限定販売された「モリゾウエディション」は、速さを追求してベースモデルから約30kg軽量化、 GRカローラの運動性能をさらに高めたモデルである。その走りの実力は、一般道でも十二分に実感できた。(Motor Magazine 2023年8月号より)
豊田章男前社長のこだわりが凝縮された1台
GRカローラRZをベースに、豊田章男前社長が自ら試作車のハンドルを握り、「お客様を魅了する野性味」を追求して作り込んだという、「RZモリゾウエディション(以下「モリゾウ」)は、70台のみの抽選販売とされた。
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徹底した軽量化と車体剛性の向上のほか、エンジンのトルクアップとMTのギア比最適化による動力性能の向上、モノチューブアブソーバーやハイパフォーマンスタイヤの採用によるコーナリング性能の向上により、気持ちが昂り、ずっと走らせていたくなるような走りの味を実現したという。
約30kgにおよぶ軽量化のためにドアが4枚あるのに2シーター化されたことには驚くばかりだが、空いた後席のスペースは走行会等で履き替えるためのタイヤを並べて積めるようになっている。
また、足まわりの変更によりコーナリングの限界性能が向上し、ドライバーにより高いGがかかるようになってもしっかりと身体をホールドできるよう専用のセミバケットシートが標準装備される。
さらに、ハンドルやシフトノブにはウルトラスエード表皮を採用したほか、ドアトリムやインパネに鋳物ブラック塗装を施してスポーティさと上質さを演出するなど差別化が図られている。
エンジンは最高出力についてはRZと不変で、最大トルクを30Nm m増の400Nmに引き上げるとともに、発生回転数をRZでは3000~5550rpmのところ、モリゾウでは3250~4600rpmとして低回転域のトルク特性の向上を図っている。
加えて、ディファレンシャルギアのローギアード化や6速MTの1~3速のクロスギアレシオ化により、動力性能の向上と気持ちの良いギアのつながりを追求した。
RZをさらにワークスチューン。限定車モリゾウEDの凄さ
車体も、カローラ スポーツに対して349点もスポット溶接の打点を増やし、構造用接着剤の使用箇所を2.7m追加したRZからさらに3.3m追加したほか、ブレースバーを2点追加、より高い剛性を実現している。
足まわりには245サイズへと10mm拡幅したハイグリップタイヤを履かせるとともに、前後にモノチューブダンパーを装着。フロントは倒立式とされた。
車両価格はRZよりも約200万円高い715万円となっており、持ち込み登録となる。凄みのある印象的なボディカラーがよく似合っているが、実はこれだけで35万円あまりのオプションだ。
これだけ手が加えられているのだから、ドライブフィールもRZとはだいぶ違う。まず、RZでも相当のところ、モリゾウはより速さを直感する。もともとパワフルなエンジンの低~中速域の力強さがさらに増しているのは、トルク特性の違いとローギアード化が効いているに違いない。心なしかシフトフィールやクラッチペダルの踏み応えもモリゾウのほうがソリッドで、エキゾーストサウンドも抜けが良いように感じられた。
足まわりもより締め上げられていて、少し走ってみただけでもグリップ感が高まっているのがわかる。ハイグリップタイヤをさらに路面に押し付けるかのような感覚もある。タイヤサイズの10mmの違いは小さくなく、電動パワステのチューニングの違いもあり、ステアリングフィールにもし
っかりとした手応えがある。
ハンドリングも軽量化と車体剛性の向上や足まわりのチューニングが効き、走りの一体感がRZよりも高まっている。今回のドライブでは試すことはできなかったが、コーナリングの限界も高まっている気配は感じられた。
高性能を日常的に楽しめるようにしたRZに対し、モリゾウはよりスパルタンな雰囲気と刺激的な走りを高い完成度のもとに味わえるようにされている。ワークスチューンのRZをさらにワークスチューンしたのがモリゾウである。
これを70台で終わらせてしまうなんてもったいない。さらなる続編にも期待せずにいられない。(文:岡本幸一郎/写真:井上雅行)
トヨタ GRカローラRZ モリゾウエディション主要諸元
●全長×全幅×全高:4410×1850×1475mm
●ホイールベース:2640mm
●車両重量:1440kg
●エンジン:直3DOHCターボ
●総排気量:1618cc
●最高出力:224kW(304ps)
●最大トルク:370Nm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム ・50L
●タイヤサイズ:245/40R18
●車両価格(税込):715万円
[ アルバム : トヨタ GRカローラRZ モリゾウエディション はオリジナルサイトでご覧ください ]
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