現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【バブル期の憧れを今】BMW 3シリーズ(E30) 英国版中古車ガイド 悩みはボディのサビ

ここから本文です

【バブル期の憧れを今】BMW 3シリーズ(E30) 英国版中古車ガイド 悩みはボディのサビ

掲載 更新 5
【バブル期の憧れを今】BMW 3シリーズ(E30) 英国版中古車ガイド 悩みはボディのサビ

ベストタイミングに登場したE30

text:John Evans(ジョン・エバンス)

【画像】BMW 3シリーズ E30型とG20型 M3とC2も 全81枚

translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)


BMW E30型3シリーズの登場は、タイミングが良かった。英国ではダイアナ妃のご成婚で雰囲気が良くなり、住宅価格や株価の上昇に伴い一部の層では賃金が上昇。豊かな空気感が生まれていた1982年に発売された。

上品で運転しやすいE30型の3シリーズは、その空気感を完璧にとらえた。日本でもバブル景気に乗り、強い人気を獲得している。

2ドアクーペと4ドアサルーン、コンバーチブル、ステーションワゴンとボディは多彩で、エンジンも4気筒と6気筒が選べた。装備も充実しており、資金のあるドライバーが選ぶモデルとして、3シリーズの基礎を築いたといっていい。

それから40年。当時の人気を知る世代を中心に、E30型の注目度が再び高まっている。状態の良いE30型には、英国では新車並みの価格が付いていることも。モノによっては、新車時以上の値段で取引される例もある。

E30型のM3は、そんな1台。英国価格は4万ポンド(600万円)から19万ポンド(2850万円)くらいになるようだ。でも今回はM3を除く、通常の3シリーズを対象としたい。

うれしいことに、普通のE30型3シリーズなら5000ポンド(75万円)くらいから英国では見つかる。走行距離の短い1989年式325iツーリングの場合でも、1万2000ポンド(180万円)程度だ。

リスクを犯せば、2500ポンド(38万円)くらいから買える。だがボディのサビや傷んだインテリア、電気系統の不具合などは覚悟した方が良いだろう。整備記録も完璧とは呼べないはず。

すべてを台無しにするボディのサビ

運が良ければ、掘り出し物も見つからなくはない。多少の不具合はあったとしても、基本的には非常に堅牢にできている。

E30型は、先代に当たる1975年から1982年までのE21型を大改良したもの。後輪駆動でハンドリングを磨き、安定性を高め、パッケージングも良くなった。優れた技術が投入され、滑らかな走りで上質さを高めている。

英国で新車当時選べたエンジンは、直列4気筒の1.6Lと1.8Lのキャブレターかインジェクション、直列6気筒の2.0Lか2.3L、2.5Lのインジェクションだった。最高出力は当時としては悪くなかったが、現代では特に気を引く数字ではない。

316と318は、活気が足りない。325iSに乗っていた170psの2.5L直6が最もパワフルだったが、318iSの2ドアに載っていた135psの4気筒ユニットも、当時のラインナップでは近代的なエンジンで悪くないだろう。

安価で流通量が多いのは、多少の整備が必要な318iか320iのサルーン。ATのほかMTも出てくる。仮にMTを見つけても、走行距離より車両状態を優先したい。特にボディの深刻なサビは、すべてを台無しにしてしまう。

ボディはよく錆びる。1987年のマイナーチェンジで、保護性能を高めてあるけれど。

初期がバウアー社製で、後期がBMW社製となったコンバーチブルも魅力的。状態が良ければ価格も高い。心が動いても、しっかり良く見て、頭で考えてから行動したい。

不具合を起こしやすいポイント

ボディ

サイドシルやホイールアーチ、フロントガラス下部、前後バンパーの付け根周り、ナンバープレート灯付近などは錆びやすい。荷室のバッテリートレイも錆びるポイント。

車両下部にあるリフティングパッドが、ジャッキポイントとして使用されていないかどうか確かめたい。バッドが割れてしまう。

インテリア

集中ドアロックやパワーウインドウ、警告灯やエアコンなど、どれか1つは動かないことが通例。ダッシュボードのヒビ割れやシートの破れ、フロアに溜まった水分がないか観察する。サンルーフが付いている場合は動作を確かめる。安くは修理できない。

エンジン

比較的短い期間でエンジンオイルとフィルターの交換が必要。エンジン上部のオイルスプレーが目詰まりすることがあり、バルブ系統のノイズには気をつけたい。

6気筒エンジンの場合、タイミングベルト交換は5万8000kmごとが推奨。ヘッドのヒビ割れや冷却水の漏れにも注意。

4気筒の場合はタイミングチェーンで、メンテナンスは16万kmごと。隔壁部分にあるアルミニウム製のヒートシールド付近から水が侵入し、シャシー下回りが錆びることがあるようだ。

トランスミッション

MTは堅牢。変速時の引っかかりには気をつけたい。ATも壊れにくいが、トランスファーケース付近からのフルード漏れがないか確認する。走行距離の長いクルマでも、ATフルードの交換はしておいた方が良いだろう。

サスペンションとブレーキ

ブレーキ系統やサスペンションブッシュ、アンチロールバーのリンクなどは、交換前提としておきたい。サスペンションのストラットカップはドレインホールが詰まり、サビを招くことがある。

専門家の意見を聞いてみる

マーティン・スキート シルソー・クラシック&モダン社代表

「E30型が発売された時のことは、今でも忘れません。当時のほかのモデルと比べて、見た目はシャープでスマートで、洗練されていました。M3は、今でも実力を侮れません」

「最近、弊社に来るBMWの問い合わせの半分近くは、E30型の時代のモデルについて。多くは深刻なサビの問題を抱えています。注意しなければならないポイントの1つです」

「ひどく錆びているクルマは、避けた方が良いでしょう。メカニズムは修理できますが、ボディのサビを治すのは、安くは済みませんからね」

英国ではいくら払うべき?

2250ポンド(33万円)~3499ポンド(52万円)

走行距離が長めの316や318が見つかる。ボディのサビやインテリアの痛みは避けられないが、中には掘り出し物も。

3500ポンド(53万円)~5499ポンド(82万円)

少し状態は良くなる。ボディのサビや、おろそかな整備内容などは覚悟しておきたい。

5500ポンド(83万円)~6999ポンド(105万円)

コンバーチブルが英国では出てくるが、プラスの出費は覚悟したい。

7000ポンド(106万円)~8999ポンド(134万円)

ほぼサビのない、インテリアの状態もいいE30が英国では出てくる。走行距離も16万kmより短いことがほとんど。

9000ポンド(135万円)以上

ベストに近い状態のE30型3シリーズ。価格なりの価値はある。

知っておくべきこと

英国の場合、後輪駆動としてテールを振り回すような乗り方をされた過去が珍しくない。リアまわりの板金塗装だけでなく、構造部分の修正が施されている場合もある。

適正に修理されていれば過度に恐れる必要はないが、修復歴の有無や損傷の具合は確かめておきたい。

英国で掘り出し物を発見

BMW 318i(E30型) 登録:1990年 走行:31万3800km 価格:2500ポンド(38万円)

当時のBMWだから、走行距離はあまり気にしなくても大丈夫。きれいなインテリアや滑らかなAT、新しいサスペンション周りとエンジンオイル、排気系統などこのクルマの内容は悪くない。

ホイールアーチとフロント下部にサビが少しある様子。車検も付いているという。

こんな記事も読まれています

トヨタ新型「カローラ」いつ登場!? 新パワートレイン搭載で「めちゃ燃費アップ」も? デビュー6年目の「超人気セダン&ワゴン」次期型どうなるのか
トヨタ新型「カローラ」いつ登場!? 新パワートレイン搭載で「めちゃ燃費アップ」も? デビュー6年目の「超人気セダン&ワゴン」次期型どうなるのか
くるまのニュース
進む高速料金所ETC専用化 NEXCO西日本と本四高速が車載器購入助成 7月22日から
進む高速料金所ETC専用化 NEXCO西日本と本四高速が車載器購入助成 7月22日から
バイクのニュース
BMW新型「X3」世界初公開!  第4世代に進化した世界で人気の“ミドルSUV”はどう変わった?
BMW新型「X3」世界初公開! 第4世代に進化した世界で人気の“ミドルSUV”はどう変わった?
VAGUE
40系『ヴェルファイア』をスポーティに演出! ブリッツのエアロキットに3アイテムが新登場
40系『ヴェルファイア』をスポーティに演出! ブリッツのエアロキットに3アイテムが新登場
レスポンス
真夏の旧車ライフは「電動クーラー」で問題解決!「510ブル」「縦目ベンツ」「ビートル」の装着例を紹介します
真夏の旧車ライフは「電動クーラー」で問題解決!「510ブル」「縦目ベンツ」「ビートル」の装着例を紹介します
Auto Messe Web
2.6Lエンジンでパワーもトルクもアップ。ブリスターフェンダーには50/55偏平タイヤを装着。【GTmemories12 A183Aスタリオン ダイジェスト(3)】
2.6Lエンジンでパワーもトルクもアップ。ブリスターフェンダーには50/55偏平タイヤを装着。【GTmemories12 A183Aスタリオン ダイジェスト(3)】
Webモーターマガジン
全長13mで8人乗り! ホンダ「最上級マシン」に乗れる! 憧れの「ホンダジェット」で自由に移動できる「斬新サービス」が開始!
全長13mで8人乗り! ホンダ「最上級マシン」に乗れる! 憧れの「ホンダジェット」で自由に移動できる「斬新サービス」が開始!
くるまのニュース
レクサス充電ステーション、全BEVユーザーに開放…利用前日から最大2時間の事前予約が可能
レクサス充電ステーション、全BEVユーザーに開放…利用前日から最大2時間の事前予約が可能
レスポンス
N-VAN e:って「モバイルバッテリーパック採用」じゃないのか……って残念がる声! 現実を考えればいまのN-VAN e:が正解だった
N-VAN e:って「モバイルバッテリーパック採用」じゃないのか……って残念がる声! 現実を考えればいまのN-VAN e:が正解だった
WEB CARTOP
日本と英国とのつながりを独自に表現した2モデルのレンジローバーSVの特別限定モデルがデビュー
日本と英国とのつながりを独自に表現した2モデルのレンジローバーSVの特別限定モデルがデビュー
カー・アンド・ドライバー
悪路なんて走らないしアウトドア趣味もない! それでも人気のSUVでしか得られないメリットを探したらけっこうあった!!
悪路なんて走らないしアウトドア趣味もない! それでも人気のSUVでしか得られないメリットを探したらけっこうあった!!
WEB CARTOP
前席のみの三菱新型「2人乗り軽バン」アンダー150万円で買える“新仕様”登場! 新型「ミニキャブEV」発売
前席のみの三菱新型「2人乗り軽バン」アンダー150万円で買える“新仕様”登場! 新型「ミニキャブEV」発売
くるまのニュース
ポルシェ911買うなら必見!人気の年式やおすすめグレードまで【人気のクルマ中古購入ガイド】
ポルシェ911買うなら必見!人気の年式やおすすめグレードまで【人気のクルマ中古購入ガイド】
グーネット
Bigなキャンペーン、Bigなキット!amtの大いなる賭け、レベルの帰還、そして…【アメリカンカープラモ・クロニクル】第29回
Bigなキャンペーン、Bigなキット!amtの大いなる賭け、レベルの帰還、そして…【アメリカンカープラモ・クロニクル】第29回
LE VOLANT CARSMEET WEB
自動車メーカーの「認証不正」でも話題となった「JNCAP」って何? 実は「国の基準」と違う? 認証とJNCAPでズレも… 今後の課題とは
自動車メーカーの「認証不正」でも話題となった「JNCAP」って何? 実は「国の基準」と違う? 認証とJNCAPでズレも… 今後の課題とは
くるまのニュース
ボルボ『XC90』改良新型を発表…「Ultimate」が「Ultra」に
ボルボ『XC90』改良新型を発表…「Ultimate」が「Ultra」に
レスポンス
【比較試乗】ラグジュアリーでありながらハイパフォーマンス。頂点を極めたフラッグシップSUVの世界「BMW XMレーベル vs ポルシェ・カイエン Eハイブリッド vs メルセデス・マイバッハGLS600 4マチック vs レンジローバーSV」
【比較試乗】ラグジュアリーでありながらハイパフォーマンス。頂点を極めたフラッグシップSUVの世界「BMW XMレーベル vs ポルシェ・カイエン Eハイブリッド vs メルセデス・マイバッハGLS600 4マチック vs レンジローバーSV」
LE VOLANT CARSMEET WEB
今週、話題になったクルマのニュース6選(2024.6.22)
今週、話題になったクルマのニュース6選(2024.6.22)
@DIME

みんなのコメント

5件
  • 個人的にはフロントマスクはこの頃のBMWが1番カッコイイと思います。今のBMWのキドニーはブタ鼻にしか見えない(笑)街中でも殆ど観られなくなりましたがやっぱりBMWと言えば30だと思うのは私だけかな?(苦笑)
  • 除外された30M3に乗っています。
    最近のクルマが失った味わいを楽しめます。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

568.01074.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

13.0818.0万円

中古車を検索
3シリーズ セダンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

568.01074.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

13.0818.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村