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「雨の日」だって楽しいFR+MT トヨタ・スープラ 3.0(RZ) 相性抜群のBMW製6気筒 長期テスト(3)

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「雨の日」だって楽しいFR+MT トヨタ・スープラ 3.0(RZ) 相性抜群のBMW製6気筒 長期テスト(3)

積算2万5669km 開けた郊外の一般道で輝く

後輪駆動でマニュアルのトヨタ・スープラ。この組み合わせは、近年ではすっかり珍しくなってしまった。片方だけでも珍しいのに、もはや絶滅危惧種といっていい。スポーツカー自体も、数が減っているけれど。

【画像】乗り心地と操縦性の変化は? トヨタ・スープラ ヤリス/カローラ/86 GRシリーズも 全112枚

今回は筆者、ジャック・ハリソンがスープラをお借りした。そんな珍しい組み合わせのモデルを久しぶりに確認するなら、充分な時間が欲しいところ。理想をいえば、天気は晴れている方が良い。ラッシュアワーの市街地は避けたい。

ところが、当日の天気は生憎の雨。それでも、かなり幸せな時間を過ごすことができた。朝の通勤で混み合う市街地を抜け、開けた郊外の一般道へ足を伸ばせば、スープラは強く輝いた。路面には水たまりが多くても。

運転は極めてしやすい。ロンドンの西、コッツウォルズ地方へ進むと、雨は少し小降りに。アクセルペダルを深めに踏める条件へ変化すると、不安感を抱かせない、驚くほどのグリップ力が顕になっていく。

散歩に出たくないような天気でも、目の前に迫るカーブを楽しめる。キャビン自体も、長時間を過ごすのに快適な空間といえる。フロントガラスはワイドで、前方視界は良好。シートのサポート性も高い。特別な場所へ身をおいたような気分にすらなる。

高速道路を延々と走るシーンでも優秀

確かに、インテリアデザインはBMWの面影が強い。いい方を変えれば、新しいZ4や3シリーズに乗り慣れている人なら、すぐに馴染めるだろう。

インフォテインメント・システム、BMW iドライブの使い勝手もそのまま。タッチモニターのサイズは大きいものの、過度な圧迫感はナシ。人間工学にも優れ、トヨタ独自のデザインではないとしても、悪い事実ではない。

高速道路を延々と走るようなシーンの印象も優秀。低めに調整された空気圧の影響で、当初は後方から大きめのタイヤノイズが響いていたものの、車内空間は充分に静か。メーカー推奨値へ圧力を高めると、110km/h前後での静寂性はしっかり改善した。

グレートブリテン島の西部、自宅のあるウェールズ州へ進み、筆者お気に入りのドライブルートへ。ここまでの燃費も、不安したほど悪くはなかった様子。空模様は徐々に回復し、午後3時から500kmほどを思い切り走り込んでみることに。

国道のA5号線では、スープラの本性が明らかに。ほぼ乾燥した路面では、本当にエネルギッシュ。交通量の少ないルートを、高い速度域で軽快に走る。誰もいない瞬間を見計らってアクセルペダルを踏み込むと、驚くようなスピードへ短時間に到達していた。

スープラへを念頭に設計されたような6気筒

BMW製のB58型3.0L直列6気筒エンジンも、このクルマにぴったり。まるで、スープラにも載ることを念頭に設計されたかのようだ。

サウンドには聴き応えがあり、トルクは際限ないと思えるほど豊か。常用の低回転域でも、信じられないほどソウルフルでもある。

6速MTとの相性も抜群。素早いシフトレバーの捌きをアシストするように、スプリングの効きが強く、多少の力を込めながらゲートへ導く感触は素晴らしい。2速と3速を滑らかに切り替えるという一連の体験は、現在の公道用モデルの中でも特に充足感が高いと思う。

ステアリングホイールは、もう少しダイレクト感があっても良い。乗り心地は、荒れたアスファルトで若干落ち着きを失いがち。だとしても全体的には、素晴らしいパッケージングにある。

クラッチペダルは、想像したほど重くもなかった。帰宅時間の渋滞へ巻き込まれても、踏み加減を調整し続けた左足は、少し疲れた程度で済んだ。

やはり、後輪駆動のMT車は素晴らしい。こんなクルマが絶滅危惧の状況にあるのなら、保護プロジェクトを立ち上げても良いのではないかと思う。

テストデータ

気に入っているトコロ

ターボの悲鳴:高めのギアでアクセルペダルを踏み込むと、悲鳴のような高音を響かせながらターボが回る。ブースト圧の上昇とシンクロするサウンドには、中毒性がある。

気に入らないトコロ

膨らみ過ぎのボディ:ドラマチックなデザインではあるが、ドアは長く厚い。狭い駐車場での乗降性には、少しの支障がある。

価格

モデル名:トヨタ・スープラ 3.0(RZ) マニュアル(英国仕様)
新車価格:5万4630ポンド(約1010万円)
テスト車の価格:5万5280ポンド(約1022万円)

テストの記録

燃費:11.0km/L
故障:なし
出費:なし
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