■力を入れていたホンダ、現在では2車種にあるのみ
クルマのルーフ部分に装備される窓を「サンルーフ」といいます。言葉としては開閉式の窓を指し、メーカーや形状によっても様々な呼称がありますが、開閉しないタイプのもの(パノラマルーフやガラスルーフ)も含めて、ひとくくりに呼ばれることもあります。
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日の光で車内が明るくなるほか、開ければ外気も入るので、開放感を演出するものとして、特に日照時間が少ない欧州などで好まれる装備です。サンルーフを製造している八千代工業(埼玉県狭山市)も、サンルーフを含めたクルマのデザインでは、欧州メーカーが先進的だといいます。
日本でサンルーフに力を入れていたメーカーのひとつがホンダです。本格的なスライド式サンルーフは1968(昭和43)年発売のホンダ「N360」が、電動式のサンルーフも1978(昭和53)発売の「プレリュード」が、それぞれ国内初といわれています。前出の八千代工業では1986(昭和61)年からサンルーフの製造を始めましたが、同社は現在ではホンダの子会社となっています。
しかし現在、国産車ではサンルーフの設定がほぼなくなってしまったことから、八千代工業ではもっぱら海外向けに製造しているそうです。「昔はオプションで設定されるクルマが多かったのですが、いまはそれも減っています。開閉式でない屋根を透明のガラスにしたパノラマルーフなども同様です」と話します。
2018年7月現在、ホンダでサンルーフの設定がある車種は、「アコード」と「レジェンド」のみだといいます。この2車種の現行モデルはもともと北米向けに開発されたものですので、国内市場向けという意味ではゼロといってもよいでしょう。
■中国でも北米でも人気 なぜ日本で需要がなくなった?
ホンダでは2000年代から2010年代前半にかけても、「エアウェイブ」「ステップワゴン」「フリード」「フィットシャトル」など様々な車種にサンルーフ(実際には開閉式ではない「スカイルーフ」)を設定していましたが、装着率の低さからすべて廃止してしまったのだとか。
一方、八千代工業によるとサンルーフは特に中国で人気だといいます。「中国のお客様はクルマに豪華さを求める傾向が強く、サンルーフが好まれます。当社製品を提供している市場においては、中国の次に北米でサンルーフ装着率が高いです」とのこと。ホンダも、北米をはじめ需要のある地域では、日本でサンルーフの設定がない車種も含め、ほとんどのモデルでサンルーフを用意しているそうです。
国内向けではないものの、八千代工業によるとサンルーフは現在も進化しているといいます。ガラスのサンルーフは一般的に重量が増し、燃費などに影響するともいわれますが、構成部品を少なくして薄型化や軽量化に努めているとのこと。また、現在は「暑さ」の原因となる赤外線をカットするIRカットガラスを使うのが普通だそうです。さらに、大開口化によって開放感を高めるほか、ルーフとの一体設計でクルマ本体のデザイン性にも寄与しているといい、サンルーフがクルマ本体と切り離せない要素になってきていることがわかります。
そのような動きもあるなかで、なぜ日本ではかくも需要が減ってしまったのでしょうか。
八千代工業は、「昔は日本でもクルマに特別感を求める人が多かったのが、しだいに実用性が求められるようになり、需要が減っていったのではないでしょうか。開閉式のサンルーフは換気にも有効ですが、あるいは喫煙人口の減少もあるかもしれません」と推測します。
ホンダも「サンルーフよりも、ほかの装備が選ばれているということでしょう」と話します。確かにサンルーフは、オプションで装備すれば10万円以上する場合もあります。たとえば近年のクルマはカメラやセンサーなどの安全装備が充実していますが、どちらかといえば、そのような実用的な装置が選ばれているのかもしれません。
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