現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ついに新型「アコード」登場!? 縮小傾向のセダン市場に投入されるワケとは

ここから本文です

ついに新型「アコード」登場!? 縮小傾向のセダン市場に投入されるワケとは

掲載 更新 6
ついに新型「アコード」登場!? 縮小傾向のセダン市場に投入されるワケとは

■海外より遅れて登場した新型「アコード」の魅力とは

 東京モーターショー2019で参考出品された10代目となるホンダの新型「アコード」が間もなく発売されます。1976年に同社「シビック」の兄貴分として登場したアコードは、2代目以降は世界戦略車としての役目も担い、現在は120を超える国と地域で販売されています。満を持して日本に登場する新型アコードの魅力とは、なんなのでしょうか。

【画像】超絶進化!? 新型アコードは何が変わった?(27枚)

 累計2000万台と世界的に見るとホンダの大黒柱であるのは間違いないのです。日本市場で古くは、3代目(CA)、5代目(CD)、7代目(CL)は日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、日本でも高い人気を博しましたが、ここ10年近くは影の薄いクルマの代表になってしまい、販売台数は決して褒められるものではなかったのも事実です。

 ちなみに新型アコードはすでに北米/カナダ(2017年)、中国(2018年)で発売されており、日本市場は遅れての導入となります。

 開発責任者の宮原哲也氏は「各地域のほかのモデル導入を含めたうえでのタイミング」と語りますが、本当の所はどうでしょうか。

 かつてはファミリーカーのスタンダードであったセダンですが、最近はミニバンやクロスオーバーSUVに押されて市場は縮小傾向です。

 しかしホンダの国内ラインアップには、車格順に「グレイス」、シビック、「インサイト」、アコード、「クラリティ」、「レジェンド」と6車種ラインナップされています。となると、「セダンはこんなに必要ない」という声が社内から出てきても当然だったと思います。

 レジェンドは、旧態化しているうえに本来は、ホンダの海外ブランド「アキュラ」のモデルのため、いつモデル落ちしてもおかしくない状況で、新参者のクラリティだけでは荷が重い。となると、「やはり日本市場にアコードは必要」という流れになったのではないかと筆者(山本シンヤ)は予想しています。

 そんなアコードですが、シビックの上に位置するDセグメントのアッパーミドルのセダンという立ち位置は不変ですが、エクステリアデザインはワイド&ローを強調した4ドアクーペルックが特長となっています。

 開発責任者の宮原哲也氏は、新型アコードについて次のように話します。

「歴代アコードを振り返ると実用性や走りに関しては高い評価を得ていますが、デザインに関してはそれ以上でもそれ以下でもないことが大きな課題でした。そこで新型の開発キーワードは『若返り』。

 ただ、おじさんが無理に若作りする事ではなく、若い人が見て『おじさんカッコいいよね』といわれるようなモデルを目指しました」

※ ※ ※

 内装はコンサートホールをイメージしたといいます。シンプルなインターフェイスながらも高品質な空間を演出。

 一見、居住性は悪そうに見えるスタイリングながらも、ボディ骨格変更やホイールベース延長も相まって、足元や膝回りのスペースはクラストップレベル。頭上も170cmの大人でもこぶしひとつ分のスペースを確保し、トランクルームもハイブリッドセダントップクラスを実現しています。

 宮原氏は、「これまでフルモデルチェンジの度に『乗り降りを良くしよう』といった汎用的な考え方に近づいていましたが、クロスオーバーが浸透している時代に改めてセダンの購入を考えた際、走りの楽しさ、快適性、人間がどう感じるかを考え『座り方はこれでいいのか?』と思いました。

 セダンの本質を見直し、安定感ある運転姿勢のためにヒップポイントを25mm、ヒールポイントを15mm下げています」

 パワートレインは、現行モデルと同じく2リッターガソリンエンジン(最高出力145馬力)+2モーター内蔵CVT(最高出力184馬力)の組み合わせですが、パワーコントロールユニット(PCU)のサイズは15%、インテリジェンンとパワーユニット(IPU)は32%小型化されています。

 これまで「スポーツハイブリッドi-MMD」と呼ばれていたシステムですが、新型は「e:HEV(イーエイチイーブイ)」と呼びます。

 プラットフォームは「低重心/低慣性」、「高剛性/軽量設計」にこだわり、アコードのために新規開発。サブフレームやサスペンション、ステアリングシステムも刷新されています。

 ダンパーは、スポーティなハンドリングと乗り心地を両立させるアダプティブダンパーシステム(ショーワ製)を採用。

 ちなみにダンパー/ステアリング/エンジンサウンドをシーンに応じて3タイプ選択可能な「ドライブモード」も設定されています。

 歴代アコードを振り返ると、Si、SIR、ユーロR、タイプSなど走りに一過言あるモデルが設定されていましたが、新型はベース車の時点でそれらを大きく上回っています。

 宮原氏は走りに関して、次のように話します。

「グローバルで1スペックで開発しています。ボディサイズを感じさせない『一体感』と『軽快感』が特長です。

 アコード初採用となるアダプティブダンパーシステムはスポーツとコンフォートを高いレベルで実現し、欧州プレミアムに負けない走りだと自負しています」

 いまやデフォルトとなった安全支援システムは最新の「ホンダセンシング」ですが、新たに後方誤発進抑制機能とオートハイビームが追加されています。

■日本市場でアコードが成功する秘訣とは

 このように、アコードが大きく刷新された影響もあり、先行導入されている北米や中国では購入ユーザーの平均年齢が下がっており、開発キーワードの「若返り」は成功しているようです。しかし、セダン離れといわれる日本市場はどうでしょうか。

 個人的にはまず「EX」という走りの良さが想像できないグレード名は気になる所です。個人的には「アブソールト」や「タイプS」など、ユーザーがイメージしやすいグレード名であってほしかったです。

 また、北米には2リッター直噴VTECターボ+10速ATを搭載したモデルが用意されていますが、日本向けには設定されていません。

 このエンジンはシビック タイプR用をアコード向けに最適化したユニットで、まさに現代版「ユーロR」といえるグレードです。

 ビジネスのためには「選択と集中」も大事ですが、アコードの若返りのためには、必要なモデルだと思っています。

 そんなタラレバはともかく、成功するかどうかは「世の中への伝え方」が鍵を握っているでしょう。

「いいクルマ」なのは当たり前で、新型で目指した「プラスα」をどのように正確に伝えられるか。そのためには「これまでのセダンとは違う!!」という大胆なPRやイメージ戦略を期待したいところです。

こんな記事も読まれています

「なんで“鳴らした”!?」 後続車の「クラクション」に“イラ”っと! 一度は感じる「ブレーキ問題」! 見直すべき“ブレーキ技術”とは
「なんで“鳴らした”!?」 後続車の「クラクション」に“イラ”っと! 一度は感じる「ブレーキ問題」! 見直すべき“ブレーキ技術”とは
くるまのニュース
BMW「G 310 GS」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
BMW「G 310 GS」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ
軽だけど広い! フラットスペースが魅力のスズキ エブリイがベースの軽キャンパー
軽だけど広い! フラットスペースが魅力のスズキ エブリイがベースの軽キャンパー
月刊自家用車WEB
えぇ!? 攻めたワゴンの高級車!? 懐かしきホンダ[アヴァンシア]
えぇ!? 攻めたワゴンの高級車!? 懐かしきホンダ[アヴァンシア]
ベストカーWeb
豊田章男会長、トヨタの大逆転王座に歓喜。戦友ヒョンデへ「来年もいい勝負しましょう!」/ラリージャパン後コメント全文
豊田章男会長、トヨタの大逆転王座に歓喜。戦友ヒョンデへ「来年もいい勝負しましょう!」/ラリージャパン後コメント全文
AUTOSPORT web
ラリージャパン主催者に対し2400万円の罰金通告。FIA/WRCがSS12一般車進入事案のさらなる詳細を発表
ラリージャパン主催者に対し2400万円の罰金通告。FIA/WRCがSS12一般車進入事案のさらなる詳細を発表
AUTOSPORT web
ベストカー三人衆に内乱勃発!? 国沢さん、なぜ[ランクル300]じゃなく250にしたんですか!!
ベストカー三人衆に内乱勃発!? 国沢さん、なぜ[ランクル300]じゃなく250にしたんですか!!
ベストカーWeb
くるまりこちゃん OnLine 「バックブザーの音」第124回
くるまりこちゃん OnLine 「バックブザーの音」第124回
ベストカーWeb
「君はその一瞬一瞬すべてにふさわしい」レッドブル代表がフェルスタッペンの戴冠を称賛。懸命に作業に取り組んだクルーにも感謝
「君はその一瞬一瞬すべてにふさわしい」レッドブル代表がフェルスタッペンの戴冠を称賛。懸命に作業に取り組んだクルーにも感謝
AUTOSPORT web
[ダイハツ]に期待しかないよ!? 今後作ったらアツい[クルマ]を語ってみた
[ダイハツ]に期待しかないよ!? 今後作ったらアツい[クルマ]を語ってみた
ベストカーWeb
フェルスタッペン、王座確定のため、マネジメントモードで5位フィニッシュ「自分のレースを心掛けた。最高の気分」
フェルスタッペン、王座確定のため、マネジメントモードで5位フィニッシュ「自分のレースを心掛けた。最高の気分」
AUTOSPORT web
HRC/ホンダ渡辺社長がフェルスタッペンを祝福「4連覇をサポートし続けられたことは誇り。さらなる高みを目指し支援する」
HRC/ホンダ渡辺社長がフェルスタッペンを祝福「4連覇をサポートし続けられたことは誇り。さらなる高みを目指し支援する」
AUTOSPORT web
角田裕毅9位、選手権6位争いにおいて価値ある2点を獲得「強力なレースペースを示せた。シーズン最後まで全力で戦う」
角田裕毅9位、選手権6位争いにおいて価値ある2点を獲得「強力なレースペースを示せた。シーズン最後まで全力で戦う」
AUTOSPORT web
サイズも価格も近い禁断の兄弟対決!! [ランドクルーザー250]と[ランドクルーザー300]の違いって??
サイズも価格も近い禁断の兄弟対決!! [ランドクルーザー250]と[ランドクルーザー300]の違いって??
ベストカーWeb
【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
AUTOSPORT web
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
AUTOSPORT web
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
AUTOSPORT web
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベストカーWeb

みんなのコメント

6件
  • セダン市場が縮小どころか、軽以外の日本市場が縮小傾向だからグローバルの車種が増えるのは仕方ない。
  • 期待の新人「インサイト」が余りに期待外れだったから、役職定年後のベテラン「アコード」に戻ってきてもらってみた、という程度の話でしょう。
    国内ではすっかり軽自動車屋・ミニバン屋になってしまったホンダ、セダン等他のカテゴリーのマーケティングは崩壊状態ですね、、、
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

544.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

22.0560.0万円

中古車を検索
アコードの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

544.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

22.0560.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村