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ステランティスが大型EVプラットフォーム 「STLA Large」を発表、5ブランド8車種に導入へ

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ステランティスが大型EVプラットフォーム 「STLA Large」を発表、5ブランド8車種に導入へ

ステランティス(Stellantis)は、DおよびEセグメントの世界市場向けに今後発売される幅広いモデルの基盤となる、柔軟性の高い完全新設計のBEVネイティブプラットフォーム「STLA Large」を発表した。

このプラットフォームは、搭載可能バッテリー容量、充電効率、車両運動性能、Trail Ratedオフロード走行などにおいて、セグメントをリードする能力を実現。

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STLA Largeをベースとするフルサイズ車は、世界の主要市場において顧客需要の中核となるもので、まず北米市場のダッジおよびJeepブランドで採用され、その後、アルファ ロメオ、クライスラー、マセラティなどの他のブランドでも採用される予定。2024年から2026年にかけて、8モデルが発売される予定となっている。

STLA Largeで5ブランドから8車種を発売予定



今回のSTLA Largeプラットフォームは比類なき技術的柔軟性をもって設計されており、ベースとなるコンポーネント群により、高レベルの車両の多様性、トップクラスの品質と顧客満足度を実現する。

また、その製造工程は堅牢でコスト効率に優れ、複数の組立工場で導入することができる。今後発売される製品は、乗用車からクロスオーバー、SUVまで、あらゆる車両タイプをカバーする予定で、そのすべてが、瞬発的なトルク特性とゼロエミッションが組み合わされた電気駆動の利点を提供する。各ブランドの製品発表は今年から始まる予定となっている。

STLA Largeは、「EV Day 2021」で概略を示した4つのグローバルBEVプラットフォームの1つで、ステランティスの将来の製品を支え、同社の戦略計画「Dare Forward 2030」の大胆な目標達成の鍵となるもの。

これは、2023年7月に発表されたクラス最高水準のプラットフォーム「STLA Medium」に続く2番目のプラットフォームとなる。

STLA Largeは欧州と北米の複数の工場で導入される予定で、ハイブリッドや内燃機関などさまざまな動力源に対応する。

ステランティスのアイコニックな各ブランドは、ファミリー向けからハイパフォーマンス、悪路走破性の高い4輪駆動、ラグジュアリーに至る幅広い領域で、顧客のニーズと要望に合わせてSTLA Large車両をカスタマイズして、最適なモデルを作り上げることになる。

このプラットフォーム固有の柔軟性により、エンジニアや設計者は車両に合わせてホイールベース、全長、全幅、全高、最低地上高を調整することができる。

また、さまざまなサスペンションモジュールやパワートレインクレードルに対応しているため、乗り心地、ハンドリング、快適性など、車両固有の性能目標に合わせて、それらを選択することができる。

さらにエンジニアは、フロントアクスルとドライバー足元間の距離や、前後のオーバーハング、乗員コンパートメントのフロアなど、主要な寸法を調整して、車両の機能と性能を微調整することができる。

先進の高強度素材を採用したこのプラットフォームは、重量と剛性が最適化されており、あらゆるタイプの車両でクラス最高水準の性能を発揮。

このプラットフォーム内のコンポーネントは、利用可能な室内スペースと収納スペースを最大化できるようパッケージ化されている。

また、キャビンの冷暖房システム、ステアリング、ブレーキアシスト、駆動システムといった快適性と能力を司る主要コンポーネントは、航続距離を伸ばすためにエネルギー消費を最小限に抑えるよう設計されている。

さらに柔軟性は、このユニボディ構造のプラットフォームの駆動システムにも組み込まれている。STLA Largeは、400Vと800Vの電気アーキテクチャーを選択できるBEVネイティブのプラットフォームとして設計・開発されている。

モーター、パワーインバーター、減速機を内蔵した3-in-1タイプの電気駆動モジュール(EDM)は、前輪駆動、後輪駆動、全輪駆動の各レイアウトに対応している。

パワーインバーターは、炭化ケイ素半導体技術を採用して、電力損失を最小限に抑えている。駆動システムの能力は、車両が製品寿命を終えるまで、OTA(Over-the-Air)ソフトウェアアップデートによってアップグレードすることができる。

車両それぞれの目標に基づき、STLA Largeはリミテッドスリップディファレンシャルやホイールエンドディスコネクトなどのドライブトレイン強化装置を搭載して、性能の向上や、機械抵抗の低減による効率や航続距離の向上を図ることができる。

全体として、STLA Largeプラットフォームは、既存のいかなるヘルキャットV型8気筒エンジンをも凌駕する極限的なパワーに対応できるポテンシャルを備えている。

航続距離とコストのバランスの重要性を考慮し、このプラットフォームには当初、容量85~118kWhのバッテリーパックの選択肢が用意される。

STLA Largeは、セダンの航続距離を800kmとすることを目標としており、また将来的にさらに高度なエネルギー貯蔵技術が生産可能な状態になったときにそれらを容易に受け入れられるように設計されている。

なお、初期世代の駆動コンポーネントは、0-100km/h加速を2秒台で実現するポテンシャルを備えており、800Vのバッテリーパックは、毎分最大4.5kWhの効率で急速充電を行うことができる。

STLA Largeは、主要な車両性能を損なうことなく、ハイブリッドおよび内燃機関システムにも対応している。この柔軟性は、電気駆動への移行と、強固で広く利用可能な充電ネットワークの整備が完了するまでの段階において、世界中のユーザーに橋渡しをするもの。

設計の柔軟性はエンジン搭載レイアウトも反映されており、横置きと縦置きの両方に対応し、FF、FR、AWDのドライブトレインをサポートしている。

ステランティスの4つのグローバルBEVプラットフォーム(Small、Medium、Large、Frame)は、バッテリーセル化学物質、EDM、パワーインバーター、ソフトウェア制御の互換性を確保することで、ライフサイクルを延長できるように設計・開発されている。

STLA Largeプラットフォームは、STLA Brain、STLA SmartCockpit、STLA AutoDriveといったステランティスの次世代の電気およびソフトウェア定義車両技術をサポートしている。

ステランティスは、2030年までに欧州で乗用車のBEV販売比率を100%に、米国で乗用車と小型トラックのBEV販売比率を50%にするという目標を達成するために、電動化に今後10年間で500億ユーロ以上を投資。

これらの販売目標を達成するため、同社は北米と欧州の6つの電池製造工場からの支援を含め、年産約400GWhの電池製造容量を確保することを目指している。

ステランティスは、2024年までに市場で販売するBEVを48車種にまで増やす計画で、2038年までに、すべてのスコープを含めて、カーボンネットゼロ企業になることを目指すとしている。

■Stellantis CEO カルロス・タバレス氏のコメント

「STLAプラットフォームにより目指している私たちの目標は野心的なものですが、これは今、私たちのお客様が求めているものなのです。

考え抜かれた設計のコンポーネント群により、さまざまな車両タイプや駆動システムに対応できる柔軟性を備え、現在のどの製品よりも性能の優れた車両ファミリーを作り上げることで、当社のアイコニックな各ブランドのお客様に対応することができます。このプラットフォームの特徴である柔軟性と俊敏性は、北米における電動化への移行を成功に導く原動力となるでしょう」

【STLA Largeの主要サイズ】
・全長:4,764~5,126mm
・全幅:1,897~2,030mm
・ホイールベース:2,870~3,075mm
・最低地上高:140~288mm
・最大タイヤ直径:858mm

関連情報:https://www.stellantis.jp/

構成/土屋嘉久

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