路上駐車台数は制度導入前の半分以下にまで減っているが……
2006年から始まった駐車監視員制度。放置車両確認事務の業務が民間法人に開放され、駐車監視員資格者講習を受講・合格した駐車監視員が、放置車両の確認及び確認標章の取付けを行い、警察署長に放置車両の状況を報告することで、違法駐車対策を強化する目的で導入された。
イラッ! 駐車場はガラガラなのになぜか隣にクルマを駐めてくる「トナラー」の真意とは
それからおよそ15年。果たして成果はあったのだろうか?
一般社団法人全日本駐車協会・東京駐車協会の資料によると、駐車監視員導入前年の2005年の東京都特別区における瞬間路上駐車台数は約105388台。
そして駐車監視員が導入された2006年は、約81175台とかなり減少し、2009年以降は60000台未満で推移していて、2017年は51536台と、制度導入前の半分以下にまで減っている。
この数字を見る限り、当初の目標=違法駐車を減らすという目標はかなり達成出来たように思える。
ただし、景気悪化に伴い、クルマの利用自体が減っていたり、ドライバーも監視員の傾向を知り、いろいろ自衛対策をするようになったというのもあるだろう。
また、駐車監視員は、みなし公務員とはいえ、民間法人に雇われたスタッフ。ノルマはないといわれているが、民間=効率を考えれば、放置車両を確認しやすい場所を重点的に回るので、違法駐車が減ったことを実感できる地域もあれば、まったく昔と変わらないという地域差もかなりあるのが現状だろう。
とはいえ、駐車車両への衝突による人身事故(交通事故)の発生件数を見てみると、2005年が2449件、2017年が892年と約3分の1まで減っていることを考えると、違法駐車が少なくなったことで、無理な車線変更の事故や、駐車車両の陰からの飛び出しが減少し、人身事故が減らせたことは間違いない。
ちなみに平成30年4月現在、放置車両確認事務の業務は、全国407警察署において、53法人に委託しており、約2000人の駐車監視員が活動中。
これからも、放置車両の確認数を増やすことが目標ではなく、あくまで「放置車両を減らして道の流れをスムースにする」という目標に沿って、監視してもらえることを願いたい。
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