現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜダッシュボードに「一輪挿し」で花を活けた? 170年にわたる「フラワーベース」の歴史を解説します

ここから本文です

なぜダッシュボードに「一輪挿し」で花を活けた? 170年にわたる「フラワーベース」の歴史を解説します

掲載 2
なぜダッシュボードに「一輪挿し」で花を活けた? 170年にわたる「フラワーベース」の歴史を解説します

無機質な車内に華やぎを与える

クラシックカーのダッシュボードに一輪挿しが装着され、花が飾られているのを見たことはあるだろうか? この「フラワーベース」というアイテム、じつは自動車が誕生した1800年代後半にはすでに登場しているというのだ。知れば知るほど奥深く、素敵なストーリーがあるフラワーベース。今回はそんなアイテムの歴史を紐解く。

67年式VW「ビートル」にエアサスを入れてローライダー風に!「新東名で120キロ巡航できるマシンが目標です」

優雅なおしゃれアイテムだった

クルマのダッシュボードに花を飾るという文化は、欧米のクラシックカーを中心に発展した。1850年代にはフラワーベースと呼ばれる一輪挿しがカーアクセサリーとしてポピュラーだった。フォルクスワーゲン「ビートル」には、すでに1950年代にメーカー純正のアクセサリーとしてフラワーベースが用意されており、車内に花を飾るというカルチャーはかなり定着していたことがうかがえる。

じつはアメリカでもほぼ同時期となる1950年代に高級陶磁器メーカーのフラワーベースがディーラーオプションとして用意されており、愛車に花を添えるという文化は決して珍しいものではなかったようだ。

歴史を辿ってみてわかった驚きの誕生理由とは

そんな自動車用のフラワーベースだが、歴史を遡ってみると、想像とは全く異なるちょっと変わった歴史が見えてきたのだ。じつはフラワーベースに類するアイテムは、自動車が誕生した1800年代の後半にはすでに登場している。ところがこの時代の花瓶は、花を一輪だけ活けるのではなく、香りの強い花を数輪詰め込んで使用していたことが判っている。

これは当時の自動車がまだオイルの燃える匂いやバッテリー液の匂いが強かったことが影響している。現代のように車内の換気などの設備が整っていないため、車内はエンジンの匂いや乗員の匂いが充満していたのだ。フラワーベースの花は、これに対する芳香剤のような役割を果たしていたと考えられる。文献によると、1895年にヘンリー・フォードは自動車用の花瓶を「Auto Vase」と命名し、販売したという記録が残っている。

こうして必然から生まれたフラワーベースは、戦後になると、その優雅な雰囲気からおしゃれなカーアクセサリーとして発展することとなるのだ。クリスタルガラスや有名陶磁器メーカー製など高級な花瓶も登場し、無機質な車内に華やぎを与えることとなる。ところが実際の花を活けるためには花瓶の中に水を入れる必要があり、手間のかかる贅沢であることから、徐々に自動車が日常の移動手段となっていくのに並行して衰退していくこととなる。

リバイバルで今でも残る一輪挿しのカルチャー

そんな中、フォルクスワーゲンは1960年代まで純正オプションとしてフラワーベースがリリースされていたこともあり、多くのビンテージ・フォルクスワーゲンのファンがこのフラワーベースに花を飾る文化を継承してきた。そんな背景もあって、1998年に登場した「ニュービートル」には透明プラスティック製ながらフラワーベースが標準で装備されることとなったのだ。

また2000年前後に日本のダイハツで発売された軽自動車にも、「フラワーポット」なる商品がオプションパーツとしてリリースされているという噂も。こんなご時世だからこそ、あなたも愛車のダッシュボードに花を飾ってみてはいかが? ちょっとだけ優雅な気持ちになること間違いなし!

こんな記事も読まれています

“直6”×MT設定あり! 新型「“コンパクト”クーペ」公開! 後輪駆動“継続採用”でめちゃ楽しそうな「M2」独で登場
“直6”×MT設定あり! 新型「“コンパクト”クーペ」公開! 後輪駆動“継続採用”でめちゃ楽しそうな「M2」独で登場
くるまのニュース
WRC最高峰デビューのセスク車が公開。母国ラトビアカラーのフォード・プーマ・ラリー1は初のノンハイブリッドに
WRC最高峰デビューのセスク車が公開。母国ラトビアカラーのフォード・プーマ・ラリー1は初のノンハイブリッドに
AUTOSPORT web
イース・コーポレーションが露チェルノフケーブルのデジタルケーブル2アイテムを販売開始
イース・コーポレーションが露チェルノフケーブルのデジタルケーブル2アイテムを販売開始
レスポンス
車名の由来は「セクシー」&「エレガント」! 日野「セレガ」の最新モデルが最新技術のるつぼだった
車名の由来は「セクシー」&「エレガント」! 日野「セレガ」の最新モデルが最新技術のるつぼだった
WEB CARTOP
厳選値引き実例 X氏の値引き特報
厳選値引き実例 X氏の値引き特報
グーネット
『バルセロナで速ければどこでも速い』はもう幻想? F1マシンの実力テストコースと言われた評価にドライバー疑問符
『バルセロナで速ければどこでも速い』はもう幻想? F1マシンの実力テストコースと言われた評価にドライバー疑問符
motorsport.com 日本版
40歳になっても大丈夫。フェラーリF1代表、来季加入のハミルトンに全幅の信頼「チャンピオン経験者のノウハウが、我々には重要」
40歳になっても大丈夫。フェラーリF1代表、来季加入のハミルトンに全幅の信頼「チャンピオン経験者のノウハウが、我々には重要」
motorsport.com 日本版
“鏡”タイプの「ルームミラー」は時代遅れ!? カメラで後方を映す「デジタルミラー」なぜ人気なのか? 理由と装着時の「注意点」とは
“鏡”タイプの「ルームミラー」は時代遅れ!? カメラで後方を映す「デジタルミラー」なぜ人気なのか? 理由と装着時の「注意点」とは
くるまのニュース
人気のホンダ「モンキー125」が大変身! 改造なしに名車「CB750F」風にカスタムできる!! 気になる各種パーツの出来栄えとは?
人気のホンダ「モンキー125」が大変身! 改造なしに名車「CB750F」風にカスタムできる!! 気になる各種パーツの出来栄えとは?
VAGUE
カーインテリアデザイナー団体JAIDとワールド、廃材ファッションショー「HORUMON NIGHT」を青山にて開催
カーインテリアデザイナー団体JAIDとワールド、廃材ファッションショー「HORUMON NIGHT」を青山にて開催
レスポンス
ホンダ、N-VAN e:は、仕事も趣味も”使える”盤石のEV性能 
ホンダ、N-VAN e:は、仕事も趣味も”使える”盤石のEV性能 
driver@web
レッドブルのお膝元でフェルスタッペンの連勝は続く? 角田裕毅所属のRBは復活なるか|F1オーストリアGP DAZN配信スケジュール
レッドブルのお膝元でフェルスタッペンの連勝は続く? 角田裕毅所属のRBは復活なるか|F1オーストリアGP DAZN配信スケジュール
motorsport.com 日本版
車検の更新、「2か月前」からに拡大 2025年4月から変更 国土交通省
車検の更新、「2か月前」からに拡大 2025年4月から変更 国土交通省
グーネット
[音響機材・チョイスの勘どころ]「単体サブウーファー」の細かなスペックの見極め方を解説!
[音響機材・チョイスの勘どころ]「単体サブウーファー」の細かなスペックの見極め方を解説!
レスポンス
【MotoGP】マルク・マルケス「今のMotoGPは長期キャリアが難しい」なお当人は来年13年目に突入
【MotoGP】マルク・マルケス「今のMotoGPは長期キャリアが難しい」なお当人は来年13年目に突入
motorsport.com 日本版
天候不良の中、ドライバーたちは何を訴えていた? スーパーフォーミュラ第3戦SUGO、レース当日の無線交信を振り返る
天候不良の中、ドライバーたちは何を訴えていた? スーパーフォーミュラ第3戦SUGO、レース当日の無線交信を振り返る
motorsport.com 日本版
ホンダの「V型10気筒エンジン」搭載スーパーカー!「“NSX”後継車」指名された本気の「超ロングノーズ」モデルに反響あり!
ホンダの「V型10気筒エンジン」搭載スーパーカー!「“NSX”後継車」指名された本気の「超ロングノーズ」モデルに反響あり!
くるまのニュース
アルピーヌA290をル・マンで発表 アルピーヌのEVモデル国内導入を検討中
アルピーヌA290をル・マンで発表 アルピーヌのEVモデル国内導入を検討中
Auto Prove

みんなのコメント

2件
  • furima-jirosan
    日産初代ブルーバードに、1200ファンシーデラックス(1961)という
    女性仕様車のはしりとも言えるバージョンが登場しましたが、
    このクルマのセンターピラー(車内左側)にも、その「一輪挿し」が
    装備されておりました。
    同車は座間のヘリテージコレクションにも収蔵されておりますし、
    クラシックカーのイベントでも、個人所有のこの貴重な車両が来場
    したりしております。
    (某TV番組にも登場したピンク/白ツートーンのクルマですね)
  • 葛葉恭次
    その派生が水中花シフトノブなの?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

-万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

78.0467.5万円

中古車を検索
ビートルの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

-万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

78.0467.5万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村