トヨタMIRAIをいえば世界初の市販型燃料電池自動車。静粛性も高く、非常に完成度の高い1台だが723万6000円と、いかんせん価格が高い。補助金などもあるがなかなか手が出にくいのも事実。
心配なインフラも少しずつ改善しており、水素ステーションの数、そして供給体制なども初期に比べればグッとよくなった。さらにここにきてMIRAIに乗るキッカケを作ってくれそうなリースプランができたという。
車の良し悪しはカタログ値では測れない! スペック以上に優秀な車 5選
文:国沢光宏/写真:ベストカー編集部
■MIRAIに毎月2万4100円で乗れるって本当!?
驚いたことに燃料電池車MIRAIが、プリウスより安い毎月2万4100円の均等払いで乗れるようになった?
聞けば113万3599円を4年間で支払えばよいという。200万円級のクルマを買うのと700万円を超えるMIRAIがまったく同じ金額ということに。なんでそんなリーズナブルなのか。
トヨタは突如4年リースの残価設定を50%にしてきた。約723万円のMIRAIなら、車両価格の50%相当の361万5000円払えばよい。
とはいえ普通のクルマなら361万5000円+諸費用ということになり、毎月の支払額は8万5000円程度。気軽に出せる額じゃない。されどMIRAIの場合、補助金を頭金代わりに使えてしまうからすばらしい!
水素ステーションの整備も課題だったが首都圏だと大きな進歩がみられる
今年度の補助金は202万円。東京など水素ステーションのある地域の場合、さらに101万円が上乗せされ、303万円に。
この金額、当然のことながら361万5000円から引かれるため、58万5000円+諸費用54万8599円の113万3599円に! この金額で燃料電池車に乗れる。
この話を聞いた時「本当なのか」と疑ったほど。すぐ私がMIRAIを買った東京トヨペットの井荻店に電話して見積もりを取ってみたら、そのとおりでした。
条件についての話を聞くと「4年後に返却していただく時の車両の状態ですが、走行4万8000kmまで割り増し負担はありません。車両の損傷減額も150点以内です。
前後のバンパーを破損して交換+ドア1枚に大きなキズを受けた程度までOKです。普通に乗っていれば150点まではいかないと思います」。
■MIRAIは想像以上にいいクルマだ!!
今や水素ステーションは北海道の札幌から、九州の大分や佐賀まで99カ所もある。関東や中部、関西であれば、けっこうな密度になってきた。
日曜日や夜間営業しているステーションも増え、燃料電池車を使える環境も整ってきた。私がMIRAIを買った3年前は、東京23区内に3カ所しかなく、売り切れやトラブルで稼働休止も普通。3年で大幅に変わった。
クルマとして評価した時のMIRAIもすばらしい! 現在トヨタで販売しているどのクルマより乗り心地よく、しかも滑らか。ワイパー動かした時や窓の開閉音などの静かさについちゃ感動するほど。絶対的な動力性能だって充分。
まったくノーマルのまま出場した全日本ラリーで、そこそこのタイムを出せたほど。GAZOOラリーチャレンジに出た時はヴィッツより速く、86の中盤くらいに入るタイム。アウトバーンでメーター読みで180km/h出たし。
こんなすばらしい条件なのにトヨタはなぜ宣伝しないのだろう?
トヨタに聞いてみたところ「当初MIRAIは長い納期だったため、皆さんにご迷惑をかけました。突如お買い得感を出して宣伝するのは気が引けるので自粛しています」。
ちなみに補助金は自治体によって違っており、愛知県の場合、毎月の支払額は3万7000円程度になるという。それでも4年間の支払額は177万円で高くない。
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