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販売終了から11年… ホンダ「S2000」が20年目のマイチェン!? 新パーツの驚きの実力

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販売終了から11年… ホンダ「S2000」が20年目のマイチェン!? 新パーツの驚きの実力

■S2000が20年目のマイナーモデルチェンジ!? アニバーサリーパーツの実力は?

 ホンダ「S2000」に、「S2000 20th Anniversary」と題した純正アクセサリーが2020年6月26日に発売されました。これはホンダ車の純正用品を開発・販売するホンダアクセスが、S2000の生誕20周年を記念して開発したものです。

【画像】20年目にマイチェン!? 生まれ変わったホンダ「S2000」をチェック(26枚)

 開発にあたっては、『20年目のマイナーモデルチェンジ』をコンセプトに掲げ、実際にS2000を所有するオーナーへのヒアリングを何度も実施。オーナーが本当に欲しいと思うアイテムを厳選して開発したといいます。

 1999年に発売された、ホンダのオープンFRスポーツ「S2000」。ホンダの創立50周年記念車として開発がおこなわれ、当時(現在もですが)FFシャシがほとんどであったホンダ車のラインナップにおいて、専用開発されたFRシャシやレッドゾーンが9000回転からというF20Cエンジン、そして6速MTなど、あらゆる構成部品が専用開発されました。

 2リッター自然吸気エンジンを搭載するオープンスポーツですから、普通に考えれば運動性能よりも「ドライビングの楽しさ」を追求したモデルを連想しますが、このS2000はまさに超辛口のスポーツカー。とくに初期モデルのAP1-100型は、そのクイックな操縦性は『ピーキーな』と表現されることもありました。

 その後、S2000は幾度もの改良がおこなわれ、AP1-110、120、130、135、200型へと進化。2005年11月にはエンジンを2.2リッターのF22Cへと変更したAP2-100が登場し、110型では「タイプS」を追加しますが、2009年9月に販売を終了となります。

 約10年のモデルライフのうち、日本国内の累計販売台数は約2万台といわれ、決して商業的に成功した車種とはいえません。

 しかし、そのストイックな車両のキャラクターや、今なお一級品の運動性能などから生産終了から10年以上を経た現在も、多くの人気を集めています。

 今回のS2000 20th Anniversary純正アクセサリーはあくまでパーツ単体の販売なのですが、発売元であるホンダアクセスでは、各アイテムを装着した取材車両を用意しており、今回ようやく試乗できる日がやってきました。

 取材当日はあいにくの雨模様ではありましたが、筆者(佐橋健太郎)のテンションは最高潮。というのもボク自身がS2000(AP2)のオーナーであり、愛車には当時のModuloスポーツサスペンションを装着しているからです。

 もちろんS2000 20th Anniversary純正アクセサリーは発表された瞬間にオーダーを入れ、フロントバンパーやスポーツサスペンション、フロアマット、オーディオリッド、そしてボディカバーの5アイテムを納品待ち。

 20年目のマイナーモデルチェンジを実現させる純正アクセサリーを愛車に装着する前に、ホンダアクセスの試乗車両で雨の東京をたっぷりと走ってきました。

 今回のS2000 20th Anniversary純正アクセサリーが装着された車両を、あらためて解説しておきましょう。

 ベース車両はAP1-100系と呼ばれる1999年式の初期モデル、走行距離は約5万7000キロという極上車両です。装着されている純正アクセサリーは、外装ではフロントエアロバンパー、リアストレーキ、そしてトランクスポイラー。内装ではフロアマット、オーディオリッド、フットライトが装着されています。

 また足もとはS2000の最終期にあたるAP2-110系の純正ホイールへと交換されており、これによってAP1-100純正の16インチから17インチへとサイズアップ。

 タイヤはブリヂストン製ポテンザS007Aで、サイズはフロントが215/45R17、リアは245/40R17が組み合わされています。

 このポテンザS007Aは、AP1-100の新車販売時に純正装着されていたポテンザS02Aの系譜に連なる最新スペック。このことからも、S2000 20th Anniversaryが現代のタイヤに合わせてリセッティングされたアクセサリーであることが期待できます。

■ただの記念パーツでは無い!? マイナーチェンジレベルの進化とは

 スポーツサスペンションにはフロントのみ減衰力調整機構が備わっており、まずは中間にあたる「3」にセットし走り出してみると、最初に感じるのはフロントタイヤの接地感が高いことです。

 そしてステアリングを通して伝わる情報量の多さでした。左右のフロントタイヤが掴んでいる路面の状況がしっかりとわかるから、雨の路面でも怖さはありません。それでいてステアリング操作に対するレスポンスは過敏すぎることもなく、実に自然な味わいです。

 ベースモデルのS2000は、とくに初期モデルの操縦性は「ピーキー」と評価されることが多いですが、このS2000 20th Anniversary装着車はそんな印象はすっかり影を潜めている印象です。

 ただ市街地での走行をメインとするならば、段差を乗り越えるときなど、やや乗り味を硬質に感じる人もいるかもしれません。

 そこでフロントサスの減衰力を「2」や「1」まで柔らかくして走ってみると、しっかりとした手応えのなかに、しっとりとした乗り心地が加わってきます。

 市街地を走るぶんには、個人的には「1」でもいいくらい。ただそうするとフロントとリアで減衰力のバランスが崩れ、コーナリング時にやや前後が離れて曲がっていくような動きも感じられます。このあたり、走るステージに合わせて減衰力を調整するというのも、オーナーならではの楽しみかたといえるでしょう。

 そしてこのフロントの接地感の高さは、サスペンションだけでなくエアロパーツによるところも大きいのです。というのも、同時に試乗した我が愛車S2000と比べると、S2000 20th Anniversary装着車のコーナリング時における安定性の高さは明らかなのです。

「四輪で舵を切る」というModuloのフィロソフィを、サスペンションとエアロパーツとの組み合わせで体現しているといえます。

 このフロントエアロバンパーは、フロントノーズを約24mm延長しているほか、フロントグリル内にはリブ状の突起を設定して走行風を積極的に「流す」形状としています。

 さらにバンパー左右には膨らみが与えられており、ステアリングを切った際にタイヤが車体からはみ出る部分をカバー。カタチだけでなく機能性を併せ持つデザイン、Moduloの「実効空力」コンセプトを改めて感じさせます。

 空力効果はもちろん、2台を並べてみると想像していた以上にスタイリングの変化は大きく、延長されたフロントノーズはS2000の表情に精悍さを加えています。

 室内においては、限定販売個数をあっという間に売り切ってしまったというオーディオリッドの存在感が抜群。ブラックを基調としたダッシュボードとのマッチングも素晴らしく、統一感を感じさせてくれます。

 そしてもうひとつS2000オーナーとして嬉しいのはフロアマットです。というのも、今回のS2000 20th Anniversaryに設定されたフロアマットは、ABCペダルからシート下までを覆ってくれるロングタイプ。そしてS2000のすべての年式のモデルに装着が可能となっています。

 実は、S2000の純正フロアマットは前期/後期で形式が異なっており、後期ではロングタイプが標準設定となっていますが、前期モデルではショートタイプとなっていました。しかし前期モデルに後期のフロアマットは装着できなかったため、社外品に交換しているオーナーも多いのです。

 そこで今回のS2000 20th Anniversaryでは、前期/後期ともに装着できるロングタイプのフロアマットを新規に開発。S2000オーナーが本当に求めている用品を開発するという、S2000 20th Anniversaryを象徴するようなパーツといえます。

 そして今度は、フロントの減衰力を「4」そして「5」へと高めてみます。すると明らかにワインディングをメインステージにしたと思われる、スポーティなフィーリングへ変化したことが感じられます。

 駐車場内を移動するようなわずかな速度域でも、ステアリングの操舵角にフロントノーズの動きがリニアに連動し、しかもフィーリングは一定してかわらずでした。

 ホンダアクセスが「ワインディングマスター」と定義する、ストリートでの快適性を保ちつつも、ドライバーが意のままに車両をコントロールできる脚まわりを体験できます。

 エアロパーツとサスペンションのトータルコーディネートにより、まさに「20年目のマイナーチェンジ」を完成させたS2000 20th Anniversary。

 いずれのパーツも、S2000の全年式のモデルに装着が可能という点も魅力です。現在、S2000を所有するオーナーはもちろん、これから中古でS2000を購入しようかと考えている人にも、ぜひこの乗り味を体験していただきたい。

 ベース車両が本来持っている魅力を取り戻すリフレッシュと、現代のタイヤに合わせたリセッティングというふたつの側面を、高いトータルバランスに拘りつつ実現したS2000 20th Anniversaryは、まさに2020年モデルのS2000と呼ぶにふさわしい仕上がりでした。

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みんなのコメント

1件
  • なんか、フロントバンパーの開口部が大きすぎ(るように見え)て下品だな…ベースのが上品
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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