イソッタ・フラスキーニと契約したアレックス・ガルシアは、LMP3の経験が1シーズンしかないにもかかわらず、2024年にWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスでレースをするという見通しに動じていないという。
このメキシコ人ドライバーの名は、11月下旬に発表されたWECの暫定エントリーリストにおいて、開発ドライバーを務める“JK”ことジャン・カール・ベルネイと未発表のチームメイトとともに『ティーポ6 LMHコンペティツィオーネ』のドライバーラインアップのひとりとして掲載された。
イソッタ・フラスキーニ・デュケーヌの初テストが完了。2日間で1200km以上を走行し「非常に満足」
20歳のガルシアは今年、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズで耐久レースデビューを果たしたばかりだ。彼はクール・レーシングでアドリアン・シラ、マルコス・シーベルトと『リジェJS P320・ニッサン』のステアリングを共有し、シーズン6戦3勝、計5度の表彰台を獲得し見事シリーズチャンピオンに輝いた。一方、これと並行してFIA F3選手権にも参戦していた。
そんな彼は、WECのトップカテゴリーであるハイパーカークラスへ“飛び級”する準備ができていると確信しており、シングルシーターでの野望を保留し2024年に向けてデュケーヌが運営するイソッタ・フラスキーニチームに参加すること決めた。
「ELMSでルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得するとともにLMP3参戦1年目でチャンピオンになった後、多くのチャンスが巡ってきた」とSportscar365に語ったガルシア。
「僕と僕のマネジメントチームは、シングルシーターに留まるか、それとも耐久レースに完全に転向するか、難しい決断を迫られた。でも最終的にはイソッタ・フラスキーニとデュケーヌからのオファーを受けたのは正しい決断だったと思う」
「多くのビッグネームがひしめく世界でトップメーカーと戦うことは、その世界に飛び込む大きなチャンスだ。だから二の足を踏む必要はなかったよ」
「LMP3でやってきたようにそこにいることができることを証明できれば、と願っている。うまくいけば2025年にはもっと多くのチャンスを得ることができるだろう」
■アジアン・ル・マン・シリーズ参戦の理由
WECデビューに向けてさらなる経験を積むため、ガルシアはこの冬、ニールセン・レーシングからAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズに参戦しLMP2クラスで『オレカ07・ギブソン』ドライブしている。
「耐久レースでは好きなだけテストができるが、最終的にはタイヤマネジメントや戦略といったものが非常に重要で、テストではこれらを学ぶのは難しい」とガルシアは述べた。
「LMP2がLMP3よりもパワーとダウンフォースがあるのはいいことだけど、カタールでの開幕戦までにできるだけ多くのレースを走りたいんだ」
王者トヨタや、デビューイヤーでル・マンを制したフェラーリ、信頼性確保を軸にマシンをアップデートするポルシェに加え、新規参戦するBMW、ランボルギーニ、アルピーヌといった有名メーカーを相手に、同じくニューカマーであるイソッタ・フラスキーニは不利な立場に置かれることが予想されるが、ガルシアはイタリアのブティックメーカーが2024年にサプライズを起こすことを期待している。
「良いシーズンにするために必要なものはすべて揃っていると考えている。僕たちのクルマは素晴らしく見えるし、デュケーヌは本当によく働くチームだ。強力なドライバーラインアップもあり僕らは完璧に進んでいると思う」
「表彰台を手に入れることができても驚かないよ。最初のシーズンで表彰台を獲得できれば、それは素晴らしいことだ。ライバルたちに対して僕たちがどの位置にいるのかが興味深いのは確かだけど、いいシーズンを過ごせることは間違いないはずだ」
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