【MotoGP】ベッツェッキ、手術直後の転倒も”お尻”を焦がしてカバーに成功。痛みには「表彰台が薬になる」と冗談も

　VR46のマルコ・ベッツェッキは、MotoGPインドネシアGPのFP1で転倒した際、手術したばかりの右鎖骨を、“お尻”を犠牲にして守ったようだ。

　ベッツェッキは10月7日（土）、トレーニング中にクラッシュし、右鎖骨を骨折してしまった。翌日には手術を受けてプレートを埋め込んだが、当初はインドネシアGPに出場することも危ぶまれた。

　最終的にベッツェッキは13日（金）の朝にコースに到着し、そこでメディカルチェックを通過。FP1から出走できることになった。

　そのFP1で、ベッツェッキはあろうことか転倒を喫してしまった。幸い午後のプラクティスにも参加できたが、クラッシュした瞬間には彼も腕をかばわなければと考えたという。

「怖くはなかったけど、滑ってしまった瞬間、腕をかばうためにお尻を焦がしてしまった」

　ベッツェッキはFP1での転倒をそう振り返った。

「運良くグラベルに進んだから大丈夫だった。でもクラッシュから少しは滑ったね」

　ベッツェッキは怪我の痛みは予想よりも軽かったという。ただカタルニアGPでクラッシュした結果として手を痛めた時よりは悪いようだ。

　残る週末に向けて、ベッツェッキは強力な鎮痛剤は使わずに済むことを期待している。そして彼は「上手くいけば、（表彰台獲得の）シャンパンがとても良い痛み止めになるだろうね」と冗談めかして語った。

　なおインドネシアGPの参加について、ベッツェッキは手術直後の月曜日の段階では不可能だと考えていたとも明かした。

「正直に言うと、手術を終えて月曜朝に自宅に帰った段階では、本当にひっどい気分だった」

「だから最初はインドネシアGPをスキップしてオーストラリアに向かうことになるだろうと思っていた。でも月曜日にも、クルーの皆との取り組みのために、ジムに向かったよ」

「それで火曜日に目覚めると、信じられないほど良い感じだったんだ」

「『ワオ、どういうことだ』ってね。外見も良くなっていて、フィーリングも良ければ腕はより動くようになっていて、痛みも少なく、力も入れられた」

「それでジムで試したいと思って、様子を見たんだ。そして夜には（インドネシアGPに出ることを）決断したよ」

「もちろんトライしようと思った。皆が賛成してくれたわけではないけど、最終的には皆を、特に母を説得しようとした」

「そして水曜朝、病院で最後のチェックを受けて『よし、行くぞ』と決め、飛行機をとって朝に到着したんだ」

　また今回のインドネシアGP参加にあたっては、チームオーナーであり彼の師匠でもあるバレンティーノ・ロッシはより保守的な考えを示していたという。

「最初は彼（ロッシ）は僕よりも少し保守的な考えだったんだ」

「でも話し合って、僕が良いフィーリングでやれそうだということを、彼も分かってくれた。それにロッシはライダーだからね。分かってくれるよ」