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ターボ復活! “刺激”は控えめに──新型スバル・フォレスターSPORT試乗記

掲載 更新 4
ターボ復活! “刺激”は控えめに──新型スバル・フォレスターSPORT試乗記

スバルのSUV「フォレスター」にターボエンジン搭載モデルが復活した! クローズドコースで試乗した小川フミオの印象は?

力強いエンジン

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スバルはSUV「フォレスター」に1.8リッター水平対向4気筒ガソリンターボ・エンジン搭載の「SPORT」を新設定し、2020年10月23日から販売を始めた。さっそく試乗してみると、オフロードで高い走破性を発揮するフォレスターに、オンロードでの使い勝手のよいモデルがくわわった、と、知れた。

フォレスターといえば、歴代モデルに設定されていたターボ、あるいはチューンナップされたSTiターボが人気を集めていた。高性能SUVという希有なコンセプトでファンの評価は高かったものの、男っぽすぎて女子ウケはいまひとつだった印象がある。

Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasui今回の5代目に設定されたSPORTは、スタイリングから走りまで、洗練度があがっている。幅広いユーザーを対象にしている印象で、プジョーやフォルクスワーゲンなど輸入車からの乗り換えを考えているひとも、すんなり受け入れられるだろう。

フォレスターSPORTに搭載されたターボエンジンは、1795ccの水平対向4気筒。最高出力は130kW(177ps)、最大トルクは300Nmで、AWD(全輪駆動)システムと組み合わせられる。新型レヴォーグに搭載されるのと、おなじエンジンだ。

従来、5代目フォレスターにも用意されていた2.5リッター水平対向4気筒ガソリンエンジンは廃止。フォレスターのエンジンはいま、2.0リッター水平対向4気筒ガソリン・エンジンに、発進時などに小型モーターがサポートするシステムを組み合わせたマイルド・ハイブリッド(e-BOXER)と、この1.8リッターターボの2本立てになった。

Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu Yasui1.8リッターターボエンジンの特徴は、最大トルクを1600rpmから発生させ、「低回転域(定速域)での使い勝手のよさを重視」(SUBARUの広報担当者)したところにあるという。

ふだんの走行時、アクセルペダルを踏み込んでいない負荷のない状態でも、2000rpmあたりでエンジン回転をキープするように変速機が設定されている。そのため、アクセルペダルを軽く踏み込んだだけで、1570kgの車体はすっと気持よく前に出る。

エンジン回転をあげていくと、2500rpmを超えるところから、ターボチャージャーによるパワーが炸裂。車両は強い力で押しだされていく。従来の2.5リッターは自然吸気型だったので、アクセルペダルの踏みこみ量に応じて徐々にトルクが”積み増し”されていく感覚だったのと対照的だ。

Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasui専用開発のコイルスプリングとダンパー

はっきりいって、私はこれまでフォレスターに使われていた2.5リッターエンジンをそれほど評価していなかった。排気量のわりにパワーが不足している感があったからだ。燃料消費量も、メーカー公表値はリッター13.2km(WLTC)であるいっぽう、私の経験では、実際にはリッター10km前後だった。

今回の1.8リッターターボエンジンは設計が新しいぶん、低回転域から高回転域まで、アクセルペダルの踏みかたに敏感に反応してくれるのがよい。リニアトロニックとSUBARUが名づけた、ギアでなくベルトを使った無段変速機も、ドライバーの意図をしっかり汲んでくれ、いきなり加速してももたつくことがなかった。

Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu Yasuiメーカー公表の燃費は13.6km/Lと、2.5リッターとあまり変わらないのは、さきに触れたように、エンジン回転を高めに維持する設定ゆえだろう。市街地でも、加速性がよいパワフルな走りにこだわったぶん、燃費はいまひとつである。でも、燃費がすべてではないので、ユーザーが判断すればよいだろう。

専用開発のコイルスプリングとダンパーを与えられたSPORTでは、ステアリング・ホイールを切ったときの車体のロールは抑えている。

なにはともあれ、いまのSUBARUは、運転が楽しめるモデルづくりに注力しているかんじがある。フォレスターSPORTも例外でない。そこが私は気に入っている。

Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasui嬉しい選択

エクステリアでは、ブラックのフロントグリルや、ダークメタリックのアルミホイールが専用装備。内装では、乗員のからだが滑りにくい人工皮革の「ウルトラスエード」と本革のコンビネーションシートを採用し、上質感と機能性の両立をはかっている。

ドライバーモニタリングシステムが標準装備されているので、複数のドライバーでこのクルマを使う状況では、かなり便利なはずだ。ドライバーが乗り込むと、ダッシュボード中央上部に内蔵されたカメラによる顔認証システムが作動。登録ドライバーのばあい、シートポジション、ドアミラー角度、空調の温度設定などを自動的に再現する。スウィッチ操作が不要になるので便利だ。

Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu Yasui価格は328万9000円で、e-BOXERユニット搭載の「Touring」(291万5000円)、同じく「X-BREAK」(今回からの新設定で305万8000円)、そして「Advance」(315万7000円)とうまくつながるような設定である。e-BOXER車も力があって、ドライブを楽しめるだけに、悩ましい、いや嬉しい選択だ。

Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu Yasui文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

4件
  • どんだけHiromitsu Yasui推したいねん(笑)
  • 177psって名前だけの復活ですか。
    フォレスターはあのドッカンターボの刺激と四駆性能が魅力的なんですよ。
    馬力は落ちていらない装備を沢山つけて値段だけは年々上がっていく。
    収入は上がらずに物価だけ上がるのだから国内が軽自動車だらけになるわな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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