この記事をまとめると
■いまのクルマは安全装備や快適装備が満載だ
誰と話してんのかと思ったらクルマかよ! クルマ好き同士ですらなかなか理解されない謎のこだわり6選
■現代のクルマを持つ人からしたらクラシックカー好きの思考は理解できないという声も多い
■クラシックカーでしか味わえない魅力を解説する
クラシックカーの魅力はどこにあるのか
人それぞれ、その日次第で体調が変わるように、クルマだって昨日までは何でもなかったのに突然調子が悪くなったりしても何ら不思議ではありません。それが古いクルマであればなおさら……。
快適装備が満載の現代のクルマを好む人たちからすれば理解不能、とても真似できない(したくない)と思っているはず。
手がかかる。不便だからこそ愛おしい?
興味がない人からすれば「どうしてわざわざ?」と思わず問いただしたくなる、一部のクルマ好きが古くて壊れるクルマを愛する理由をまとめてみました。もし、共感できる点があるとすれば、古いクルマに乗ったらシアワセなカーライフが送れるかも!?
●ワイヤースロットル
現代のクルマは電子スロットルがあたりまえの時代。アクセルペダルを踏み込んだ量に対してコンピューターが「これくらい加速すれば(燃料を送り込めば)いいんでしょ?」と、判断・調整してくれます。その反面、ワイヤースロットル式は、読んで字のとおり、ドライバーがアクセルペダルを踏み込み、直結されているワイヤーが加速の度合いを調整するアナログタイプ。
電子スロットルだと、アクセルペダルを踏み込んだときの手応えはあくまでも擬似的なもの。ワイヤースロットル式の場合、ワイヤーの手応えを感じながら加速する量を調整するのが堪えられないわけです。
●キャブレター
燃料を噴射し、混合気を作る頭脳ともいえる燃料噴射システム。現代のクルマであればいうまでもなくインジェクションが主流。というより、キャブレター方式を採用しているクルマ自体、まず聞かなくなりました。そういえば1980年代あたりはトヨタでいうEFI、日産やマツダ、スバルはEGI、ホンダのPGM-FIなど、車体に電子制御式燃料噴射システムであることをアピールしている時代もありましたね。
コンピュータが燃料の噴射量を自動的に調整してくれるインジェクションに対して、キャブレターは吸気によって発生する負圧を利用して燃料を噴射する機械式。そのため、季節や高度によって調整する必要があります。
この手間や絶妙な「キャブセッティング」を探ることがキャブレターの醍醐味であり、何モノにも代えがたい「味」でもあります。また、キャブレター車特有の吸気音に萌えるマニアも少なくありません。
●電子制御レス
いまやクルマのあらゆる制御は電子式、つまりコンピュータが行っています。モデルによってはメーター類の表示が液晶パネルになっていることも。Apple Watchに代表されるスマートウォッチのように、スピードメーターやタコメーターなどが擬似的に表示されるようになりました。そのほか、トラクションコントロールシステムやABS、自動追尾システムなど、クルマにコンピュータが搭載されていなければ成立しない機能ばかり。今後普及していくであろう自動運転はその最たる例かもしれません。
そういったコンピュータによるあらゆる制御を拒み、ドライバー自らの意思と責任をもってクルマを操る。それこそが一部のクルマ好きにとって代えがたい魅力といえるのです。
しかし、現代のクルマがあまりにも高性能になってしまったこと、コンピュータなしにはいまや走ることすらできないほど、高度化・複雑化しています。
クルマとの距離が近いのもクラシックカーの魅力
●チョークレバー
キャブレターやメカニカルインジェクションポンプ(通称メカポン)仕様のクルマは、冷えた状態のエンジンを始動した際に回転数を高く設定しないとストールしてしまうことがあります。そこでチョークレバーを引くことで混合気の度合いを調整し、エンジンの回転を安定させます。やがてエンジンが暖まってくるにつれてチョークレバーを手動で元の状態に戻していきます。
そのときどきによってベストな状態が異なる、まさに感覚に頼り切った調整が求められる世界。愛車のオーナーとその主治医だけに許された特権であり、大事な儀式といえます。
●エアコン(クーラー)レス
いまや標準装備があたりまえとなったエアコン。しかしかつてはクーラーがオプション設定されるほどの贅沢な装備でした。いまの基準ではエアコン(クーラー)レスですが、もともとはあと付けが大前提だったわけです。
たとえ古いクルマであっても、エアコン(クーラー)が利いたほうが、車内が快適であることは確か。しかし、車重だけでなく、故障要因も確実に増えます。また、乗車している人間はエアコンが利いて快適であるいっぽうで、クルマには負荷がかかっています。古いクルマに対して、猛暑日の渋滞のなかでエアコン全開なんて酷な話なのです。
クルマだって暑い、というか辛い。それならば、運転するドライバーもその暑さに耐える。その一体感がむしろ心地良いと感じたら、もはやヘンタイの領域かも!?
●まとめ:メーカーやお国柄などの個性が強いことも魅力
かっちりとした質感と手応え。工業製品であることを実感できるドイツ車、機械というより、どこか血が通った生き物のような気配を感じさせるイタリア車、派手さはないけれど、ある種の気高さを感じさせるイギリス車、どことなく牧歌的な肌触りの良さを感じるフランス車。そして、否が応でも昭和という時代を思い起こさせてくれる日本車。古いクルマであればあるほど、お国柄やメーカーなどの個性・味が色濃く出ているように感じます。
それはまさに電子制御や空力、時代の要請による安全装備など……。あらゆる添加物が混入していない、天然素材だからこそ味わえる世界ともいえそうです。ただ、純度の高さの代償として、安全性や環境面への配慮が現代の基準に達していないことも事実です。そのあたりを踏まえつつ、現代のクルマとは異なる接し方、扱い方を意識する必要がありそうです。
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ならないな。