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ソフトバイクやレジャーバイクが大量発生!! 70~80年代に生まれた「ユニーク原付」ヒストリー

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ソフトバイクやレジャーバイクが大量発生!! 70~80年代に生まれた「ユニーク原付」ヒストリー

1980年代のスクーターブームど真ん中に発売された車両を思い出してみると、パワフルで簡単にウィリーするなど、どれも面白いモデルばかりであった。
けれど、そんなスポーツモデルの影でひっそりと生産を終了していったものもある。発売当時から「これ誰が買うの?」と思うほど意外性に溢れた「変わり種」のことだ。

実はこの「変わり種」たちは1970年代から数多く発売されている。その延長で1980年代のHY戦争後のニューモデルラッシュ期に、人とは違う個性を狙ったモデルが数多く生まれたわけだ。
当記事はそんな「変わり種バイク」が生まれるまでの歴史を振り返ってみよう。

【関連画像16点】あなたは何台わかる?「判別激ムズ」の70~80年代ユニーク原付たち

スズキ・ホッパーから始まる「変わり種バイク」の歴史

変わり種の元祖は1971年に発売されたスズキ・ホッパーが始まりと言っていいだろう。
ホンダが1967年から販売し続けてきたモンキーと同じカテゴリーと呼べるが、ホッパーは前後にサスペンションを備え2ストエンジンによりしっかりバイクらしく乗れたのが特徴だった。
それに追随するように、レジャーバイクの元祖と言えるホンダも1972年にシャリイを発売。スーパーカブのコンポーネンツを利用したホームバイクでレッグシールドも装備していた。

この流れは他メーカーにも波及し、1972年に発売されたスズキ・バンバンや、1973年に発売されたヤマハ・チャピィなどが発売、スクーターブームの前に、ユニークバイクのちょっとした戦いが繰り広げられることとなったのである。

リリースラッシュとなった70年代のレジャーバイク

このレジャーバイクのリリースラッシュはまだまだ続いた。

1976年にはヤマハがボビィを発売。ボビィはきつい段差のないメインフレーム部にタンクからバッテリーなどの機能備品を収めスッキリしたスタイルが特徴だった。
ただ、こうした一連のレジャーバイクたちは遠心クラッチとはいえ変速作業が必要だった。
それゆえ可愛らしいスタイルとは裏腹に女性の支持を集めにくかったし、男性が乗るには少々恥ずかしい車両でもあった。

そんななか、1978年にホンダが発売したシャレットは画期的だった。チェンジ操作が不要なVベルト方式を採用し、ロードパルやパッソルと違い太いメインフレームが高い位置に配置することで、よりしっかりした車体になっていた。
シャレットに続き、1979年にヤマハが発売したマリックとリリック、1979年発売のホンダ・カレン、スズキのユーディーやスージーなど、意欲的なモデルが次々と登場。しかし、残念ながら大ヒットとなっていたパッソルには及ばず「変わり種バイク」の域を脱することはできなかったのである。

より多様化していく「変わり種バイク」たち

これら一連の「ソフトバイク」は女性向けに発売されたもので、一様にフロントバスケットを装備して「お買い物に便利」なことを訴えていたのも特長といえるだろう。
だが1980年にホンダがタクトを発売したことで、ステップボードとレッグシールドが一体になったスクーターが大ブームになる。ソフトバイクたちは新車ラインナップから、人気モデルの座を明け渡すことになる。

ただ、それまでに発売されたソフトバイクたちは中古車として市場にあふれかえり、1万円~5万円前後の低価格で流通。
安価な入手しやすい「足」として、当時の高校生たちを多いに喜ばせ、後に繋がるバイクブームの端緒となったのである。
ちなみにスクーターブームの立役者であるタクトのリリース前である1980年1月に、スクーター然としたスタイルをしたソフトバイクとして、スズキがスワニーを発売していた。

2ストエンジンと2速ATを組み合わせた構成はソフトバイクそのものだが、低いステップボードと一体のレッグシールドがスクーター全盛時代の到来を予感させた。いかんせん生まれるのが早かったか、さほど話題に上ることもなく時代の波にのまれていったのであるが……。

ホンダ・タクトの登場でさらに増える「変わり種スクーター」

タクトの登場で、本格的に火の付いたスクーターブーム。もちろんホンダの独走を、他メーカーが黙って見ているわけはなかった。
ヤマハは1980年3月にはフレームが高い位置にありフロント16インチ・リヤ14インチタイヤを採用してバイクらしい出で立ちのソフトバイク、タウニィを発売。
続く5月には3速ATと3.6psエンジンによりクラスを超えた走りを実現するポエットを発売している。どちらもタクトのブームには遠くおよばなかったが、珍しさという意味で貴重な存在である。

原付レジャーバイクがこれほど面白かった時代は後にも先にもないだろう。なにせここで紹介した車種はほんの一部で、ユニークなモデルはまだまだあったのだから。
ソフトバイクが一大ブームになり、タクトによるスクーターブームへ発展するまでの間には繋ぎ的モデルや余剰部品で組んだようなモデルまで様々だったのである。
だが、変わり種バイクの勢いがあったのはここまで。この後50ccマシンのメインはスクーターへと移行していき、HY戦争に代表される原チャリ大戦争が勃発することになるのである。

(text:増田 満/まとめ:モーサイWEB編集部)

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みんなのコメント

4件
  • 70年代、ヒッピーが こぞってダックスやホッパーに乗っていた。
    でも普通のオバハンも乗っていた。
  • 当時のミニバイク小さくて楽しいからいっぱい集めたくなります
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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