■CX-8にガソリン仕様/ガソリンターボ仕様が追加
いままでの国産SUVモデルに「3列シート」のインパクトを与えたと言えるマツダ「CX-8」。2017年12月の登場からフルサイズのSUVとしては、販売好調モデルのひとつです。
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発売当初は、エンジンは「2.2リッターディーゼルエンジン」のみ、シートも「3列シート」というラインナップを絞った形で展開していました。今回の商品改良では、いままでのディーゼルエンジンに加え、「2.5リッターガソリンエンジン」と「2.5リッターガソリンターボエンジン」を新設定しています。
もともとのディーゼルエンジンは、低速域から力強いトルクで長距離運転に適していました。追加されたガソリン仕様は、街乗りでも安心して運転できる使いやすさを追求。ターボ仕様は、低速から中速、さらには高速まで想いのままに加速する力強いフィーリングが特徴です。
今回の試乗では、新設定の「ガソリン仕様」と「ガソリンターボ仕様」を乗り比べています。いままでの「CX-8(ディーゼル)」のイメージで走り出すと「ガソリン仕様」は、想像よりも低速域のトルクが出て、その流れでスピードがどんどん上がっていく乗り心地です。
一方、「ガソリンターボ仕様」は、ターボ特有の低速域からグングンと力強く加速する感覚はありつつも、加速時の振動は抑えられているため、ターボ車に慣れていない人でも乗りやすい印象を受けます。また、高速域ではしっかりと伸びていくので、SUVだけど走りも楽しみたい人にも向いているのかもしれません。
2018年10月11日に発売された「CX-5」に新設定された「ガソリンターボ仕様」も基本同じスペックですが、両車の車重差は約200kgあり、その重さの分「CX-8」の方が鈍い印象でした。しかし、乗り比べない限りは「CX-8」でも気持ちよく走ることができます。
■CX-8にガソリン仕様/ガソリンターボ仕様が追加
エンジン以外にも乗り心地を向上させている進化ポイントがあります。『G-ベクタリング・コントロール(以下:GVC)』という技術で、ドライバーのハンドル操作に応じて、エンジンの駆動トルクを変化させることにより、車両の挙動を安定させるものです。
今回の改良では、GVCをさらに進化させた『GVC Plus』が登場。これは、緊急時の危険回避や高速走行時の車線変更など、車体の挙動が大きく変化した場合、その動きを復元させるときにクルマ側の判断で適切なブレーキを介入させ、素早く安定性をもたらすシステムです。
試乗では、特別に『GVC Plus』をON/OFFできる装置が付いたクルマで体感しました。80km/hの車速でハンドルを切り、車線変更した場合にクルマ自体の揺れ具合の違いは明確で、『GVC Plus』がONだとすぐに揺れが収まります。動物の飛び出しや雪道などの滑りやすい路面などでは大いに効果が期待できます。
また、3列目シートの静粛性向上や衝突回避軽減ブレーキに夜間歩行者認知機能なども追加しています。さらに、上位グレードの「Lパッケージ」には、マツダ「アテンザ」から採用された『シートベンチレーション(身体とシートにこもる熱気を吸い出す機能)』を搭載。室内の蒸れを軽減する効果があり、快適性が格段に進化しています。
気になる点としては、『シートベンチレーション』を最大値にしているとヘッドレストから、それなりに大きなファンの音が聞こえてきます。運転に集中したい場合などは気になるかもしれません。
コネクティビティ部分の改良点は、マツダのコネクティビティシステム『マツダ コネクト』が『CarPlay』と『Android Auto』に対応したということです。スマートフォンをUSBコネクターでクルマに接続することで使用できます。また、最新の「Apple iOS12」か「Android 9 Pie」などにも対応していることから「Google Maps」を車体のディスプレイに表示することも可能です。
商品改良について、CX-8開発主査の松岡英樹氏は、「今回のポイントは“走る歓び”の深化とさまざまなライフスタイルに応じた多彩な選択肢の提供です。また、同乗者にも“優しい質感”と“心地よさ”を提供するという部分では、3列目の静粛性向上やシートベンチレーション搭載の追加になります」と話します。
マツダは、過去ラインナップにあった3列シートミニバン「ビアンテ」「プレマシー」の生産をやめ、新たに3列シートを備えたSUV「CX-8」を投入したことからも、『3列シートSUV車』には他社にも負けない想いが込められているのかもしれません。
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