クルマにとって造形の良し悪しというのはあるものの、男が「カッコいい」と感じる対象は、もっと精神性に根ざしたものでなければならない。伊達軍曹が提案する、男が買うべき「本当の意味でカッコいいクルマ」。第4回は「強いクルマ」、メルセデス・ベンツ Gクラスを提案する。
© Daimler AG“強さ”の延長線上にあるプレミアムSUV
カッコいいクルマについてのことを考える前に、「カッコいい男」について考えてみたい。
カッコいい男。異性のみならず同性もがホレるそれには、さまざまなパターンというか種別があるはずだが、ひとつには「強い男」というのが確実にあるだろう。
肉体的にも精神的にも、そして経済力においても“強い”男というのは、単純にカッコいいものだ。
その真逆の「さまざまな面で弱い男」には、本人の責にはよらないさまざまな事情もあったりするため、一概に非難するのは間違いだろう。だがそれでも、人はどうしたって「強い者」に引かれてしまうものである。
© Daimler AGなぜ人は「強い者」に引かれるのか。あるいは、自らが「強い者」になりたいと希求するのか。
それは──いきなり大型な話題を出してしまい恐縮だが──「基本的人権」なるものについて、人は100%の信頼を置いてはいないからだ……と筆者は考えている。
基本的人権の正確な定義をこまごま書くとややこしくなるが、要するにそれは「人間は、人間であるというそれだけでもうかなり尊いのだから、人間それぞれの尊さと自由は何人たりとも、たとえ国家であろうとも、それを簡単に犯してはアカンのである」といった概念であるはずだ。
もちろん筆者はこの概念というか基本ルールを支持しており、他の地球人もおおむね同様に支持しているように見える。そのおかげで私どもは今、いきなり他人から殺されたり殴られたり、あるいは国家から無実の罪で懲役300年とかの刑を1審のみで命じられることは(基本的には)ないまま、暮らしていられる。
だが「人間はどんな人であっても全員が尊いのである」という現代の常識あるいは建前がメジャーデビューしたのは、せいぜい250年ほど前のことでしかない。
© Daimler AGそれまでのおおむね1万年間の我々は、というか我々の諸先輩にとっては、「強い者が生き残り、のさばる。弱い者はただ消えていくか、泥水をすすりつつ苦渋の人生を送る」というのが常識だった。非常に生物的というか動物的だったのである。
そういった約1万年間の常識を、ここ250年の新参者が打ち砕いたのは事実であろう。
だが「人権」は「新参者」であるがゆえに、脆い。いや脆いかどうか、筆者はインテリでないので正確なところは知らないが、人は本能的に「……本当にそうなのか?」と、どこかで思っているはず。
結局は『北斗の拳』のような弱肉強食世界が復古し、自分の暮らしと身体が、あるいは大切な家族や愛する者が、誰かに「わやくちゃ」にされてしまうのでは──という不安が、どこかにある。
© Daimler AGそうであるがゆえに男は肉体を鍛え、精神を鍛錬し、タンスや銀行あるいは証券会社の口座の中にある己の財を日々増やそうとするのだ。何があっても大丈夫なように。ナメられないように。そして、殺されないように。
こういった「ほぼ本能」の発露として男は強さを求め、そして、それ(肉体力/精神力/知力/経済力/その他力)に秀でている男のことを「……あいつ、カッコいいやんけ」と表立って、あるいはこっそりと、思うのである。
その延長線上に今日のプレミアムSUVブームはあり、その頂点か、頂点ではないとしても頂点近くに、「メルセデス・ベンツGクラス」がいる。
© Daimler AG望むべき力を物質として“見える化”した存在
もちろん人それぞれの好き嫌いはあるかと思うが、多くの男が、いや女性も、メルセデス・ベンツGクラスというSUVのことを「カッコいい」と言い、そしてそう思っている。
なぜならば、Gクラスとは「強いクルマ」であるからだ。
言わずと知れた話ではあると思うが、現代の夜の六本木あたりでちゃあちゃあ言っているメルセデス・ベンツGクラスは、元々はNATO軍(北大西洋条約機構軍)のためにメルセデスとオーストリアのシュタイア・プフ社が共同開発した軍用車「Typ-461ゲレンデヴァーゲン」だった。
© Daimler AGそしてその民生版として、軍用車とほぼ変わらぬ骨格および性能を伴って1979年に登場したのが初代メルセデス・ベンツGクラス。その後はつい最近まで──厳密に言えばもちろんいろいろ違うのだが、基本的には──ほぼ同じ骨格のまま製造され続け、2018年6月に登場した現行型も、骨格は新設計となったものの、基本的なスタイルは踏襲された。
要するに、夜の六本木でちゃあちゃあ言うのはGクラスというクルマにとっては余技にすぎず、“本籍”は荒れ地や戦場に置かれたままなのだ。ゆえに、本当に強い。なんちゃってオフローダーとGクラスの間には、「サバゲーが上手い人」と「本職の特殊部隊員」ぐらいの違いがある。だからこそ、Gクラスというクルマはカッコよく見えるのだ。
そしてGクラスは、率直に言って「高価なクルマ」でもある。
© Daimler AG新車を買うとなれば、なんだかんだで1300万円以上のキャッシュあるいは融資枠が必要であり、先代の中古車も決して安くはない。具体的には2018年式のG350dというやつがだいたい1100万円から1300万円ぐらいで、古めの年式も「逆にシブい」と評価されているため、例えば20年ぐらい前のショートボディでも600万円はする。
つまりGクラスとは、カネがない男には買えないクルマなのだ。
そして何かと「いやらしい」とか「卑しい」とか言われがちなカネの話ではあるが、カネを稼ぐには──一部の例外を除き──知力と体力および胆力等々が秀でている必要があることは、皆さんよくご存じのとおり。
そういった好ましい力、望むべき力を物質として“見える化”した存在であるということも、メルセデス・ベンツGクラスというクルマがカッコよく感じられる身も蓋もない理由だ。
© Daimler AGあいにくというのか何というのか、先ほど申し上げたとおり高額なクルマではあるため、メルセデス・ベンツGクラスはサクサクと楽勝で買えるクルマではない。
だが男子たるもの、あのカッコ良さはいつか手に入れたい何かであり、手に入れられないとしても、それに乗っている男子のことは心の底からリスペクトしたい。仮にその者が「成金丸出し」な風貌であったとしても、だ。
成金だって、なるのは大変なのである。少なくとも筆者は、なる自信はあまりない。
文・伊達軍曹 写真・メルセデス・ベンツ日本 編集・iconic
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みんなのコメント
でも人とかぶり過ぎね!!都内は多すぎるでしょ!!