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中古車でも高値!S13シルビアがFRなのは走りのためではなくて?

■中古車市場では「走りが楽しい」で大人気

1988年5月に発表され1993年まで販売されていた5代目のシルビアは、同車の歴史のなかでもっとも成功したモデルといっていいだろう。その型式から「S13(エスイチサン)」と呼ばれ、生産終了から四半世紀を迎える今なお中古車市場では驚くほどの高値で取引されている。もはやその存在は“レジェンド”だ。

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中古車市場における同社の人気の理由は「走りを楽しめる後輪駆動だから」ということに尽きる。しかしながら、S13シルビアはそういった層をターゲットに開発されたわけではない。そもそも「後輪駆動」という駆動方式も狙ってそうしたのではなく、実は“結果としてそうなった”だけに過ぎなかったのだ。

■S13シルビアとはどんなクルマだったのか?

S13シルビアは、当時流行していた小型クーペである。ボディサイズは5ナンバーで、エンジンは直列4気筒の自然吸気とターボ。1991年のマイナーチェンジを迎えるまでは排気量1.8LのCA型エンジンを搭載し、自然吸気のCA18DE型は135ps、ターボのCA18DETは175psだった。マイナーチェンジ後は新開発のSR型エンジンとなり、排気量は200ccアップの2.0L。自然吸気のSR20DEは140ps、ターボが付くSR20DETは205psと特にターボエンジンでは前期モデルに対して大幅なパワーアップを実現している。

いずれもトランスミッションは4速ATと5速MTが設定されたが、中古車で高い人気を誇ってきたのはターボエンジン+MTモデルだ(昨今はS13であればATや自然吸気でも高値という状況だが)。理由は言うまでもなく、ドリフトをはじめとするスポーティな走りを味わうためである。

■デートカーだからFFでもよかった

しかし、そんな中古車人気の理由からすれば意外でしかないのだが、そもそもS13は運転を楽しむために開発されたクルマではなかった。最初からスポーツカーなど目指していないのである。そのため商品企画当初は「前輪駆動」も検討されたと聞けば、驚く人も多いのではないだろうか。

ではどんなクルマを目指した商品コンセプトだったかというと「デートカー」である。「スペシャリティカー」とも呼ばれ、若者が乗るクルマとしてクーペが販売ランキングの上位となるほどの人気。一世を風靡していたのだ。

ライバルはホンダ プレリュードやトヨタ セリカ。特にプレリュードは高い人気を誇り、S13シルビアはそんなプレリュードをベンチマークに開発された。プレリュードの駆動方式は前輪駆動だから、S13シルビアも駆動方式は「前輪駆動でもいい」と考えられていたのである。当時の乗用車の主流は前輪駆動になりつつあったので当然の成り行きかもしれない。

■FFではボンネットを低くできませぇん!

しかしながら、開発初期においてS13シルビアを後輪駆動へと導くひとつの目的があった。それは走りではなく、ボンネットの低さだ。当時のスペシャリティカーは「ボンネットが低ければ低いほどカッコイイ」という風潮があり、1987年にデビューした3代目プレリュードは「ボンネットはフェラーリより低い」とアピールしていたほどである。

S13シルビアもその流行を受け、ボンネットの高さを抑えることにはこだわった。そこで下された判断が「後輪駆動とする」だったのだ。その理由は、当時の日産の技術では「前輪駆動よりも後輪駆動のほうがボンネットの高さを抑えられた」からである。

■FRだったから、後に評価された

しかし、その決断が後にシルビアの運命を変えることになるとは開発チームのだれも想像していなかった。

発売当初は美しいデザインとして市場から高く評価され、目標としていたプレリュードを超える販売台数となる大ヒット。しばらくすると後輪駆動ならではの走りの味わいに運転好き(というかドリフト好き)の注目があつまり、ドリフトのベース車両として大ブレークして今に至るのだ。

ボンネットを低くするための判断が結果としてライバルとの決定的な違いとなり、クルマの運命を変えていった。後に当時の商品企画者にインタビューしたとき彼は「デートカーとして商品企画を練ったので、まさか後にスポーツカーとしてここまでの人気となるとは想像もしていなかった」と語っている。S13シルビアが後輪駆動となった背景には、そんなストーリーがあるのだ。

■その後、どう評価されるかわからないからおもしろい

余談だが、デザインに徹底的にこだわったS13シルビアはフェンダーに“フレア”と呼ばれるホイールアーチ周囲の張り出しがない。それは今では当然の処理だが、日産車としては初めてだった。デザイン担当者は大きな前進として自信満々だったが、デビュー前の日産社内では「そんなのカッコ悪い」「クルマらしくない」とネガティブな意見ばかり聞こえたという。

〈文=工藤貴宏〉

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