現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 不便です! 壊れます! お金もかかります! それでも「旧いクルマ」の虜になる理由

ここから本文です

不便です! 壊れます! お金もかかります! それでも「旧いクルマ」の虜になる理由

掲載 44
不便です! 壊れます! お金もかかります! それでも「旧いクルマ」の虜になる理由

 この記事をまとめると

■いまのクルマは安全装備や快適装備が満載だ

誰と話してんのかと思ったらクルマかよ! クルマ好き同士ですらなかなか理解されない謎のこだわり6選

■現代のクルマを持つ人からしたらクラシックカー好きの思考は理解できないという声も多い

■クラシックカーでしか味わえない魅力を解説する

 クラシックカーの魅力はどこにあるのか

 人それぞれ、その日次第で体調が変わるように、クルマだって昨日までは何でもなかったのに突然調子が悪くなったりしても何ら不思議ではありません。それが古いクルマであればなおさら……。

 快適装備が満載の現代のクルマを好む人たちからすれば理解不能、とても真似できない(したくない)と思っているはず。

 手がかかる。不便だからこそ愛おしい?

 興味がない人からすれば「どうしてわざわざ?」と思わず問いただしたくなる、一部のクルマ好きが古くて壊れるクルマを愛する理由をまとめてみました。もし、共感できる点があるとすれば、古いクルマに乗ったらシアワセなカーライフが送れるかも!?

●ワイヤースロットル

 現代のクルマは電子スロットルがあたりまえの時代。アクセルペダルを踏み込んだ量に対してコンピューターが「これくらい加速すれば(燃料を送り込めば)いいんでしょ?」と、判断・調整してくれます。その反面、ワイヤースロットル式は、読んで字のとおり、ドライバーがアクセルペダルを踏み込み、直結されているワイヤーが加速の度合いを調整するアナログタイプ。

 電子スロットルだと、アクセルペダルを踏み込んだときの手応えはあくまでも擬似的なもの。ワイヤースロットル式の場合、ワイヤーの手応えを感じながら加速する量を調整するのが堪えられないわけです。

●キャブレター

 燃料を噴射し、混合気を作る頭脳ともいえる燃料噴射システム。現代のクルマであればいうまでもなくインジェクションが主流。というより、キャブレター方式を採用しているクルマ自体、まず聞かなくなりました。そういえば1980年代あたりはトヨタでいうEFI、日産やマツダ、スバルはEGI、ホンダのPGM-FIなど、車体に電子制御式燃料噴射システムであることをアピールしている時代もありましたね。

 コンピュータが燃料の噴射量を自動的に調整してくれるインジェクションに対して、キャブレターは吸気によって発生する負圧を利用して燃料を噴射する機械式。そのため、季節や高度によって調整する必要があります。

 この手間や絶妙な「キャブセッティング」を探ることがキャブレターの醍醐味であり、何モノにも代えがたい「味」でもあります。また、キャブレター車特有の吸気音に萌えるマニアも少なくありません。

●電子制御レス

 いまやクルマのあらゆる制御は電子式、つまりコンピュータが行っています。モデルによってはメーター類の表示が液晶パネルになっていることも。Apple Watchに代表されるスマートウォッチのように、スピードメーターやタコメーターなどが擬似的に表示されるようになりました。そのほか、トラクションコントロールシステムやABS、自動追尾システムなど、クルマにコンピュータが搭載されていなければ成立しない機能ばかり。今後普及していくであろう自動運転はその最たる例かもしれません。

 そういったコンピュータによるあらゆる制御を拒み、ドライバー自らの意思と責任をもってクルマを操る。それこそが一部のクルマ好きにとって代えがたい魅力といえるのです。

 しかし、現代のクルマがあまりにも高性能になってしまったこと、コンピュータなしにはいまや走ることすらできないほど、高度化・複雑化しています。

 クルマとの距離が近いのもクラシックカーの魅力

●チョークレバー

 キャブレターやメカニカルインジェクションポンプ(通称メカポン)仕様のクルマは、冷えた状態のエンジンを始動した際に回転数を高く設定しないとストールしてしまうことがあります。そこでチョークレバーを引くことで混合気の度合いを調整し、エンジンの回転を安定させます。やがてエンジンが暖まってくるにつれてチョークレバーを手動で元の状態に戻していきます。

 そのときどきによってベストな状態が異なる、まさに感覚に頼り切った調整が求められる世界。愛車のオーナーとその主治医だけに許された特権であり、大事な儀式といえます。

●エアコン(クーラー)レス

 いまや標準装備があたりまえとなったエアコン。しかしかつてはクーラーがオプション設定されるほどの贅沢な装備でした。いまの基準ではエアコン(クーラー)レスですが、もともとはあと付けが大前提だったわけです。

 たとえ古いクルマであっても、エアコン(クーラー)が利いたほうが、車内が快適であることは確か。しかし、車重だけでなく、故障要因も確実に増えます。また、乗車している人間はエアコンが利いて快適であるいっぽうで、クルマには負荷がかかっています。古いクルマに対して、猛暑日の渋滞のなかでエアコン全開なんて酷な話なのです。

 クルマだって暑い、というか辛い。それならば、運転するドライバーもその暑さに耐える。その一体感がむしろ心地良いと感じたら、もはやヘンタイの領域かも!?

●まとめ:メーカーやお国柄などの個性が強いことも魅力

 かっちりとした質感と手応え。工業製品であることを実感できるドイツ車、機械というより、どこか血が通った生き物のような気配を感じさせるイタリア車、派手さはないけれど、ある種の気高さを感じさせるイギリス車、どことなく牧歌的な肌触りの良さを感じるフランス車。そして、否が応でも昭和という時代を思い起こさせてくれる日本車。古いクルマであればあるほど、お国柄やメーカーなどの個性・味が色濃く出ているように感じます。

 それはまさに電子制御や空力、時代の要請による安全装備など……。あらゆる添加物が混入していない、天然素材だからこそ味わえる世界ともいえそうです。ただ、純度の高さの代償として、安全性や環境面への配慮が現代の基準に達していないことも事実です。そのあたりを踏まえつつ、現代のクルマとは異なる接し方、扱い方を意識する必要がありそうです。

こんな記事も読まれています

KTMのスーパースポーツ最大排気量モデル 「990 RC R」市販予定車公開
KTMのスーパースポーツ最大排気量モデル 「990 RC R」市販予定車公開
バイクのニュース
日産「新型エルグランド」いつ登場!? 唯一無二の「ターボエンジン」も搭載か? 王道の「キング・オブ・ミニバン」“全面刷新”に期待高まる!
日産「新型エルグランド」いつ登場!? 唯一無二の「ターボエンジン」も搭載か? 王道の「キング・オブ・ミニバン」“全面刷新”に期待高まる!
くるまのニュース
JAOS、レクサスLXで「BAJA 1000」参戦、過酷なオフロードレース制しクラス優勝
JAOS、レクサスLXで「BAJA 1000」参戦、過酷なオフロードレース制しクラス優勝
レスポンス
レンタル819の新店舗「レンタル819高円寺」が12/6にオープン!
レンタル819の新店舗「レンタル819高円寺」が12/6にオープン!
バイクブロス
イイクルマが多すぎて選べねぇ! [日本車]って結局どれが完璧に近いん? 
イイクルマが多すぎて選べねぇ! [日本車]って結局どれが完璧に近いん? 
ベストカーWeb
トヨタ「GR86」の海外での評価は? 500万円ではまだ売り手つかず…プレ値がつくのはもっとずっと先になりそうです
トヨタ「GR86」の海外での評価は? 500万円ではまだ売り手つかず…プレ値がつくのはもっとずっと先になりそうです
Auto Messe Web
【カワサキ】「カワサキ プラザ福岡東」がリニューアルオープン!
【カワサキ】「カワサキ プラザ福岡東」がリニューアルオープン!
バイクブロス
ポール・トゥ・ウインのラッセル「ほぼ完璧な週末。フライトをキャンセルしてパーティだ!」メルセデス/F1第22戦
ポール・トゥ・ウインのラッセル「ほぼ完璧な週末。フライトをキャンセルしてパーティだ!」メルセデス/F1第22戦
AUTOSPORT web
【車名がプラドからランクル250に】ガソリンモデル試乗で見えたランクルの原点!
【車名がプラドからランクル250に】ガソリンモデル試乗で見えたランクルの原点!
AUTOCAR JAPAN
ミズノ、新型ドライビングシューズ「BARECLUTCH L」発表…高級感と機能性を両立
ミズノ、新型ドライビングシューズ「BARECLUTCH L」発表…高級感と機能性を両立
レスポンス
チャンピオン会見、サプライズ、シャンパンファイト。フェルスタッペン4連覇の現場を写真で振り返る
チャンピオン会見、サプライズ、シャンパンファイト。フェルスタッペン4連覇の現場を写真で振り返る
AUTOSPORT web
6速MTあり! 660ccの新型「軽量スポーツモデル」初公開! 超パワフルな「81馬力」エンジン搭載した「2シーター仕様」が発表! 爆速の「新型タイガースポーツ660」来年2月に発売へ!
6速MTあり! 660ccの新型「軽量スポーツモデル」初公開! 超パワフルな「81馬力」エンジン搭載した「2シーター仕様」が発表! 爆速の「新型タイガースポーツ660」来年2月に発売へ!
くるまのニュース
F1デビューのジャック・ドゥーハン、カーナンバーはライコネン継ぐ「7」に決定。同期昇格アントネッリは12番
F1デビューのジャック・ドゥーハン、カーナンバーはライコネン継ぐ「7」に決定。同期昇格アントネッリは12番
motorsport.com 日本版
レクサス新型「エレガント」発表! 最安価な「“5人乗り”コンパクトSUV」! 全長4.1m級の“最小レクサス“「LBX」が販売店でも話題に
レクサス新型「エレガント」発表! 最安価な「“5人乗り”コンパクトSUV」! 全長4.1m級の“最小レクサス“「LBX」が販売店でも話題に
くるまのニュース
乗る? 否! 着こなす! 軽でこんなに楽しめるのって[ダイハツ・コペン]くらいじゃね?
乗る? 否! 着こなす! 軽でこんなに楽しめるのって[ダイハツ・コペン]くらいじゃね?
ベストカーWeb
ミツオカの新型「M55」が808万5000円で申込受付開始! 2025年モデルは100台限定で6MTのみ…全国のミツオカ販売拠点へ急げ!
ミツオカの新型「M55」が808万5000円で申込受付開始! 2025年モデルは100台限定で6MTのみ…全国のミツオカ販売拠点へ急げ!
Auto Messe Web
新型移動式オービス MSSS 対応! GPS レーザー&レーダー探知機「MOTO GPS LASER MSSS」がデイトナから発売
新型移動式オービス MSSS 対応! GPS レーザー&レーダー探知機「MOTO GPS LASER MSSS」がデイトナから発売
バイクブロス
「狭い道で『歩道に乗り上げることをマナー』だと勘違いしている人がいます」 そもそも歩行者からは邪魔です。 交通違反で取り締まりを受けないのですか。
「狭い道で『歩道に乗り上げることをマナー』だと勘違いしている人がいます」 そもそも歩行者からは邪魔です。 交通違反で取り締まりを受けないのですか。
くるまのニュース

みんなのコメント

44件
  • yuki
    わざわざ旧車を買うと馬鹿みたいに高額だが、元々大事に乗っていたものなら修理費はかかってもトータルではお金はかからないし、環境負荷も低い。長く大事に乗る文化にならないものかね?
    ならないな。
  • syo********
    世話は掛かるが味わいが堪りません。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

149.5189.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

27.052.0万円

中古車を検索
クーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

149.5189.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

27.052.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村