装のデザイン/質感/視認性/操作性比較
ライズはトヨタ車だが、開発と生産はダイハツが受け持つ。プラットフォームを含めて、設計は大幅に異なるが、インパネなどのレイアウトは両車ともに似ている。内装の質は満足できて、メーターも見やすく、スイッチ類は扱いやすい。
●勝敗:引き分け
■前後席の居住性比較
前席のサイズは両車とも同程度だが、座り心地はライズのボリューム感が少し強めで快適だ。
後席の足元空間は、両車とも同程度。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には、握りコブシ1つ少々の余裕がある。SUVでは狭めだが、コンパクトなサイズを考えれば納得できる。大人4名の乗車も可能だ。後席の居住性は、両車ともに同程度だが、前席はライズが少し勝る。
●勝敗:ライズの勝ち
■荷室/シートアレンジ/収納設備比較
ヤリスクロスはリヤゲートを寝かせたので、背の高い荷物を積みにくいが、荷室長(荷室の奥行寸法)はライズよりも長い。後席を使っている状態で820mmを確保した。ライズは全長が短く、荷室長も755mmに留まる。収納設備は両車とも充実しており、実用上は十分だ。
●勝敗:ヤリスクロスの勝ち
■動力性能&加速フィーリング比較
ヤリスクロスはノイズも小さく、運転感覚も洗練されている
ヤリスクロスのハイブリッドは、THS IIと呼ばれるタイプで、直列3気筒1.5Lエンジンとモーターが両方とも駆動を担当する。発電機も搭載するから、エンジンの力で発電して、その電気を使ってモーターを駆動することもある。
ライズは、eスマートハイブリッドを搭載する。機能は日産のe-POWERに似ており、直列3気筒1.2Lエンジンが発電機を作動させ、モーターがホイールを駆動する。エンジンがホイールを直接駆動する制御はない。
ライズのハイブリッドは、前述の通り価格が安く、コストを重視して開発された。そのためにエンジンを停止させ、モーターだけで走る時間は短い。登坂路などでは、発電量を増やすためにエンジン回転が高まり、3気筒特有の粗いノイズを響かせる。
動力性能は両車ともコンパクトSUVとして十分に確保したが、ノイズはヤリスクロスが小さく、運転感覚が洗練されている。
またライズはコスト低減のために、ハイブリッドシステムとブレーキペダルを協調させていない。ヤリスクロスでは、ブレーキペダルを踏むと減速エネルギーを使った発電量が増えて駆動用電池に蓄えるが、ライズにこの機能はない。
従ってライズで燃料消費量を節約するには、アクセルペダルを戻すと同時に、強めの減速力が生じる「Sペダル」を使う必要がある。購入時には、販売店の試乗車を使って「Sペダル」を作動させ、走りに違和感が生じないかを確認したい。
●勝敗:ヤリスクロスの勝ち
■走行安定性&操舵フィーリング比較
ヤリスクロスは全幅が1765mmとワイドで、トレッド(左右のホイールの間隔)もライズに比べると40mmほど広く、直進安定性が優れている。走行安定性や操舵に対する反応も、おおむね良好だ。
ライズはマイナーチェンジで改善されたが、今でも操舵した時の反応が少し鈍い。カーブを曲がっている時に、ステアリングが直進状態に戻ろうとする力も弱めだ。危険を避ける時の安定性などに大差はないが、運転感覚はヤリスクロスが洗練されている。
●勝敗:ヤリスクロスの勝ち
■乗り心地比較
乗り心地はライズに軍配。柔軟で快適に走れる
ヤリスクロスZは18インチタイヤを装着することもあり、乗り心地は少し硬い。時速50km以下では路上の細かなデコボコを伝えやすく、上下に揺すられる動きも生じやすい。
その点でライズZは、少し柔軟に仕上げた。重厚感は乏しいが、馴染みやすい乗り心地だ。
●勝敗:ライズの勝ち
■安全&運転支援機能比較
両車ともに充実しており、ブラインドスポットモニターもオプション装着できる。その上で比べると、ヤリスクロスの衝突被害軽減ブレーキは、右左折時にも作動する。直進してくる対向車や横断歩道上の歩行者に反応して、衝突被害軽減ブレーキを作動させる。設計としてはヤリスクロスが新しい。
●勝敗:ヤリスクロスの勝ち
■燃費性能比較
ヤリスクロスハイブリッドZのWLTCモード燃費は27.8km/L、ライズハイブリッドZは28.0km/Lだ(いずれも2WD)。この2車種同士で比べると、燃費性能はほぼ同じになる。
●勝敗:引き分け
■買い得グレードと価格の割安度比較
ヤリスクロスハイブリッドZの価格は258万4000円、ライズハイブリッドZは232万円8000円(いずれも2WD)。価格はライズハイブリッドZが25万6000円安いが、ヤリスクロスと違って、ディスプレイオーディオはオプションだ。装備の違いを考慮すると、実質価格差は約18万円に収まる。
ボディサイズや直進安定性の違いなども考えると、実質価格差が18万円であれば妥当だ。同じトヨタ車同士とあって、価格の割安感に差を付けていない。
●勝敗:引き分け
■総合評価
外観の存在感、直進安定性、静粛性などを重視するならヤリスクロスが適する。一方、コンパクトで視界の良いボディによる運転のしやすさ、シートの座り心地などは、ライズが上まわる。
運転すると、ヤリスクロスはライズよりもひとまわり大きな印象があり、実質価格差が18万円に収まるなら、一般的にはヤリスクロスが少し買い得だ。
しかしライズには、SUVでは数少ない5ナンバー車という個性がある。外観もRAV4のように野性的に仕上げられ、独特の魅力を持たせた。客観的にはヤリスクロスが買い得だが、ライズの売れ行きが伸びるのも、納得できるところだ。
●勝敗:ヤリスクロスの勝ち
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
ついにトヨタ「新型セリカ」復活!? 次期8代目登場か… 中嶋副社長「セリカ、やっちゃいます。」宣言! 会長も後押し!? ラリージャパンで語られたコトとは
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
一般車両侵入でSS12中止のラリージャパン、主催者に約800万円の罰金! 執行猶予付き1600万円の追加罰金も
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント