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雪が教えてくれた、ルノーキャトルの実用車としての奥深さとは?

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雪が教えてくれた、ルノーキャトルの実用車としての奥深さとは?

首都圏では例年、2月の寒さはかなり厳しいものです。しかしながら今年の寒さは一段と強いですね。お風邪を召されたりしていないでしょうか。皆様どうぞご自愛くださいませ。

先日もかなりの大雪が降り、首都圏の交通機関はかなりの影響を受けたもの。そんな時に私はルノーキャトルに乗る機会がりました。借り物のクルマをそういうシビアコンディションで乗る。できれば避けたいものでして、いやだなぁと思いつつ出発。しかし、ノーマルコンディションではまったく感じることができない美点を感じることができましたので、今日はその部分にスポットを当てて少し振り返っておきたいと思います。

ヨロヨロ。ツルツル。都心の大雪はスタッドレスを履いた4WDでも…こうなっちゃうの?

ルノーキャトルを所沢陸運事務所まで名義変更へ

今シーズン最初に大雪の降った先月。あの時は早々通行止めになった首都高速道路。結局完全復旧するのに一週間ほどかかりましたね。また鉄道の影響もかなり多かったです。あのような環境で関東地方はとくに弱いです。もっともあのレベルの雪では雪国であっても厳しいレベルだったといわれました。

そんなさなか、ルノーキャトルを所沢陸運事務所までもっていき、名義変更に行くことになっていました。さすがに雪が降った当日は危険だし、またどんな影響があるかわかりません。途中で立ち往生、もらい事故、通行止めの箇所など、変更ができるならできるだけ外に出ないほうがいいですね、ああいうときは。ということで数日日程をずらしていくことにしました。1日か1日半ほどかなり強く雪が降りました。その後、お天気にはなったものの、それほど気温は上がらず、その上で夜になると再び凍る。ですので、結局数日間は雪が止んでから三日ほどは家を出ないようにしました。

もういいだろうと、4日目にルノーキャトルで出発。この時代のくるまというのは、キャブレターの個体差、機関系の相性の問題などあって、若干個体ごとの癖というか、コンディションとは違う「具合の良し悪し」があるものです。この日に乗ったクルマは、朝、駐車場でエンジンに火を入れた時には、気温がほぼ零度。そんな状況でもたちまちエンジンに火が入り、一発始動。数分間チョークを引いておけばたちまち回転が安定するほどのクルマでした。

降雪後の澄み渡る冬の日差しの下、いざ所沢ドライブ!

走り出しはどんなドライブコンディションでも軽やかで、陽気に出発進行!と心の中で言いたくなるようなそんな朗らかさがあるのがキャトル。何度乗ってもいいものだなあと思うものです。

府中街道もおおむね順調。しかし東村山あたりに差し掛かると時折のろのろ。青梅街道を空いている方に左折して空いていると思われる抜け道を通ることにしました。正直、このとき、大通りはほとんど雪は解けて、除雪もされているが、路地や住宅地の中などはかなり雪が残っていることを一瞬忘れてしまっておりました。調子に乗って左折した瞬間「あ、しまった…」と思ったのが実は正直な気持ちだったのです。

そこから、ナビが案内するのは古い農村を拓いた住宅地の間を抜けて、西武遊園地の脇の方を抜けて、所沢の街の方から、国道463号線へ抜けるという道をグーグルナビは案内しました。だから嫌な予感は次第に強くなっていたのです。そして、その予感が現実のものになるのにそう時間はかかりませんでした。ずいぶんと狭い路地なのに、結構クルマの通りは多い。クルマの通りが多いのに、雪がかさ高く積もっていて邪魔だし、それだけクルマの通りがあるのに雪が全然つぶれていません。

そればかりか、数日間解けかけては夜間に凍り、住宅街の中にアイスバーンと小さな氷山がたくさんできるという始末。実にいやなものです。こんな状況をルノーキャトルは走らなければならなかったのです。

しかしどうでしょう。全面結氷のアイスバーンでさえ、とてもコントローラブルなのです。たしかにクルマ全体が滑るような結氷路面ではするっと行くこともあります。しかしそのあとしっかり止まりますし、発進制動舵取りがびっくりするほど自在にできるのです。

雪が教えてくれた、ルノーキャトルの実用車としての奥深さ

やはりこの細いタイヤがいいのでしょう。雪山のようなところにタイヤがはまりかけても案外すんなり抜け出します。接地面が小さいということは抵抗も小さいということですが、抵抗が小さいという場合、本来抵抗のあるはずの箇所の抵抗が、限りなくゼロに近くなるような場面でも、その影響もやはり小さいのでしょう。そして、非力であること。これもマニュアル車でも空転してスタックということが起こりにくいのかもしれません。厳密にはトルクが小さいということだと思います。クラッチ操作もそれほどテクニカルな操作は要しませんでした。

あと、これらすべての原泉だと思いますが、ボディの軽さ。これはやはり尊いと感じました。軽いから、非力でも走る。非力だから重力の影響も最小限。軽いから雪にめり込まず、抜け出すのも容易。どこまでもプリミティブであくまでもシンプル。軽くて小さな、そして非力でもしっかり走る。今回の首都圏を襲った大雪によって、こういうクルマの普遍性をあらためて感じました。

こういう体験を踏まえると、多少割高であっても、こういう成り立ちのクルマはこれからの時代こそ必要なのではないか、と感じたものです。シトロエンは2CVの新車を作れるだけのパーツがまだたくさん残っているというし、そんなのを増やして、町工場で組み立てて販売するなんていうのも、むしろ一つのクルマの未来には必要なのでは?そんな風に思う次第。

だれも見損なってはいないかもしれませんが、ぜひルノーキャトル、このクルマの実用車としての奥深さ、懐の深さ、可能性を再度見直してもいいのでは。そんな風に思う今日この頃です。

[ライター・画像/中込健太郎]

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