歴史ある車名は型式で呼ぶことで何代目かが区別できる
自動車にはモデルごとに当然のように車名が付けられている。しかし、なかにはその車名よりも型式名で呼ばれることが多いような車種も存在しているのはご存じのとおり。
【これぞ名車の証し】車名ではなく「型式」で愛されたクルマたち
型式で呼ぶことで何代目のモデルの話をしているのか、どんな仕様、グレードなのかまで分かるため、クルマ好きの間では日常的に使われているというわけだ。そこで今回も前回に引き続き、型式で呼ばれることが多い車種をご紹介しよう。
(1)ホンダ・シビック(EG/EK/FDなど)
ホンダのホットハッチ(セダンもあるが)と言えばやはりシビックが頭に浮かぶ人が多いのではないだろうか。とくにVTECエンジンが搭載された4代目(EF型)からは高い人気を誇っている。5代目が「EG」、6代目が「EK」とここまでがよく型式で呼ばれるモデルである。
7代目になると、5ドアハッチバックが「EU」、セダンが「ES」、タイプRが「EP」とボディタイプによって型式が細分化されたため、「ESセダン」や「EP3タイプR」など、タイプを含めて呼ばれることが多くなった。
8代目になると国内はセダンのみのラインナップとなったため、「FD」と型式で呼ばれることが多くなったが、2代目RX-7が「FD3S」で「FD」と呼ばれることが一般的なため、「FDシビック」や「FD2(タイプR)」と呼ばれることが多い。なお、この代のシビックハイブリッドは「FD3」であるため、さらにややこしくなる。
(2)トヨタ・MR2(AW/SW)
日本車初の量産ミッドシップ車として1984年に誕生したのがMR2だ。型式とは別の話となるが、よく「MR-2」とハイフンが入った記載をされることをよく見かける。しかしこれは間違いであるのでご注意を。
MR2の場合、初代を「AW」、2代目を「SW」と略す場合がほとんど。ちなみに初代は4A-GをはじめとするA型エンジンを搭載することから「AW」で、2代目は3S-GのS型エンジンを搭載しているため「SW」となっている。
日本国内ではMR-Sと呼ばれるモデルも、1ZZ型エンジンを搭載し「ZZW30」という型式になっていることからも分かるように、直系の後継車種である(海外仕様の一部はMR2名義のままだった)。
なお、日本国内仕様についてはNAモデル、過給機モデル共に型式は共通となるため、型式だけではどちらのエンジンが搭載されているかの判別はできない。ただ、初代モデルは1500ccエンジンを搭載したグレードが存在し、1600ccが「AW11」であるのに対し「AW10」という型式になっていた。
最近復活が噂されるあのクルマも型式で呼ばれる
(3)フェアレディZ(S30/S130/Z31~Z34など)
日産が世界に誇るスポーツモデルであるフェアレディZ。このクルマが北米市場で爆発的な人気を集めていなかったら、今の日本車の海外での評価は異なるものになっていたかもしれない、と言っても過言ではないだろう。
そんなフェアレディZは、初代がS30(昭和51年排出ガス規制適合車はS31)、2代目がS130と呼ばれているが、3代目から車名と同じ「Z」が型式に入り、Z31となって、現在販売されている6代目はZ34だ。
2000年にZ32が生産を終了してからZ33が登場するまでおよそ2年の時間が経過しており、一時はZブランドの消滅も噂されたことがあったが、メイン市場である北米からの復活を求める声を受けてZ33が登場したフェアレディZ。そのため、Z33以降のフェアレディZは、北米市場を意識した大排気量のエンジンや大柄なボディを持つモデルとなっている。
(4)トヨタ・スープラ(70/80など)
トヨタのスポーツモデルスープラも型式で呼ばれることが多い車種のひとつだろう。もともと海外では初代セリカXXの輸出名として使用されていたが、日本国内では1986年に登場したA70系からその名前が使用されている。
型式的には搭載されるエンジンによって、MA70やGA70、JZA70と呼び名が変わるが、それらをひっくるめて「70スープラ」と呼ばれることが多い。2代目については2JZエンジンのみのラインアップであるため、JZA80となるが、こちらも「80スープラ」と呼ばれている。
2002年の生産終了からすでに15年が経過しているにも関わらず、チューニングのベースとしては最強ともいえる2JZエンジンを搭載している同車は、現在でも多くのファンが存在し、最近では中古車価格も高騰しつつある。
間もなく新型スープラが登場するとの噂も聞かれるが、果たして新型も15年経っても愛されるモデルになれるのかどうか、気になるところである。
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