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日本ならではの自動車文化の一端を垣間見た「オートモビルカウンシル2024」

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日本ならではの自動車文化の一端を垣間見た「オートモビルカウンシル2024」

運営元:旧車王
著者 :松村 透

今年で5回目となる「スーパーアメリカンガレージ朝霞の森 2024」イベントレポート

去る2024年4月12日~14日にかけて、幕張メッセで開催された「オートモビルカウンシル2024」の模様を取材した。

今回が9回目の開催となるオートモビルカウンシル。前回に引き続き、今回も「Classic Meets Modern and Future」のテーマだった。

出展者数は過去最多の113を数え、自動車関連商品等の販売店(マルシェ)が34社、オーナーズクラブが4団体、フード・ドリンクのコーナーが9店舗と、年々規模が大きくなっている感がある。ちなみに、来場者数も過去最高の39,807人。気の早い話だが、第10回となる2025年は5万人を突破する可能性もありそうだ。

■自動車メーカー&インポータートヨタは「トヨタ クルマ文化研究所」と銘打ってブースを出展。日産は「LOVE GOES ON - Nissan Lovers Every Customer-」、マツダは「ロータリースポーツカーコンセプトの歴史と未来」のテーマをそれぞれ掲げていた。

ホンダはシビックをメインに、そして三菱も、パジェロやギャランVR-4、ランサーエボリューションのラリーカーを展示していた。


ついに、というか、いよいよというべきか。日本車メーカーによる、古いクルマに対する対応が手厚くなりつつある印象を受けた。いまどき、ここまでいい切ってしまってから「やっぱりやめます」というわけにはいかない。これまで積み上げてきた期待値が一瞬でゼロになってしまうからだ。

メーカーサイドとしても後戻りが許されない「不退転の決意」だと思う。「はじめの一歩」のハードルは高いと思うが、来年はぜひスバルをはじめとする他の日本車メーカーの出展も期待したい。

そしてインポーターは、ポルシェジャパン、マセラティジャパン、BYD Auto Japanの3社が出展。ポルシェジャパンは、ポルシェライフスタイルの新たなカテゴリーである「ターボNo.1コレクション」のプレゼンテーションを行った。

また、マセラティジャパンは独自のカスタマイズプログラム「マセラティ・フォーリセリエ」を施した「グレカーレ トロフェオ」と「クアトロポルテ V6 2.8 エヴォルツィオーネ(4代目)」を展示。さらにBYD Auto Japanは、発売間近の「シール」と「ATTO 3」を展示。3社とは少し寂しい。予算の関係か本社マターの決済が必要なのかは分からないが、他のインポーターのエントリーも期待したいところだ。

■ヘリテージカー販売店出展車両ヘリテージカー販売店は35社が出展。気に入った個体を購入することもできる。全体的にドイツ車を中心にヨーロッパ車が多めな印象。海外のクラシックカーイベントと同様に、空冷911が人気。オリジナルにこだわる個体があるいっぽうで、独自の解釈がなされたレストモッドされたクルマも見掛けた。

また、ヤナセクラシックカーセンターからは1969年式メルセデス・ベンツ280SEをはじめ、1988年式メルセデス・ベンツ560SL、1992年式メルセデス・ベンツ500E、1993年式メルセデス・ベンツ500SL、1995年式メルセデス・ベンツ280TEの5台が展示されていた。

実は20年ほど前に、あるイベントでR129型の500SLが100万円そこそこで売りに出されているのを見てショックを受けたことがある。ちなみに、展示されていた500SLの販売価格は670万円とのこと。ずいぶんと高くなったと思いつつ、本当に欲しい人が手に入れるのだろうから、これはこれでいいのかもしれない。

その他、カニ目や貴重なブリストル、すっかり見掛ける機会が減ったフェラーリ テスタロッサ、プジョー406クーペの姿も。いずれもそれ相応の資力がなければ手に入れることは困難だが、こうして眺めているだけでも眼福といえる気がする。

■見みどころ満載だった企画展3月13日にこの世を去ったカーデザイナー、マルチェロ・ガンディーニ氏の追悼企画が急遽追加され、「ミウラP400」と「カウンタックLP400」のほか、ガンディーニ氏の傑作のなかから厳選した「ランチア・ストラトスHFストラダーレ」「ディーノ308gt4」「アルファ・ロメオ・モントリオール」が展示されていた。

そして、この記事の公開日の翌日の5月1日は、もはや伝説のF1ドライバーとなったアイルトン・セナがこの世を去ってから30年。そのため「アイルトン・セナ没後30年特別企画」が実現。

「JPS ロータス 97T ルノー(1985年)」「マールボロ・マクラーレン MP4/5B ホンダ(1990年)」「マールボロ マクラーレン MP4/6 ホンダ(1991年)」、そして「ホンダ NSX タイプR プロトタイプ」の4台、さらにセナが愛用したレーシングスーツおよびヘルメットが展示され、各々のギャラリーがセナへの思いを馳せていたようだ。

また、歴代フォルクスワーゲン ゴルフのなかからGolf1、Golf2、Golf4、Golf7、Golf8が展示されており、進化の過程を観察することができた。さらに、「アメリカンヘリテージ」の名車達と題して、1963年式シボレー コルベット、1967年式シボレー カマロRS、1970年式ダッジ チャレンジャーR/T 440+6 コンバーチブル、1976年式AMCジープJ-10、1983年式AMCイーグル ワゴンの5台が展示され、イベントに花を添えた。

■まとめ:来年は10回目となるオートモビルカウンシル春に開催されるクルマのイベントとして定着した感のあるオートモビルカウンシル。来年は記念すべき第10回開催となる。おそらくはさまざまな試行錯誤を繰り返しながら「オートモビルカウンシルとしてのスタイル」が少しずつ確立していくのだと思う。

初期の頃とはイベントの中身が変わってきたという声も耳にした。そのいっぽうで、現在のスタイルが好ましいという人もいるだろう。それぞれに想い入れやこだわりがあるだけに、すべてのファンの希望を叶えることは難しいだろう。

しかし、この種のイベントは続けることが何よりも大変であり、同時に重要だと思う。いちど休止してしまうと復活するハードルが一気に高まるからだ。

東京オートサロンやノスタルジック2デイズなどと同様に、多くのクルマ好きにとって欠かせないイベントとなってくれることを願うばかりだ。

[ライター・撮影/松村透]

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