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「余力がなかった」悔しさと手応えの2位。100号車STANLEYの山本&牧野がチャンピオン争いに名乗り

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「余力がなかった」悔しさと手応えの2位。100号車STANLEYの山本&牧野がチャンピオン争いに名乗り

 富士スピードウェイで行われたスーパーGT第4戦にGT500、ポール・トゥ・ウインでホンダ・シビックが初優勝を飾った8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTを唯一、追い詰める走りを見せたのが、2位の100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTだった。ホンダ・シビックのワン・ツーフィニッシュの一翼を担うことになった100号車のふたりに聞いた。

 予選2番手から牧野任祐がステアリングを握ってスタートした100号車STANLEYだったが、レース序盤からじわじわとポールの8号車ARTA野尻智紀に離される展開となった。実は100号車と8号車は、前日からの予選~決勝スタートのタイヤが異なっていたことが大きく影響したようだ。

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「僕のスティントの時にはタイヤがちょっと柔らかかった。今日のスタートはもっと曇る予想だったのですけど、ピーカンになってしまった。逆に8号車は自分たちより硬いタイヤを履いていたので、ちょっと厳しい部分があったかなと思います。ただ、その中でもやれることはやったと思います」と、最初のスティントを振り返る牧野。

 33周目にピットインするまで2番手をキープしながら、100号車は牧野から山本尚貴に乗り替わった。8号車もその2周後にピットインし、野尻から松下信治にチェンジ。お互いのピット作業が終わった時には順位は変わらなかったものの、一時モニター上で12秒まで広がったギャップが、9秒に縮まりそこから2台の差は徐々に縮まっていった。そして、40周目を過ぎてから2台は1秒前後のテール・トゥ・ノーズ状態になっていった。


「自分でも真後ろまで追い詰められるとは思わなかったし、逆にあそこで詰めるしかない、プレッシャーを掛ける意味でも真後ろまで行くしかないと思って行きました」と、その時の状況を話す100号車STANLEYの山本。しかし、そこからスティント中盤からは前を行く8号車ARTA松下信治とのギャップが、徐々に開いてしまった。

「最初の20周はチャンスがあるなと思っていました。ただ、彼の後についたことで、ダウンフォースが少ない状態で走ってしまったので、想定していた以上にタイヤの摩耗を進めてしまった。後ろについたら一発で仕留めたかったのですけど、一発で仕留められる余力がこちらにはなかったですし、トラフィックなどで前に出られてば良かったのですけど、彼の走りにも隙がなかったですし、前に出られるだけのスピードがなかったです」と山本。

 それでも、サクセスウエイトを考えると(100号車40kg、8号車6kg)トップに追い付いての2位は十分な結果と言える。

「あと一歩でしたけど、サクセスウエイトを考えるとベストな結果だと思います。今年の岡山からの3戦のことを考えると正直、あまりいい手応えがなかった中で、今週はサクセスウエイトも積んでいる中で表彰台に絡みたいとは思っていましたけど、現実的には厳しいと思っていた中で、チーム、HRCが一生懸命頑張ってくれたおかげで2位になれた。何よりも今週は牧野選手の予選Q1トップタイムというのが衝撃でしたし、あれが効いたと思うので、本当に彼がいてくれてよかったなと思います」と、周囲に感謝する山本。

 一方の牧野も、今回の2位をポジティブに受け止める。

「もちろん、優勝したかったですけど、自分たちの今のパッケージ、サクセスウエイトもそこそこ重い状態で最大限のパフォーマンスは出せたと思いますし、チームみんなでやれることをやって、ピット作業も早かった。僕も自分のスティントでだいぶ燃費を稼ぐことができて、チャンスがあったらなと思っていたのですけど、それ以上に8号車が速いというのは正直、仕方ないと思うところもあるので、この結果は最大限かなと思います」と牧野。

 100号車STANLEYは今回の2位でドライバーズランキングもトップの36号車au TOM'S GR Supraに次ぐ2位に上がり、チャンピオン争いに絡める結果となった。

「ポイント的には36号車との差は詰まりはしましたけど、次の鈴鹿で僕たちも今回の36号車のようなレースをしないといけない。僕たちは今まで重い状態でもやって来れていたと思うので、次の鈴鹿に向けてしっかり準備してまた頑張っていきたいなと思います」と続ける牧野。

 これまでの36号車auと3号車Niterra MOTUL Zのチャンピオン争いという構図に、ホンダ・シビックの100号車STANLEYが加わり、チャンピオンシップがいよいよ面白くなってきた。


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