現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 新しい穴は1つもナシ! デビッド・ブラウン・ミニeリマスタードへ試乗 スムージング・ボディで電動化

ここから本文です

新しい穴は1つもナシ! デビッド・ブラウン・ミニeリマスタードへ試乗 スムージング・ボディで電動化

掲載
新しい穴は1つもナシ! デビッド・ブラウン・ミニeリマスタードへ試乗 スムージング・ボディで電動化

ボディへ新しい穴を開けずに電動化

ミニのレストモッドを得意とするデビッド・ブラウン・オートモーティブ(DBA)が、新作を仕上げた。チューニングした内燃エンジンではなく、電気モーターとバッテリーを載せて。

【画像】新しい穴は1つもナシ! デビッド・ブラウン・ミニeリマスタード 電動化されるクラシックたち オリジナルのミニも 全134枚

グレートブリテン島の南部、ノーサンプトンシャー州に拠点を置くDBA社は、オリジナルのミニを綺麗に直してくれる。ブリティッシュ・モーター・ヘリテージ社製の真新しいボディシェルが準備されるため、ボロボロでも構わない。

その成形型は自社製で、品質は間違いない。驚くような価格を納得させる、高水準で仕上げることができるという。

従来のミニ・リマスタードと違う点は、ミニeリマスタードでは、フェルテン社が提供する電動パワートレインが組み付けられること。同社はミニに適合したシステムを開発した、数少ないサプライヤーの1つだ。

正当なクラシック・ミニとして状態を保つべく、新しい穴をボディシェルへ開けずに、パワートレインを搭載できることが特徴。それ以外の部品やトリムは、基本的にオリジナルのものが使われる。クラシックカーとして、英国では古いナンバーも残せる。

ちなみに英国では、当初のナンバープレートを維持するうえで規定がある。指定項目で8ポイントを得る必要があり、オリジナルか未改造のシャシーやボディシェルを維持していれば、5ポイントが得られる。

サスペンションがオリジナルなら2ポイントで、アクスルやトランスミッション、ステアリングも2ポイント。エンジンは1ポイントだ。

モダンにボディはスムージング 改めて驚く小ささ

小さなボンネット内に収まるのは、新しいサブフレームの上にマウントされた、98psの駆動用モーターとバッテリー。インバーターはリア側に載る。これらはすべて、本来あった固定ポイントへボルトで締め付けられている。

ボディシェルの底面にはケーブルが通され、保護プレートで覆われる。それらも、既存の穴を利用している。充電ポートは、給油口が転用される。

オリジナルのミニは、ボディパネルが出っ張ったリブ部分で結合されているが、DBA社はモダンにスムージング。この手法は、古くからカスタマイズ・スタイルの1つとして確立しており、クラシックカーの認定には引っかからないらしい。

ステアリング系とサスペンションは、オリジナルのまま。インテリアが丁寧に仕立て直され、登録時のナンバープレートがバンパーへ戻され、ミニeリマスタードが完成する。

実物を目の当たりにすると、新車のようにピカピカ。最近はロンドンでもオリジナル・ミニを目にする機会は減っているから、こんなに小さかったっけ、と改めて驚いてしまった。全長は3050mm、全幅は1470mmしかない。これで4人乗りだ。

航続距離は177km リニアにパワーを展開できる

インテリアはDBAが細部まで手を加え、ダッシュボードなどの内装は真新しい。エアコンの送風口はおしゃれなデザインで、ボタン類は本物の金属。メーター類は本来の雰囲気を残しつつ、充電量がわかるバッテリーEV仕様へ改められている。

フロントシートも豪華。リアシートは、基本的には荷物置き場だろう。容量18.8kWhの駆動用バッテリーの一部は、もともとスペアタイヤが載っていた場所にも積まれている。荷室は、もともとの容量が保たれている。

急速充電には対応せず、満充電に3時間かかる。航続距離は、最長177kmと長くはない。正直なところ、実用性は高くない。

お値段が15万ポンド(約2880万円)なことを考えれば、恐らくオーナーは複数のお気に入りをガレージに収めているはず。これで問題ないのだろう。

車重は640kgと軽く、0-100km/h加速は8.5秒。今回はロンドンの市街地でしか運転しなかったが、その数字相当に活発だと思えた。

バッテリーEVらしく、静止状態から力強く滑らかに加速する。オリジナル・ミニのアクセルペダルはスイッチのように唐突だったが、リニアにパワーを展開できる。

回生ブレーキも備わり、電気エネルギーの無駄を減らしている。ブレーキペダルの感触も好ましく、予想通りにスピードを落とせる。元の場所にシフトレバーは付いているが、DとRだけだ。

運転の印象は、記憶の中にあるクラシック・ミニ

基本的には、筆者の記憶にある、クラシック・ミニらしく運転できる。駆動用バッテリーを小さく留めたことで達成した、ほぼ変わりない車重も、この印象に貢献しているだろう。容量を増やせば、重くなってしまう。急速充電に対応させても重くなる。

年式にもよるが、当初のモーリス・ミニ・マイナーの車重は約580kg。2000年前後には、装備が増え700kg前後になっていた。ミニeリマスタードは、640kgだ。回頭性は素早く、キビキビ加速し、ピタッと止まれる。

タイヤは12インチのヨコハマA539。サイズは165/60と肉厚だ。運転体験は、場所を選ばず適度にスポーティ。ランドローバー・レンジローバーに乗っているより、多くの視線を市街地では集める。

インテリアは真新しく、容姿は洗練されている。ヒーターは良く効く。社外品のインフォテインメント・システムが備わり、適度な高級感もある。

助手席は運転席のすぐ隣り。シートに座った目線は、大型トラックのタイヤより下。
この小ささを受け入れられれば、好きになってしまう特徴に溢れている。

まったく新しいボディシェルや、電動パワートレインを与えることが、本当に環境へ優しいのかは疑問ではある。それでも、すこぶる楽しいクルマに感じたことは本当だ。

撮影:スタン・パピオール(Stan Papior)

デビッド・ブラウン・ミニeリマスタード(英国仕様)のスペック

英国価格:15万ポンド(約2880万円)
全長:3050mm
全幅:1470mm
全高:1330mm
最高速度:148km/h
0-100km/h加速:8.5秒
航続距離:177km
電費:8.5km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:640kg
パワートレイン:AC同期モーター
駆動用バッテリー:18.8kWh
急速充電能力:−kW
最高出力:98ps
最大トルク:17.8kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

こんな記事も読まれています

【イベントレポート】足回りのセッティングが可能なビルシュタイン サービスバスを導入!「阿部商会 ビルシュタイン サービスバス・ショーケース 2024」
【イベントレポート】足回りのセッティングが可能なビルシュタイン サービスバスを導入!「阿部商会 ビルシュタイン サービスバス・ショーケース 2024」
LE VOLANT CARSMEET WEB
道路にある「謎のカメラ」一体何してる? ピカッと光る「オービス“そっくり”」だけど…何が違う? 両者の見分け方とは
道路にある「謎のカメラ」一体何してる? ピカッと光る「オービス“そっくり”」だけど…何が違う? 両者の見分け方とは
くるまのニュース
効果絶大!「尼宝線」の道路拡幅と「宝塚IC」の立体交差化で渋滞はどうなった? 今年のGWも大きな渋滞は発生せず。
効果絶大!「尼宝線」の道路拡幅と「宝塚IC」の立体交差化で渋滞はどうなった? 今年のGWも大きな渋滞は発生せず。
くるくら
ジープ初のEV『ワゴニアS』、600馬力で0-96km/h加速は3.4秒…初の一般公開
ジープ初のEV『ワゴニアS』、600馬力で0-96km/h加速は3.4秒…初の一般公開
レスポンス
米国EVメーカー「フィスカー」経営破綻! EVアンチが素直に喜べない「3つの破綻原因」とは
米国EVメーカー「フィスカー」経営破綻! EVアンチが素直に喜べない「3つの破綻原因」とは
Merkmal
メルセデス・ベンツ、「CLEクーペ」にカブリオレ 電動開閉式ソフトトップ搭載
メルセデス・ベンツ、「CLEクーペ」にカブリオレ 電動開閉式ソフトトップ搭載
日刊自動車新聞
強すぎ注意! パワフル強風で水滴、ホコリなど吹っ飛ばすエアダスター
強すぎ注意! パワフル強風で水滴、ホコリなど吹っ飛ばすエアダスター
月刊自家用車WEB
不動車のホンダ「ベンリイC92」をエンジンのプロがレストア! 穴の空いたマフラーを交換ついでにもっとカッコイイ物にアップデートします 【vol.13】
不動車のホンダ「ベンリイC92」をエンジンのプロがレストア! 穴の空いたマフラーを交換ついでにもっとカッコイイ物にアップデートします 【vol.13】
バイクのニュース
新車価格700万円超えが[280万円]に!? 個性派モデルに生まれ変わった[プジョー508SW]が超お得車だった
新車価格700万円超えが[280万円]に!? 個性派モデルに生まれ変わった[プジョー508SW]が超お得車だった
ベストカーWeb
内装工事の職人が仕上げたトヨタ「ハイエース」は積載方法にヒントがいっぱい!「見た目は仕事でも使える範囲にとどめています」
内装工事の職人が仕上げたトヨタ「ハイエース」は積載方法にヒントがいっぱい!「見た目は仕事でも使える範囲にとどめています」
Auto Messe Web
標識に落書きにステッカーの貼り付けは「懲役or罰金」のある罪! 善意での「勝手に修繕」もまた罪になる可能性があった
標識に落書きにステッカーの貼り付けは「懲役or罰金」のある罪! 善意での「勝手に修繕」もまた罪になる可能性があった
WEB CARTOP
ホンダ「新型コンパクトミニバン」発売! 8年ぶり“全面刷新”でめちゃ「カクカクデザイン」採用! 上質になった「新型フリード」 250万円から
ホンダ「新型コンパクトミニバン」発売! 8年ぶり“全面刷新”でめちゃ「カクカクデザイン」採用! 上質になった「新型フリード」 250万円から
くるまのニュース
F1勢力図変動中!?  高温、連戦、スプリントフォーマットで予測不能な状況に【オーストリアGP プレビュー】
F1勢力図変動中!? 高温、連戦、スプリントフォーマットで予測不能な状況に【オーストリアGP プレビュー】
Webモーターマガジン
宮田莉朋、波乱万丈のバルセロナ戦に続き「またタフな週末になる」初のレッドブルリンクへ/FIA F2第7戦プレビュー
宮田莉朋、波乱万丈のバルセロナ戦に続き「またタフな週末になる」初のレッドブルリンクへ/FIA F2第7戦プレビュー
AUTOSPORT web
マクラーレンF1代表、スペインGPの敗因にスタート直後の後退を挙げるも「戦略は変わらなかった」と主張
マクラーレンF1代表、スペインGPの敗因にスタート直後の後退を挙げるも「戦略は変わらなかった」と主張
AUTOSPORT web
「ジムニー」ファン必見! スズキ、セルロースを使用したエコなマグカップを新発売。アウトドアにもおすすめ。
「ジムニー」ファン必見! スズキ、セルロースを使用したエコなマグカップを新発売。アウトドアにもおすすめ。
くるくら
CIEL の「ドライブレコーダー YUMI」発売記念キャンペーンを7/31まで2りんかんで実施中!
CIEL の「ドライブレコーダー YUMI」発売記念キャンペーンを7/31まで2りんかんで実施中!
バイクブロス
スズキ、東京アウトドアショー2024に特別仕様車を展示! 「スペーシア パパボクキッチン」を含む3台が登場
スズキ、東京アウトドアショー2024に特別仕様車を展示! 「スペーシア パパボクキッチン」を含む3台が登場
くるくら

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

178.9209.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

76.0575.0万円

中古車を検索
ミニの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

178.9209.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

76.0575.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村