現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【日産 新型セレナ プロトタイプ試乗記】新たなe-POWERと新グレードでクラスNo.1奪還なるか

ここから本文です

【日産 新型セレナ プロトタイプ試乗記】新たなe-POWERと新グレードでクラスNo.1奪還なるか

掲載 3
【日産 新型セレナ プロトタイプ試乗記】新たなe-POWERと新グレードでクラスNo.1奪還なるか

6代目となる日産・セレナがフルモデルチェンジを行い、発売前に先立ってプロトタイプに試乗してきたのでお伝えしよう。

プロトタイプとはいえ、ナンバーの登録ができていないというだけの市販型である。試乗は日産のテストコースで行った。

シビック タイプRが量産ラインで作られるヒミツ ~ホンダ寄居工場にて~

新型セレナ「e-POWER ハイウェイスター V」コンセプトは「家族との遠出を最大限楽しむ」を掲げ、ミニバンに要求される広い室内空間、多人数乗車、シートの大きさや快適性、乗降性、そしてデザインなどが見直されている。それらに対し、セレナが持つ特徴であるBIG、EASY、FUNという表現でそれぞれの領域を見直したわけだ。

ボディカラーはプリズムホワイト / スーパーブラック 2トーンBIGではe-POWERで初めて8人乗りを設定した。これはマルチセンターコンソールを改良し2列目に3人乗車できるようにし、2+3+3というレイアウトを採用。EASYではプロパイロットパーキングにメモリー機能を追加し、白線のない駐車スペースでもメモリーすることで自動駐車が可能になった。

さらに、シフトノブを廃止しボタン式に変更。これによりマルチセンターコンソール仕様車では前列から2列目へのウォークスルーが容易になるなど、広い空間につなげている。またキーをもっていれば接近してドアロックの自動解除、離れるとロックが可能なちょっとしたおもてなしがある。そして運転席、助手席からの降車時に足元にあったサイドステップがデザイン処理され、邪魔にならない工夫もあり、乗降しやすくなっている。

もっとも、その乗降性を良くする目的以外に、外観デザインの魅力としてタイヤが内側に入っているように見えないデザインとしたことで、そうした乗降性の良さにもつながったということだ。

そしてFUNでは、会話明瞭度を上げ静かな車内とすることでの快適性を上げ、移動が楽しくできるようにさまざまな改良が加えられている。例えば、遮音ガラスはフロントスクリーン以外の左右のフロントウインドウに採用し、ダッシュインシュレーターも高遮音材として投入。フロアの吸音材面積、厚みをアップ、さらにリヤオーバーハング部には遮音材を追加するなどの改良が加えられている。

ラインアップはガソリンモデルとe-POWERの2タイプのパワートレインがあり、グレードはX、XVが5ナンバーサイズでハイウェイスターV、ルキシオンが3ナンバーだ。このルキシオン(LUXION)は今回初めてグレード設定された最上級モデルで、e-POWERの2WD 7人乗りだけになっている。

ガソリンモデルは2WD、4WDが選択でき8人乗り。e-POWERはすべてのグレードに設定され、2WDのみ。またルキシオン以外は8人乗りになっている。

新型セレナ「ルキシオン」ボディカラーはカーディナルレッドテストコースでの乗り味は?

さて、e-POWERのハイウェイスターVに試乗してみると、EV走行なので静かで滑らか。ステアリングも軽めに設定され、動かすことのイージーさを感じながらコースイン。直線路に設けられた荒れた路面ではフロアパネルやペダルに微小な振動がわずかに伝わってくる。

アクセルを踏み込んでいくとエンジンが作動するが、走行音が大きくなることでエンジンの作動音自体はそれほど聞こえてこない。中間加速を試すとモーター走行ならではのレスポンスの良さを感じ、高速の合流などでまごつくことはない。

フロントマスクは縦積みのライトと共に新たなVモーションが表現されているハンドルを切りコーナリングしていくと緩やかなロールをするものの、大きなロール感はなく乗り心地の領域として感じられるレベルだ。その乗り心地だがテストコースというこもとあり、限られたシチュエーションであるため、公道試乗の機会にお伝えしたいと思う。

Wレーンチェンジを試すとリヤの追従に遅れを感じるが、これは乗り物酔いをしにくくするためのセッティングだそうで、全体にゆるやかに、そしておだやかにボディが動く印象だった。

ガソリンモデルでは実績のあるMR20DD型にCVTという組み合わせで制御変更を行なって継続搭載されている。こちらはe-POWERと比較してしまうとレスポンスのゆったり感が気になってしまうが、そこはモーターとICEのレスポンスの違いが影響している。

ただ、アクセルを大きく踏み込んだときもワンテンポ遅れてからの加速で、CVT独特のラバーバンドフィールが顔を出すことはお伝えしておく。

さて、車両の詳細をお伝えしよう。全長は4765mm、全幅1715mm、全高1870mm(LUXION:1885mm)、ホイールベース2870mmでプラットフォームは先代からのスライド採用で部分的な改良対応としている。装着タイヤは全て16インチサイズで205/65-16となっている。最小回転半径は5.7mだ。

ハイウェイスター、ルキシオン専用デザインの16インチアルミホールエンジンはガソリンモデルが2.0Lの自然吸気エンジンのMR20DD型。110kW(150ps)/6000rpm、200Nm/4400rpmにCVTが組み合わされている。e-POWERモデルのエンジンは日産初の発電専用エンジンを新規開発し搭載している。排気量は1.4LでHR14DDe型で72kW(98ps)/5600rpm、123Nm/5600rpm。フロントタイヤを駆動するモーターはEM57型で120kW(163ps)/315Nmとなっている。

もちろんe-POWERは全速度域をEV走行するシリーズ式ハイブリッドで、先代セレナのe-POWERより出力を20%アップしている。

セレナをとりまくマーケット状況をみると、Mクラスミニバンの中で2012年にはライバルに圧倒的な差をつける販売台数を誇り、MサイズミニバンNO.1を2008年~2013年にかけてトップを快走していた。2021年では29%台となったが、2022年にライバルのトヨタ・ノア/ボクシーとホンダ・ステップワゴンもフルモデルチェンジを行ない、ライバル3車が出揃った状況だ。

先代同様に新型セレナも「オーテック」が設定されているまたセレナは日産の中での販売構成比は平均15%で2021年はノート、デイズ、ルークスにつぐ4番目の販売台数だった。さらにブランド人気という点でもGT-R、フェアレディZ、スカイラインにつぐ4番人気であり、セレナの背負う背景と重責があることがわかる。

さて、ユーティリティや詳細な改良点については公道試乗をした時にお伝えしたい。

価格

諸元表

The post 【日産 新型セレナ プロトタイプ試乗記】新たなe-POWERと新グレードでクラスNo.1奪還なるか first appeared on オートプルーブ - Auto Prove.

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース

みんなのコメント

3件
  • クラスナンバーワンのプラットフォームの古さ
    座席削って、広さアピールされてもねぇ
    子育て世代に40cmの段差が売れ入れられるのか?
  • 発表後の今が一番ピークな車のような気がします。
    あまり良くない意味で…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

271.9503.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0488.8万円

中古車を検索
セレナの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

271.9503.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0488.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村