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「エンジンが更にイイ」 “噂の新型スーパーカブ” さっそく街で乗ってみた

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「エンジンが更にイイ」 “噂の新型スーパーカブ”  さっそく街で乗ってみた

先の東京モーターショーでも注目を集めていたホンダスーパーカブ50cc/スーパーカブ110の発表試乗会。会場となったのは横浜の日本丸メモリアルパーク。11月10日に発売されたばかりの新型スーパーカブを駆って“みなとみらい”周辺のオシャレな臨港タウンを散策することに。(REPORT:近田茂)

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のっけから結論を言ってしまうとスーパーカブの仕上がりは、50cc、110ccともに相変わらず素晴らしかった。

先月、同車は世界累計生産台数でなんと1億台を達成。そのニュースは世界中を駆けめぐった。初代C100のデビューは1958年の事。既に1961年からは台湾でのノックダウン生産が始まり現在は世界15カ国16拠点で生産されている。来年は生誕60年。バイクに限らず、工業製品の中でこれほど尊敬の念を感じられる逸品はそう多くはない。
たくさんのユーザーを満足させる必要十分な機能的魅力と確固たる高い信頼性が培われて来たからこそ、今も変わらぬ人気を保ち続けていられる。世界のホンダブランドを支え続けるまさに傑作モデルなのだ。




さて新型は、丸形ヘッドライト等往年のスーパーカブを彷彿とさせるデザインモチーフを随所に採用しながらも、全体的にはマイルドで優しい雰囲気。優美な流れを感じさせる微妙な三次元曲面を駆使したスタイリングは従来までのビジネスモデル然とした質実剛健ぶりとは一線を画す仕上がり。ヘッドライトがLED化されて新時代のモデルであることもハッキリと主張している。
それでも見た目の印象や押し歩いた時、跨がった時等の感触の全てがまぎれもないスーパーカブそのものである点に安心感を覚えた。決して大き過ぎない手頃な車格。乗り降りのし易さ、クッションにたっぷりとした容量を感じられ座り心地の良い落ち着けるシート。大荷物も難なく運べる堅牢で頼り甲斐のあるリヤキャリア。レッグシールドとフルチェーンケース。そして踏み返しのついたシーソー式チェンジペダルはビジネスシューズを痛めることなく、誰にでも簡単かつ気楽に乗れてしまえるのだ。




スーパーカブ50とスーパーカブ110は基本的に車体一式が共通。タイヤサイズやギヤレシオ、排気量に違いがあり、車重も3 kg差で96と99kg。水平近くまで前傾した、いわゆる横型のエンジンは空冷OHC。いずれもロングストロークタイプの単気筒で、電子制御式の燃料噴射装置がマッチされている。
各車の乗り味の違いは、タイヤの太さと絶対的トルクの差からもたらされるが、基本的には共通。転がりは軽く、前後17インチホイールの回転慣性が効果的に作用する直進安定性と素直な操縦性がとても気持ちよい。
絶対的に非力なスーパーカブ50はエンジンを高回転域まで使う傾向が多く、シフトチェンジで間合いを図らないとギクシャクすることもあるが、噴き上がりの伸びの良さは抜群。一方スーパーカブ110はトルクにユトリがある分、一般的な街中走行ではアクセルの開け加減もセーブされ、シフトもスムーズ。シフト頻度も少なく実際、おおらかかつ楽ちんな気分で走れてしまう。

記者は以前スーパーカブ90を30年程愛用していたが、正直またコイツが欲しくなってしまった。なぜなら、高速に乗る必要がないなら何不自由のないパフォーマンスと快適な乗り味。その万能ぶりがとても魅力的だからである。




「スーパーカブ50、スーパーカブ110ともに、走り始めてすぐに感じられたのは扱いやすさ。安定感があり、低い速度でもフラフラしない。渋滞でのストレスが大きく軽減されるので、タウンユースにはとても助かります。シートの座り心地がいいのもポイントです。お尻がピタッと安定して、少々の振動があっても姿勢が崩れることはありませんでした。余計な力が入ることもなく、体は常にリラックス。従来よりも滑らかになったという自動遠心クラッチの変速時のフィーリングは、『ガチャッ』から『カチャッ』」と衝撃が抑えられたような印象。排気量に余裕のあるスーパーカブ110で特に感じられ、伸びやかなエンジンと相まって快適はこの上なし。ツーリングユースも大いにありだな~と想像がムクムク膨らむばかり。身近な相棒として本気で手に入れたいと思った次第です」



「新型スーパーカブ110は『日本向けに作っているので気合いが入ってますよ!』と昔からミニバイクレースも楽しんでいるホンダの担当研究員が言う。走り出してすぐに感じるのはパワーとトルクは十分に従来モデルと同じように確保されていることだ。排気ガス規制が厳しくなって、パワーダウン方向にあるにも関わらずだ。しかもエンジンが静かでなめらかに回っていることも指摘しておきたい。ギヤチェンジのシフトフィーリングもいいタッチになっている。気が付きにくいことかもしれないが、ハンドリングが軽快になっている! 従来のスーパーカブ110を通勤に使うわたしには、よ~くわかるよ(笑)。メーターパネルやハンドルカバー形状から小型になって軽量化されたからかなと思ったが、実はフロントフェンダーやフォークカバーには整流効果を増す整形がされているという。その効果は40~50km/hくらいでも体感できるものだそうだ。スーパーカブ独特の大きなレッグシールドもレーシングマシンのカウリングと同じように風洞実験による整流テストで形状が決められるというほど重要なパーツだそうだ。日本向け専用モデルの「メイドインジャパン」の新型スーパーカブはデザインといい性能といい、本当の意味で日本人好みになったと思う」



■スーパーカブ50……232,200円■

車名・型式:ホンダ・2BH-AA09
全長(mm):1,860
全幅(mm):695
全高(mm):1,040
軸距(mm):1,210
最低地上高(mm):135
シート高(mm):735
車両重量(kg):96
乗車定員(人):1
燃料消費率 国土交通省届出値(km/L):105.0/WMTCモード値:69.4
最小回転半径(m):1.9
エンジン型式:AA04E
エンジン種類:空冷4ストロークOHC単気筒
総排気量(cm3):49
内径×行程(mm):37.8×44.0
圧縮比:10
最高出力(kW[PS]/rpm):2.7[3.7]/7,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):3.8[0.39]/5,500
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式:セルフ式(キック式併設)
点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式:圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L):4.3
クラッチ形式:湿式多板ダイヤフラムスプリング式
変速機形式:常時噛合式4段リターン
変速比:1速3.181
2速1.705
3速1.190
4速0.916
減速比(1次/2次):4.058/3.538
キャスター角(度):26° 30´
トレール量(mm):72
タイヤ:前60/100-17M/C 33P/後60/100-17M/C 33P
ブレーキ形式:前/後 機械式リーディング/トレーリング
懸架方式:前テレスコピック式/後スイングアーム式
フレーム形式:バックボーン


■スーパーカブ110……275,400円■

車名・型式:ホンダ・2BH-AA09
全長(mm):1,860
全幅(mm):695
全高(mm):1,040
軸距(mm):1,205
最低地上高(mm):135
シート高(mm):735
車両重量(kg):99
乗車定員(人):2
燃料消費率 国土交通省届出値(km/L):62.0/WMTCモード値:67.0
最小回転半径(m):1.9
エンジン型式:JA10E
エンジン種類:空冷4ストロークOHC単気筒
総排気量(cm3):109
内径×行程(mm):50.0×55.6
圧縮比:9.0
最高出力(kW[PS]/rpm):5.9[8.0]/7,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):8.5[0.87]/5,500
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式:セルフ式(キック式併設)
点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式:圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L):4.3
クラッチ形式:湿式多板ダイヤフラムスプリング式
変速機形式:常時噛合式4段リターン
変速比:1速2.615
2速1.555
3速1.136
4速0.916
減速比(1次/2次):4.058/2.500
キャスター角(度):26° 30´
トレール量(mm):73
タイヤ:前70/90-17M/C 38P/後80/90-17M/C 44P
ブレーキ形式:前/後 機械式リーディング/トレーリング
懸架方式:前テレスコピック式/後スイングアーム式
フレーム形式:バックボーン

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