激戦区となった4ドアのスポーツカー
text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)
【画像】4ドアのスポーツカー 見た目、どのモデルが好み?【比べる】 全73枚
ここにきて4ドアのスポーツカーというカテゴリーに新型車が増えている。
量産サルーンを高性能化したスーパーサルーンとは異なり、4枚のドアを備えるスタイリッシュな専用のボディの内にスポーツカーと呼ぶにふさわしいパフォーマンスを備える特別なモデルなのである。
その起源は1963年に登場したマセラティ・クアトロポルテで、長らく孤高の存在で知る人ぞ知るクルマであった。
潮目が変わったのはフェラーリ製エンジンを積む5代目が2003年に送り出されてからだ。
エクステリア・デサインは当時ピニンファリーナに在籍していた奥山清行氏によるもので、クラシコ・イタリアーノをテーマとした独創的なスタイリングが注目を集め一躍メジャーな存在となり、4ドアのスポーツカーが市民権を得た時でもあった。
クアトロポルテの成功を受け、真っ先に動いたのが、同じ立ち位置にあるポルシェだった。
真っ先にポルシェが動く 翌年にはアストンも
カイエンでの成功に続き911オーナーを自社ブランド内に留めるための4ドアのスポーツカーとして2009年に送り出されたのがポルシェ・パナメーラである。ポルシェ自身も「日常的な利便性を何ひとつ犠牲にしていないスポーツカー」と謳っていた。
翌2010年になるとアストン マーティンからラピードが送り出され、それぞれの国を象徴する3モデルが揃い、エンスージァストから好評をもって受け入れられた。
2019年には最終モデルとして603psを発揮し最高速度は330km/hをマークするAMR仕様が登場し注目を集めた。
このあとは世界的なSUVブームがプレミアム・クラスにも波及して、各メーカーは舵をそちらに向けて切ったこともあり4ドアのスポーツカーは一段落したかに見えた。
その均衡を破ったのがメルセデス・ベンツだった。
メルセデス・ベンツからAMG GT 4ドア
以前から量産サルーンをベースに高性能化したAMGのSクラスやEクラスを送り出し、4ドアのスポーツカー達と競い合っていた。
そのAMGが満を持して送り出したのが専用ボディを持つAMG GT 4ドアクーペである。
2018年3月のジュネーブ・モーターショーでワールド・プレミアされ、2019年2月から日本に導入されている。
ここで注目したいのがボディ形状だ。
クアトロポルテは独立したトランクを持つ4ドアというオーソドックスなスタイルだったが、パナメーラ、ラピードはファストバック・スタイルの5ドアハッチバックが採用され、AMG GT 4ドアクーペもこのスタイルを踏襲したことから4ドア・スポーツカーの定型が固まったかと思われた。
メルセデス・ベンツに続いて同様にフルラインナップ化を目指すBMWも遂に4ドア・スポーツカーのカテゴリーにM8グランクーペを送り込む。
こうして大メーカーが参入したことにより激戦区の様相を呈してきた。
M8グランクーペのスタイリングはファストバックではなくクーペ・スタイルとされ、ボディ剛性と静粛性を高めるためにトランクを独立させた点に注目したい。
最強の4ドア・スポーツカー、どのモデル?
出揃った感のある4ドアのスポーツカーに共通するのは5m超えのボディに、超絶パワーを発揮する4Lターボ・ユニットを搭載することだ。
唯一の例外は12気筒6L NAエンジンを積むアスト マーティン・ラピードで、既に生産は終えているが中古で入手できることから参考として紹介する。
また一部のモデルには6気筒3.0Lエンジンを積む、ハイパワーが必要ないという方に向けたディフュージョン版も用意されるので、好みに合わせて選ぶことができる。
それでは4ドア・スポーツカーたちを項目ごとにトップ5をピックアップしてみると、それぞれのモデルの個性と違った側面が見えてこよう。
最高出力
680ps:ポルシェ・パナメーラ・ターボSE ハイブリッド(内モーター出力136ps)
639ps:メルセデスAMG GT 63/63S
625ps:BMW M8グランクーペ・コンペティション
603ps:アスト マーティン・ラピードAMR
600ps:BMW M8グランクーペ
最高速度
330km/h:アスト マーティン・ラピード AMR
327km/h:アスト マーティン・ラピード S
315km/h:メルセデスAMG GT 63S 4ドアクーペ
310km/h:ポルシェ・パナメーラ・ターボSE ハイブリッド
310km/h:メルセデスAMG GT 63 4ドアクーペ
0-100kmh加速
3.2秒:BMW M8グランクーペ・コンペティション
3.2秒:メルセデスAMG GT 63S 4ドアクーペ
3.3秒:BMW M8グランクーペ
3.4秒:ポルシェ・パナメーラ・ターボSE ハイブリッド
3.4秒:メルセデスAMG GT 63 4ドアクーペ
車両価格(高額)
3033.1万円:アスト マーティン・ラピード AMR(新車時)
2961.9万円:ポルシェ・パナメーラ・ターボSE ハイブリッド
2523.0万円:メルセデスAMG GT 63S 4ドアクーペ
2493.4万円:ポルシェ・パナメーラ・ターボ
2445.0万円:アスト マーティン・ラピード(新車時)
車両価格(安価)
1198.0万円:メルセデスAMG GT43 4ドアクーペ
1232.4万円:ポルシェ・パナメーラ
1290.0万円:マセラティ・クアトロポルテ
1585.0万円:マセラティ・クアトロポルテS Q4
1623.0万円:メルセデスAMG GT53 4ドアクーペ
こうして各モデルを比較してみると、それぞれのメーカーのクルマ造りに対する考え方が見えてきて興味深い。
どれも近い性能、価格で並ぶだけに、結局最後の決め手となるのは購入する者の趣味嗜好となるに違いない。
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