弾むような乗り心地など家族が満足するものではないモデルも存在
クルマ好きな家族持ちの男性が、ファミリーカーを買うときにいちばん苦労するのが、家族からの条件を満たしながら、どれだけ走りの良さを手に入れるか、というところですよね。ひとまず、スライドドアはカンベンしてもらったとしても、やはり後席の快適性はちゃんと考慮してあげないと、購入してから家族に文句を言われっぱなしになってしまうでしょう。
この後席は狭すぎる! 一見ファミリー向けなのに家族で使うには厳しいクルマ6選
でも、見た目やスペースの広さだけでは決してわからないのが、後席の乗り心地です。「ちゃんと後席があるからいいだろう」と安易に選んでしまうと、びっくりするくらい後席の乗り心地が硬いクルマというのもあるんです。今回はそんな、走りはいいけど後席に家族を乗せたら文句を言われてしまうそうなクルマたちをご紹介したいと思います。
1)スズキ・イグニス
まずは、全長3.7mのコンパクトクロスオーバーSUVでも、5人乗りでマイルドハイブリッド搭載と、ファミリーユースにも向いてそうな、スズキ・イグニス。鮮やかなカラーバリエーションや、150万円台からというお手ごろ価格が魅力的なモデルでもあるのですが、後席の乗り心地はちょっと弾むような感じで、長距離ドライブの際の快適性は今一歩というところ。
最低地上高が180mm確保してあり、ボディサイズに対しては大径の16インチタイヤを履いていること、ホイールベースが軽自動車より短い2435mmしかないこと、などが影響してるのかなという感じです。軽快でキビキビとした走りは楽しいので、後席に家族を乗せるのは街中がメイン、という場合にはいいのかもしれないですね。
2)レクサスRC
続いて、トヨタ86や日産GT-Rなど4シーターのスポーツカーは、見るからに家族からNGが出そうだけれど、これならきっと大丈夫だろうと選びがちな、スポーツクーペのレクサスRC。
2ドアですが乗り込んでしまえば後席はわりと余裕があるので、家族も思わず「まぁいいか」と賛同するかもしれませんが、やはり3.5リッターのV6エンジンから発するパワーを受け止め、俊敏で気持ちのいい走りを実現するために、後席の乗り心地は二の次。481馬力を誇るRC Fはもっと硬めになっています。もし後席にしょっちゅう家族を乗せるならば、ハイブリッドモデルを選ぶといくらか快適性もアップすると思います。
3)スズキ・ジムニー
次に、20年ぶりのフルモデルチェンジで室内の快適性がアップし、後席の居住性もよくなったと言われている、軽クロカンSUVのスズキ・ジムニー。確かに先代と比べたら、驚くほどよくなっているんです。でもジムニーの場合、やはりいちばん譲れないのはオフロードの走破性です。よくなったと言っても、家族が満足するような快適な乗り心地にはほど遠いんですね。
とくに高速走行ではつねに振動が伝わってくるような感じです。その代わり、雪道や未舗装路での安心感、頼もしさと言ったら、世界に誇れるくらいの実力。休日は頻繁にアウトドアレジャーに出かけるというファミリーなら、選んでも後悔はないと思います。
4)トヨタC-HR
次は、世界で最も過酷だと言われるニュルブルクリンク・サーキットで走りを磨いたSUVといえば、トヨタC-HR。その走りは確かに、SUVという概念を覆してくれるほど爽快で楽しいもので、運転席にいるぶんにはとてもフラットな乗り心地に感心するほど。
なのですが、後席は頭上と足もとのスペースがタイトなうえ、乗り心地もさすがに硬めです。ハイブリッドモデルなら、やや落ち着きがアップするシーンもあるので、家族で乗るならハイブリッドモデルがベターでしょう。
走り出してからの快適性は望めないゴツゴツ感の強い後席をもつ
5)MINI 3ドア
さて、ここからは輸入車です。5ドアが出てから家族でこちらを選ぶパターンはあまりないかもしれませんが、MINI3ドア。走り好きな人は、MINIの醍醐味でもあるゴーカートフィーリングが3ドアのほうが濃厚なことを知っているので、後席があることを理由に3ドアを選びがちですね。もちろん、後席のスペースそのものは5ドアモデルとそれほど変わらず、座ってしまえば大人でもしっかり座れる空間。
ただ、バビュンと鋭い加速フィールや、ポンポンと跳ねるような乗り心地、アメンボのように俊敏な車線変更など、走り出してからの快適性はあまり高いとはいえないのです。5ドアでも十分にMINIらしい走りは味わえますので、ぜひ家族もちさんはそちらを選んでほしいと思います。
6)アバルト595
続いて、羊の皮を被った狼とはまさにこのクルマのことかもしれない、アバルト595。フィアット500がベースとなった、ハイパフォーマンスモデルなのですが、パッと見た感じは可愛らしいデザインなので、ついつい走りも可愛らしいのかなと思ったら、大間違い。
とくに595コンペティツィオーネ スティーレというグレードは、1.4リッターのターボエンジンなのに、180馬力ものパワーを発揮するモンスターなんです。なので、4人乗りで後席はありますが、穏やかな乗り心地はまったく期待しない方がいいでしょう。ただ、このじゃじゃ馬ぶりにすっかり惚れ込んでしまう女性も少なくないそうですから、もしかしたら「運転させて」とせがまれるようになるかもしれないですね。
7)BMW・X2
ラストを飾るのは、どんなモデルでも走る歓びを決して忘れないとわかっているので、たとえSUVといえどもクルマ好きには魅力的な、BMW・X2。全長が4.3mほどのコンパクトサイズで、全高を1535mmに抑えているので、機械式立体駐車場にも入り、都市部のファミリーにも人気のモデルです。
走りの面では、306馬力を発揮する2リッターターボのM35iがとくに世の男性たちをときめかせているのですが、19インチタイヤということもあって、後席の乗り心地はつねにゴツゴツ。もし家族で乗るならば、4WDモデルを選ぶと少し快適性がアップすると思います。
というわけで、どうしても走りを諦めたくない家族もちの男性が、つい選びがちな魅力的なモデルばかりですね。後席にはたま~に家族を乗せるくらい、という場合はまったく問題ないと思いますが、毎日のように乗せるとなると、ちょっと家族が冷ややかな態度になってしまうかもしれませんので、ご注意いただきたいと思います。やはり、購入前には必ず家族みんなでそれぞれの席に試乗して、納得してから決めるのが安心ですね。
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みんなのコメント
昭和の頃は家族が居てもお父さんが
スタイリッシュな2ドアハードトップ
クーペを運転して助手席には奥さんが座り、
子供達は後席ではしゃぎまくりしてる光景を
よく目にした物だけど。
なんちゃって車の最高峰だな。全てに中途半端。