すべてはサーキットを存続させるため
昔は爆音の直管マフラーが当たり前のように走っていたサーキット。しかし近年は近隣の住宅や施設に対する配慮から、音量規制を設けているところが大半だ。せっかくお金と時間をかけて現地まで行ったのに「音量オーバーで走れなかった…」なんて事態を招かないよう事前の確認を忘れずに。
「ドリフト禁止」サーキットが増加! "スキール音"問題よりも重大な本当の理由
「走行音=騒音」であることを利用者全員が理解するべき
一般道とは異なるルールが存在するサーキット。その代表例といえるのがマフラーの音量で、以前こそ「極端な爆音はダメ」程度だったが、近ごろは規制が厳しくなるいっぽうだ。スポーティな排気音はチューニングカーの醍醐味だけど、興味がない人にとっては単なる騒音でしかないし、近隣で暮らす住人はもっと深刻な問題である可能性が高い。
サーキットでは高回転を常用するので、車検対応マフラーでも排気音は市街地の走行と比較して大きくならざるを得ず、さらに複数のクルマが断続的に走るとなれば音量は推して知るべし。サーキットも地元に配慮しなければ企業としての活動が上手くいかないため、音量を規制するのはごく当たり前の流れといえるだろう。
またドリフト走行ではタイヤが滑る際の「スキール音」もかなり大きく、それが原因のひとつとなりドリフトが禁止されたケースもある。サーキットは基本的に人里から離れた場所にあるし、そこまでシビアじゃないと思う人もいるかもしれないが、排気音が山や谷で反響すると意外なほど遠くまで届くのだ。
騒音問題でドリフト禁止になったサーキットも
では実際に音量を規制しているサーキットをいくつか挙げてみよう。特に厳しいといわれているのが千葉県の「袖ヶ浦フォレストレースウェイ」。まず参考までに車検をパスできる音量(近接排気騒音)は、年式などで差はあるものの大まかにいうと96~103dB(デシベル)が目安となっている。
対して袖ヶ浦フォレストレースウェイは95dBと、車種によってはさらに厳しくなるケースも。クルマやバイクの走行中は常に音量をチェックしているようで、オーバーしていれば注意のうえ対策を求められ、どうにもできなければ走行を断られる可能性があるので注意しよう。
他には「桶川スポーツランド(埼玉県)」は99dB、今年から騒音問題でドリフトが禁止になった「本庄サーキット(埼玉県)」は100dB、「鈴鹿ツインサーキット(三重県)」や「日光サーキット(栃木県)」が105dBといった具合。
ここに挙げた以外にも、具体的な数値を設けていなくても音量規制を行なうサーキットは増えており、甚だしい爆音はモチロン注意されるので、仮にナンバー無しのサーキット専用車であっても、音量は常識の範囲に抑えたほうが無難だろう。
初めて走るコースならウェブサイトか電話で音量規制の有無や、具体的な数値を確かめたうえで愛車の音量を計測する。なおマフラーは経年劣化で内部のグラスウールが焼け、音量が大きくなる場合もあるので気を付けたい。
サーキットが音量を規制するイチバンの理由、それは周囲の住民や施設に対する配慮だ。自分たちの走るステージを守るためにも規則を守り、行き帰りの道中も静かに走るなどマナーを徹底するのが、本当のクルマ好きでありモータースポーツのファンではないだろうか。
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みんなのコメント
先に出来たのはどっちだ?
お寺の鐘の音問題と同じだね。