現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ホンダが本気で電動2シータースポーツその名も「e-S2000(仮)」を作ったら…?

ここから本文です

ホンダが本気で電動2シータースポーツその名も「e-S2000(仮)」を作ったら…?

掲載 7
ホンダが本気で電動2シータースポーツその名も「e-S2000(仮)」を作ったら…?

 20世紀末に誕生した2シーターピュアスポーツオープン、ホンダ「S2000」。いまも大切に乗っているオーナーも多く、その後継モデルの登場も期待したいところだが、昨今の電動化への流れのほか、ホンダ自身も「2040年にEV/FCEV販売比率を100%」を目指すとしており、従来型どおりのS2000は望めそうにもない。

 しかしながら、電動スポーツであれば、ひょっとすると叶うかもしれない!! ということで、「e-S2000(仮)」プロジェクトを考えてみた。

ホンダが本気で電動2シータースポーツその名も「e-S2000(仮)」を作ったら…?

文:吉川賢一/写真:HONDA

Honda eのプラットフォームを流用すれば、S2000並みのコンパクトスポーツはできる!!

 突き抜ける加速と超高回転サウンドが特徴のVTECエンジン「F20C」やオープンボディなのに超高剛性なハイXボーンフレーム構造、6速マニュアルトランスミッション、4輪ダブルウイッシュボーン、前後重量配分50:50など、クルマ好きが好む要素がてんこ盛りされていたS2000。低い視界とVTECエンジンの加速は痛快で、コクピットへ着座するだけで感じられたクルマの四隅に手が届くようなクルマとの一体感に、ワクワクさせられたクルマ好きは少なくないだろう。

 このワクワクを後継モデルへ引き継ぐためにも、e-S2000(仮)のパッケージングはできる限りS2000に近づけたいところ。現実的にもっとも適しているのが、「Honda e」で使った後輪駆動のEV専用プラットフォームだ。車両中心に配置したバッテリーを保護するために、フロア剛性は十分高く、しかも、前後重量配分50対50、ホイールベースは短めの2530mm(S2000は2400mm)と、シャシーのディメンジョンもS2000に近い。ホイールベースを短縮すれば、2ドア車としてデザインバランスもよくなるはずだ。

1999年に登場したS2000。レッドゾーンが8000回転からという超高回転型エンジンは、このクルマの最大の魅力といってよい

Honda eはシティコミューターのようなコミカルなデザインが影響し、シャシーの素性の良さが目立たなかったが、中身は前後重量配分50対50、リアモーターの後輪駆動車という粋な内容だった

軽量化のため、後席廃止かつ2ドア化、さらにボディサイズも小さくする

 気になるのは車両重量だ。Honda eは1540kgもあり、S2000の1260kgと比べると、300kg近く重たい。e-S2000(仮)では、軽量化のため、後席廃止かつ2ドア化するほか、ボディサイズも縮小(S2000並みの全高1285mmまで下げる)などをした上で、バッテリー容量も見直し、1400kg未満程度にはしたいところ。ただ航続距離は、WLTCモードで航続距離300kmは確保したい。

 そこに、レスポンスのいい電動パワーユニットを採用し、マニュアルトランスミッションを組み合わせ、四輪独立サスペンション(Honda eも4独サス)によるしなやかな足周りも組み合わせれば、優れた運動性能を発揮する2シータースポーツBEVとなるのではないだろうか。その姿は、2017年の東京モーターショーに登場した「ホンダスポーツEVコンセプト」に近いかもしれない(もっと現代風のスタイルにカッコよくしたいところだが)。

ホンダが2017年の東京モーターショーに出展した「Honda Sports EV Concept」。愛着を感じるデザインが魅力的

S2000との「絆」も不可欠!!

 ただ、e-S2000(仮)にとって、こうしたスペック的な要素よりも重要なのが、「S2000との絆」だ。ホンダとしては、スポーツカーならば、前型よりもパワーアップさせなければならないと考えるかもしれないが、筆者は新型が必ずしも先代モデルよりも性能が上がっていなければならないとは思わない。

 理想に近いのがマツダロードスターだ。4世代とも細部は違なるが、フィーリングや乗り味はどれも似ていて、どれに乗っても面白い。また大きくパワーアップをしないため、タイヤやシャシーもそれほど大回改良する必要がなく、コストもかからない(=価格が必要以上に高くならない)ことは、ユーザーにとってうれしいこと。もちろん未来を予測したチャレンジも大切だが、「変えない」というチャレンジもよい場合があると思うのだ。

 たとえば、S2000のVTECエンジンのサウンドをサンプリングし、e-S2000(仮)が加速した際に、S2000のエンジン音を再現しながら、高回転領域で加速がもうひと伸びするVTECのフィーリングを電気モーターで再現する。加速音や加速は疑似的演出のひとつだが、乗ってみたいと思う人は少なくないのではないだろうか。S2000との絆のひとつとして、ぜひ採用してほしいと思う。

 また、e-S2000(仮)のエクステリアは、昨今のホンダ車が採用しているプレーンな顔付きよりも、S2000時代のような「灰汁の強いフェイス」のほうがいいと思う。S2000タイプSのような下品さも取り入れて欲しい。インテリアも、コクピット周りのデザインを継承したり、ステアリングホイールやアウタードアハンドル、といった細部を真似るのでもいい。S2000オーナーが、2台をガレージに並べたいと思ってくれるような、そんなモデルに仕上げたい。

歴代モデルの絆をうまく表現しているのがマツダロードスターだ。初代から4代目まで細部は違なるが、フィーリングや乗り味が似ていて、どれに乗っても面白い!!

突き抜ける加速と超高回転サウンドが特徴的だった、S2000用のVTECエンジン「F20C」。あの加速時サウンドと、高回転域のひと延びを電気モーターで再現したい

◆     ◆     ◆

 趣味性の高いスポーツカーは、「サーキットで速いこと」だけを求めるのではなく、そのモデルでしか味わえないなにかを入れ込むことが必要。e-S2000(仮)であれば、「e-S2000」という名前だけではなく、前述したような、当時S2000を所有していたユーザーとの思い出とリンクするような仕掛けがあるなど、e-S2000(仮)を買いたくなる要素が絶対に必要だ。

 実際に、S2000の後継車が誕生する可能性は低いだろうが、限定でもいいので、なんとか実現できないものだろうか…!??

【画像ギャラリー】ぜひ次期型の検討を!! 1999年に誕生した、懐かしのS2000を振り返る(14枚)

投稿 ホンダが本気で電動2シータースポーツその名も「e-S2000(仮)」を作ったら…? は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

2度のWRC王者カッレ・ロバンペラ、ドバイ24時間レース参戦へ。WRCフル参戦復帰前に景気付けの一発に?
2度のWRC王者カッレ・ロバンペラ、ドバイ24時間レース参戦へ。WRCフル参戦復帰前に景気付けの一発に?
motorsport.com 日本版
スマホの無料“地図アプリ”全盛時代に「カーナビ」はなぜ売れる?  進化を続ける市販カーナビ “根強い”人気の理由とは
スマホの無料“地図アプリ”全盛時代に「カーナビ」はなぜ売れる? 進化を続ける市販カーナビ “根強い”人気の理由とは
VAGUE
エンジン始動上手なやり方は!? キックスタートのメリットとデメリットとは?
エンジン始動上手なやり方は!? キックスタートのメリットとデメリットとは?
バイクのニュース
やはり進行していた! ホンダのハイブリッド戦略の要とは?…新開発プラットフォームと次世代e:HEVシステム
やはり進行していた! ホンダのハイブリッド戦略の要とは?…新開発プラットフォームと次世代e:HEVシステム
レスポンス
KTM本社、再編手続きで営業継続…日本への影響はなし
KTM本社、再編手続きで営業継続…日本への影響はなし
レスポンス
ウインカー出すの「右・左」どちらが正解? 戸惑う「Y字の斜め接続道路」 判断方法は? 法律は? 警察の回答はいかに
ウインカー出すの「右・左」どちらが正解? 戸惑う「Y字の斜め接続道路」 判断方法は? 法律は? 警察の回答はいかに
くるまのニュース
スバルの[BRZ]に改めて試乗したらめちゃくちゃに良かった件
スバルの[BRZ]に改めて試乗したらめちゃくちゃに良かった件
ベストカーWeb
シボレー「コルベット」がさらにアグレッシブに、そしてカラフルになった!「Z06」は3種類のメーカーオプションで史上最強の1台に
シボレー「コルベット」がさらにアグレッシブに、そしてカラフルになった!「Z06」は3種類のメーカーオプションで史上最強の1台に
Auto Messe Web
CB1300SF/SB、SF SP/SB SP用の「パフォーマンスダンパー」が【アクティブ】から!“上質な乗り心地”で走りたい!  
CB1300SF/SB、SF SP/SB SP用の「パフォーマンスダンパー」が【アクティブ】から!“上質な乗り心地”で走りたい!  
モーサイ
RBメキーズ代表、リカルドの”復活失敗”は「チームの責任も大きい」開発への貢献を改めて賞賛
RBメキーズ代表、リカルドの”復活失敗”は「チームの責任も大きい」開発への貢献を改めて賞賛
motorsport.com 日本版
ホンダと日産が経営統合に向けた検討に関する基本合意書を締結。三菱も参画・関与の可能性を検討
ホンダと日産が経営統合に向けた検討に関する基本合意書を締結。三菱も参画・関与の可能性を検討
Webモーターマガジン
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定【独り大喜利】どうなる?2025年の自動車業界~電動化戦略により明暗くっきり~
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定【独り大喜利】どうなる?2025年の自動車業界~電動化戦略により明暗くっきり~
レスポンス
2025年末までに100店舗展開を目標に開店ラッシュが止まらない! 全国37番目となる佐賀県初のBYD正規ディーラー「BYD AUTO 佐賀」がオープン
2025年末までに100店舗展開を目標に開店ラッシュが止まらない! 全国37番目となる佐賀県初のBYD正規ディーラー「BYD AUTO 佐賀」がオープン
THE EV TIMES
約1500万円! トヨタ超高級ミニバン「“4人乗り”アルファード」発表に反響殺到!「こりゃ買えん!」「レクサスより高い!?」「廉価グレードが3台買える…」と騒然! 一方で「こういうクルマは夢がある」と盛り上がる声も
約1500万円! トヨタ超高級ミニバン「“4人乗り”アルファード」発表に反響殺到!「こりゃ買えん!」「レクサスより高い!?」「廉価グレードが3台買える…」と騒然! 一方で「こういうクルマは夢がある」と盛り上がる声も
くるまのニュース
レッドブル首脳、ローソン起用に関し角田裕毅と会話「プッシュし続けるようにと言った。彼は落ち着いて前向きだった」
レッドブル首脳、ローソン起用に関し角田裕毅と会話「プッシュし続けるようにと言った。彼は落ち着いて前向きだった」
AUTOSPORT web
いよいよ!「日本一デカい交差点 立体化」通行方法が発表 「計16車線」って一体どーなるの!?
いよいよ!「日本一デカい交差点 立体化」通行方法が発表 「計16車線」って一体どーなるの!?
乗りものニュース
マツダがモータースポーツ技術を活かした市販車発表へ、ベースはロードスター…東京オートサロン2025
マツダがモータースポーツ技術を活かした市販車発表へ、ベースはロードスター…東京オートサロン2025
レスポンス
60年代のアメ車をEV化でレストモッドってクライスラーやるじゃん! 最新の中身だけど「手動窓」のプリマスGTXが「懐かし新しい」!!
60年代のアメ車をEV化でレストモッドってクライスラーやるじゃん! 最新の中身だけど「手動窓」のプリマスGTXが「懐かし新しい」!!
WEB CARTOP

みんなのコメント

7件
  • ivq********
    s660eをs2000eに換えるだけ
  • ********
    あれ?
    ベストカーって、次期S2000はEVで復活ってスクープしてなかったっけ?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

386.4399.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

150.01500.0万円

中古車を検索
S2000の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

386.4399.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

150.01500.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村